現在2018年12月15日8時12分である。
「昨日は、2冊目の本、やってこなかったじゃない」
うん。麻友さんも、ちょっとはのぞいたかも知れないけど、主に、『ブルバキとランダウ』のブログで、いつでも参照できるように、置いてある、BGsummary.PDF というファイルを、改訂してたんだ。
「えっ、あれ、最初のアップしたものから、改訂されて行ってるの?」
最初から、どこまでも分かり易いものが書ければ、それに越したことはないんだけど、大学数学科卒業レヴェルに近いことを、書いてるから、最初は、要点だけ書いてあったんだ。
それを、機会あるごとに、細かい説明を、追加して行ってる。
「今回の改訂で、どんなことを、書いた?」
一番のポイントは、
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数学の基礎の話に不慣れな読者は、強い公理だと言っている選択公理を認めると、積分できないものができるという否定的な結果が得られ、逆に弱い公理だと言っている従属選択公理を認めると、どんな関数でも積分できるという肯定的な結果が得られるという文脈に、何か間違いがあるのではないか? と、疑問に思ったかも知れない。
これは、実際に、選択公理というものを用いて、無限にたくさんある集合から、1つずつ選び出すという関数を、自分で作ろうとしてみないと、決して分からない現象である。
日本語の意味だけ考えていたのでは、分からないことが、数学の奥深くにある、ということは、銘記しておいて欲しい。
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という説明を加えたことだ。
普通の人は、麻友さんもそうであるように、積分というものを、知らない。だから、弱い武器を持っているときは、積分できる(つまり、モンスターを倒せる)のに、強い武器を持つと、積分できない関数が現れる(つまり、倒せないモンスターが、現れる)というのを、日本語間違っているんじゃないか? と思うだろうと、書いたんだ。
「なるほど、そう言われれば、そうね」
そのことを注意した上で、以下の、冒険の目的を、書いたんだ。
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通常、数学者が、用いている公理は、である。そして、で、繰り広げられる、数学は、そこで存在が証明されるクラスのうち集合であるものを見ると、と同じものになっている。そういう意味で、とは、集合論として、同値である。この同値性自体は、公理を見ているだけで、分かることではなく、証明すべきことである。準備が整ってから、私達も証明する。
一方、にせよ、にせよ、選択公理を認めず、従属選択公理のみを認めるということは、簡単に言えば、でない、数学を、展開しようとしているのである。
つまり、数学者の通常持っている武器より、弱い武器しか持たずに、冒険に出るわけだ。困難に、ぶつかるのは、承知だが、選択公理が無敵すぎて味方に死者が出たりする(バナッハ=タルスキーのパラドックス、ルベーグ積分不可能な関数の構成など)ので、安全な武器(従属選択公理()や可算選択公理())で、どこまで冒険を進められるか、試すのも、面白いだろうと思う。
これらに置き換える時は、とか、などと、記述することにする。
ある公理Aが、ある公理Bより強いとは、Aを公理とすれば、Bが定理として導けることと定義するのが、分かり易い。
は、Dependent Choice である。の(オメガ)は、自然数全体の集合であり、自然数全体が可算集合であることから、は、可算の代名詞として使えるからである。
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「『選択公理が無敵過ぎて味方に死者が出たりする』って、数学が恋人の太郎さん独特の表現ね」
そこを、読んで欲しかったんじゃない♡。
「モンスターを倒すとか、安全な武器とか、太郎さんの数学って、本当に冒険物語ね。それが、ゲームみたいなのに、宇宙の年齢が求められたり、カーナビやGPSの時計が進むのまで計算できるくらい、実用にも役立つって、信じられないほどだわ」
あの、公認会計士になったグライダー部にいた親友が、公認会計士の試験を受けていた頃、2001年頃かなあ、私に、
『たろちゃんは、数学と物理学だけ、やってれば、いいですよ。この社会の問題なんて、簡単な応用問題みたいなものです』
と、言ったので、本当かなあ、と思ったけど、彼にとって、この世界は、簡単な応用問題だったんだなあ。
「その人、結婚してるの?」
2010年頃結婚したんだけど、最初事実婚にしたんだ。
「それで?」
2011年頃、
『法律婚をしました。子供を産むことになったので、法律婚していた方が良いのです。本当は、相手の姓を名乗ってもいいと思っていたのですが、長男であり、家が大きな酒蔵なので、自分の姓を選ばねばなりませんでした』
と、連絡してきた。
「お子さんは?」
2人いる。
「完全に、太郎さんの負けじゃない」
彼に勝てるなんて、思ってない。
でも、麻友さんが、今からでも、私の所へ来てくれたら、私も、幸せになれる。
「じゃあ、本当に、医学機器作ってよ」
始めるか。
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John Wilson と Tim Hunt は,学生が本書を能動的に理解する助けとなる示唆的で独自な問題で再び寄与した。問題は量的解決法に力を入れており,論文発表された実験についての批判的な考察を促している。これらの問題は本版ではすべての章の終わりに掲載されている。問題への解答とさらに追加の1800問以上の問題と解答は,John と Tim が執筆した本書に付随する書籍,『Molecular Biology of the Cell, Sixth Edition: The Problems Book』(細胞の分子生物学 第6版 問題集)に掲載されている。
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「問題集が、あるわね」
うん。
Molecular Biology of the Cell 6E - The Problems Book
- 作者: John Wilson,Tim Hunt
- 出版社/メーカー: Garland Science
- 発売日: 2014/12/02
- メディア: ペーパーバック
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「必要かしら?」
実験ができない私としては、問題を少しは解かないと、訓練にならないね。
「これを、太郎さんへのクリスマスプレゼントにしてあげようかしら♡」
麻友さん、気持ちは嬉しいけど、これはもう手に入れてある。
「えっ、でもこの問題集、まだ訳されてなかったけど」
問題集くらい、英語でも読めるよ。
「なんか、残念(しょぼん)」
クリスマスにプレゼントくれるなら、ペンケースが、いいな。
こんな感じで、もうペンも消しゴムも出てきちゃうんだ。
麻友さんに、きっといつかプレゼントしてもらうんだと思って、2年半も無理して使ってきたんだ。
「色とか、大きさは?」
19センチの長さの幅3.5センチの定規が入ることだけが、条件。
麻友さんが、私に持っていて欲しい、ペンケースを、選んで欲しいな。
「そんなにもいたいけなこと、考えてたなんて・・・。年賀状だけじゃ、済まされないわよね」
「今日、もうちょっと頑張ったら、プレゼントしてあげる」
じゃあ、
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われわれは細胞生物学に関連する複雑な問題が多数提示される世界に住んでいる。生物多様性,気候変動,食の安全,環境劣化,資源の枯渇,ヒトの疾患などである。本書が読者のこれらの課題への理解を助け,その解決に貢献できることを願う。
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「この著者も、相当大上段に振りかぶってるわよね」
本気なんだよ。自分達が、人類を救うんだと、信念に燃えてるんだ。
「いい本ね。読んで行きたいわ」
そう来なくっちゃ。
今日は、時間だ。寝るよ。
おやすみ。
「おやすみ」
現在2018年12月15日22時29分である。おしまい。