現在2006年3月17日5時01分です。
3月14日の「順序に入り♪」の投稿で、超準解析に触れたので、ちょっと気になって、齋藤正彦著「超積と超準解析」を出してきて読んでみた。
数学基礎論の知識が増えたので、以前読んだときよりも、遙かに理解できた。
さてそこで次のような疑問を持った。
少し話が専門的になるが、なぜ基数制限のない飽和モデルは存在しないのか?
証明を読んでいってみると、この本の74ページ
3.3.7 定理
κ(カー)を無限基数、Iを無限集合、FをI上のκ級善良超フィルターとする。Fを法とする超冪(ちょうべき)モデル*Uはκ級飽和モデルである。
とある。要するに、無限基数を固定してしまうので、基数制限が出来てきてしまうのだ。
だったら、いっそすべての順序数の集まりOnの濃度の飽和モデルを作れば良いではないかと考えた。
そこで、この本の付録の善良超フィルターの存在証明を読んでいったのだが、重要なのは、任意の無限集合の上に、善良超フィルターが存在するということである。
私はかなり悩んだ末、次のようにしてOn上に善良超フィルターを構成することを考えた。
まず、この本に書いてあることにより、任意の順序数α∈Onについて、α上に善良超フィルターが存在する。そこで、選択公理により、各αについて、一つずつ善良超フィルターを選んでFαとする。そして、Fαの和集合を取れば良い。
すなわち、
F= ∪ Fα
α∈On
とおけば、FはOn上の善良超フィルターとなる。当然濃度はOnである。従って、濃度の制限のない、飽和モデルが作れる。
でも果たしてこの操作が、集合論的に許されるのだろうか?
この部分を考察して、卒業論文にしようか。などと考えた。
今日はここまで。
現在2006年3月17日5時55分です。おしまい。