現在2021年5月28日19時38分である。(この投稿は、ほぼ5671文字)
麻友「太郎さんって、教科書とか、公式集、見なくても、計算できるんだ。電車の中ででも、計算してた」
私「大学の理学部で、1回生で、習う程度のことだからね」
真由「いきなり、始めていいでしょうか?」
私「どうぞ」
真由「前回の最後の、 の定義から、始めます」
若菜・結弦「はーい」
真由「こう定義するのです。
ここで、直線で挟まれている式は、例えば、
というように、計算するのです。これを、行列式と言います」
若菜「あっ、『問題15,16』のときのじゃない?」
結弦「そうだ。
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から、斜めに を掛けて、次に、逆の斜めに、 と を掛けるんだ。この左辺を、行列式というんだ
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(『問題15,16』という投稿より)
と、教わった。お父さんは、大学レヴェルだと言ってたけど、本当だった」
真由「あれっ、なんか、肩透かし食らった気分。大学1年生は、みんなここで、引っ掛かるのに」
私「いや、本当は、麻友さん、分かってないだろ」
麻友「これが、どういう規則で並んでいるのかなあって」
私「ほらね」
真由「そうなんです。一筋縄では行かないんです。実は、簡単に覚えられるんですけどね」
真由「これで、カッコの3番目から、埋めるのが、味噌なんです」
結弦「3番目?」
真由「こういうことです。
ほらっ」
若菜「ああ、 と、 だけ」
真由「後は、ここから、 と、 と、 を、グルグル回すだけで、いいんです。やってみませんか?」
麻友「やってみる。最初のカッコが、 を、 にして、 を、 にして、
合ってます?」
真由「大丈夫です」
結弦「僕もやる。2番目のカッコも、そうやって、あっ、 は、 に、戻るんですね」
真由「良くできました。コツをつかめば、何でもないんです」
若菜「なんか、お父さん、不満そう。お父さんは、別な方法なの? 『麻友74』のノート見てみましょう。あっ、4430ページ、
これ、どういうことか、分かります?」
真由「3行3列の行列式で、定義を書いているんですね。松田さんは、ここから始めるのですか。つまり、
と、計算するのですね。 で、カッコの1番目、カッコの2番目、カッコの3番目、というように、表しているんだ」
私「そうです。鶏が先か、卵が先か、というつまらない議論になってしまいますが、私は、一発で計算法が分かる、この定義で、覚えているんです」
真由「数学で、こんなに議論できるのは、久し振りです」
麻友「太郎さんのノートは、この後、4437ページまで、8ページにわたってあるけど、もう5000文字を越えた。続きは、明日にしない?」
真由「あっ、大切なこと。松田さんのノートにありますけど、 って、 のことなんです。ナブラクロスですが、 と書いたときは、ローテーションと読むんです。この場合、ローテーションには、回転という意味もありますが、数学では、この微分作用素(または、微分演算子)のことを、指すのです」
真由「主に、数学者は、作用素と、言いたがる傾向があり、物理学者は、演算子と、言いたがるようですね。でも、英語ではどちらも、operator なんですけどね」
私「この土日で、秒の定義を論じ始めた、この連載を、終えよう。月曜からは、『フーリエの冒険』も、再開したい」
麻友「あらっ、『量子力学の冒険』で、spdfのオービタルの説明も残っているし、映画『アラジン』の感想も聞く約束だし、『駆け落ちのシミュレート』も、放り出したままよ」
私「じゃあ、今晩は、ナブラクロスイー、すなわち、ローテーションイーが、計算できるようになったところで、お開き」
若菜・結弦「おやすみなさーい」
真由「おやすみなさい」
麻友「おやすみ」
私「おやすみ」
現在2021年5月28日22時12分である。おしまい。