相対性理論を学びたい人のために

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微分・積分入門(その12)

 現在2021年11月2日20時14分である。(この投稿は、ほぼ2027文字)

麻友「あらっ、第1章§1は、前回終わらなかった?」

私「この本は、詩で始まる数学の本だっただろう。著者が、色々試みている。§1の最後に、『先生と生徒の対話(1)』というのがある。読んでみよう」



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     先生と生徒の対話(1)


(ある生徒の質問)  {dy/dx} はともかくとして,{\int} とはまたどうも奇妙な記号ですね.だれがこんな変な記号を発明したんですか.

(先生)  これはライプニッツ(1646ー1716)という人が考えだしたといわれてる.ちょっと面白い記号だろう.

(生徒A) よく春さきに土手などで見かけるわらびに感じが似ていますね.

(生徒B) そうかな.ぼくはまたあのヌルヌルした,なめくじによく似ているように思いますが.

(先生)  ともかく,これは“加えあつめる”つまり sum の頭文字の s をすこしひねったものだとおもえばよいね.

(生徒C) 先生は,黒板にいまこの新しい記号を上のほうから下のほうへ書かれたようですが,下のほうから上のほうへ書いてはいけませんか.

(先生)  相対性理論で有名なアインシュタイン博士は,よくこの記号を下から上のほうへ書いたそうだが,天才でないわれわれは,やはり平凡に上から下に向かって書きおろすようにしたほうがよい.

(生徒D) ディーワイ・ディーエックスだとか,インテグラルだとか,微分積分って,とてもすごいなあ!

(先生)  {dy/dx}{\int} も,だんだん学んでゆけば,一般の人が想像するほどむずかしいものでは決してない.君たちは若いし,感受性が強いから,努力しだいで,ぐんぐん伸びてゆくと思う.

 しめくくりをしよう.

 {\pi r^2}微分{r} について)すると {2\pi r} ──円の面積から円周へ──

 {2\pi r}積分{0} から {r} まで)すると {\pi r^2} ──円周から円の面積へ──

 このように,微分積分とは,いつでも逆の関係になっているのである.

〔注〕 実際の計算においては,ここでやったような,めんどうな方法によらずに,公式を用いて,ごくスムーズに手っとりばやく行なう.それらの方法については,これからおいおいと学んでゆくわけである.



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     (『微分積分入門』8~9ページ)


麻友「なるほどねえ。『YAWARA!数学ガール』の着想は、とっくの昔に、得られてたわけね」

結弦「お父さんも、アインシュタインみたいに、インテグラル、下から上のほうへ、書いていたの?」

若菜「お父さんは、アインシュタインが、そうやってたと、聞いたら、絶対、上から書いたはずよ。自分は、違う道を行く人なんだから」

麻友「その言葉、ブログが続く限り、残っちゃうわよ。ところで、ちょっと分からないのよ。最後のところ、

{2\pi r}積分{0} から {r} まで)すると {\pi r^2}

と、なってるけど、{2\pi r} のところ、{2\pi x} じゃない。そして、『積分{x} について、{0} から {r} まで)』とすべきだと思う」

私「若菜が正しい。それから、麻友さんの方だけど、多分、文部科学省検定済みの教科書だったら、麻友さんの言ったように、必ず書いてあるだろうと思う。でも、ここで、積分で動く変数を、取り換えるのは、大学では、もうやらないんだ。変数を {x} に置き換えて、結局残った式に、{x} は、現れない。というのは、無駄だからね。ただ、正直に言うけど、私は、余裕があるときは、必ず、{x} などの変数に置き換えるようにしている。読む人が、少しでも間違えないように。そして、自分も計算間違いをしないように」

若菜「それが、お父さんなりの、プロ意識なんですね」

結弦「数学も、人間がやることなんだな」

麻友「この続きは、どうするの?」

私「ここまでは、少なくとも、高校1年で、読んでる。その後の話を、ちょっとしようと思っている」

結弦「積分の話?」

私「まあ、楽しみにしてて」

若菜・結弦「おやすみなさーい」

麻友「おやすみ」

私「おやすみ」

 現在2021年11月2日21時51分である。おしまい。