現在2009年4月24日23時25分である。
今日は、以前から、書こうと思っていたが、なかなか時間が無くて、書けなかったことを書こうと思う。 内容は、必ずしも正しいかどうか分からない。だが、非常に面白い見方の出来るものだと、皆が感じるようなことである。
何について書くのか。?
それは、ハイゼンベルグの学位論文となった、流体力学の問題についてである。
ハイゼンベルグがどんな学位論文を書いたのか知っている人は少数であろうから、その説明からすることにしよう。
ここに書くことは、ハイゼンベルグの自伝、「部分と全体」の、Ⅳ章の末の注(1)にチラリと、書いてあることである。
ハイゼンベルグは、量子力学を建設する直前、先生のゾンマーフェルトのすすめで、ある状況下での層流の安定性についての問題を解き、それを学位論文とした。
しかし、次の絶版になっている本、
アブダス・サラム『究極の宇宙法則』(岩波書店)
か、もしくは、新しく改訳されて、2008年に出た、
『物理学に生きて』(ちくま学芸文庫)

物理学に生きて―巨人たちが語る思索のあゆみ (ちくま学芸文庫)
- 作者:ハイゼンベルク,W.,E.M.リフシッツ,P.A.M.ディラック,E.P.ウィグナー,H.A.ベーテ,O.クライン
- 発売日: 2008/01/09
- メディア: 文庫
の中に、ハイゼンベルグ自身が書いているのだが、発表の1年後、優秀な数学者ネーターによって、ハイゼンベルグよりも厳密な数学を用いて、この層流は不安定解を持たない。即ち、乱流は生じない、ということが、論文として発表されたというのである。
この話を読んだとき、私は、まず、ハイゼンベルグを疑った。
ハイゼンベルグの先生、ゾンマーフェルトは、その学生の優秀さに気付き、この学生は、将来、理論物理学で、立派な研究をするだろう。と、見抜いたのではないか。そして、ハイゼンベルグに、数学的に難しい問題を出して、誤った結論を出させ、それで、学位を取らせてしまおうとしたのではないか。
そして、数学者によって異なる結論を出させ、自分の学位が危なくなったハイゼンベルグに、物理学の研究を必死に行うよう仕向けたのではないか。
その思惑は、ズバリ当たり、ハイゼンベルグは、翌年、「量子力学」建設という偉業をなしたのである。
私としては、いずれ、ハイゼンベルグの論文を読み、間違いを指摘してやろう、という思いを持っていた。
ところが、それから、10年ほどたったある日、以下の本を読んでいて、ハイゼンベルグの結果は正しく、その後の研究で、それを踏まえて、さらに、新しい研究が進んでいることを知った。
この、巽友正著「流体力学」の376ページである。
これを読んでも、まだ私は、ネーターが間違っているとは思えなかった。
なぜかというと、ハイゼンベルグ自身が、ネーターの論文は完璧だと書いていたからである。
そこで私は、新しい考えを思いついた。
ハイゼンベルグも正しく、ネーターも正しい、という結論が得られる考え方だった。
どう考えたかというと、実際には、渦などが発生して、乱流と呼べるような流れでも、本当は、層流と同じように、安定なのではないか、というように考えたのである。
「層流と乱流という区別は本当はないのだ。」
という論文をいつか書きたいという夢を持っていたのである。
ところが、それから、5年ほどたった、2009年3月2日頃、量子力学の勉強をしていた私は、ハイゼンベルグも正しく、ネーターも正しく、層流と乱流の区別があるという理論も正しい、という、大岡越前の三方一両損のような、考えに至った。
どういう考えかというと、ネーターはニュートンの古典力学に基づいて、完璧な計算をした。それによると、乱流は発生しない。しかし、この世界では、真に正しいのは、量子力学であり、その効果を計算に取り入れると、ハイゼンベルグの結果が得られる、というものである。
この場合の乱流は、量子力学的効果だった。
これが、私の得た結論だった。
私は、一本の数式も書かずに、この結論を出した。いつの日か、これを数学的に、検証したいと、思っている。
それにしても、量子力学の成立していなかった、1924年に既に、量子力学的流体力学の計算をしていた、ハイゼンベルグは、素晴らしいと思う。
不確定性原理などという、超越的なものを考え出せる人は、やっぱりすごいと思える。
ハイゼンベルグの先見の明に頭を下げると共に、今後、この仮説の検証に、取り組むのを、ライフワークの一つに取り入れたいと思う。
今日は、正しいかどうか分からない、理論を提唱したが、結構面白かったのではないかと思う。
諸君は、どう考えるだろうか。
現在2010年1月29日19時37分である。この投稿を、復活させた。
それでは、おしまい。
注.
現在2021年5月7日21時19分である。リンクが切れていた文献、新しい版が出ている本などを、修正した。