相対性理論を学びたい人のために

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さらば一般相対性理論

 現在2006年7月9日0時05分です。

 正直言って、私はショックを受けている。私は一般相対性理論は、理論物理学の華だと思ってきた。これほど美しい理論は、どこまで探しに行っても、もうないだろうと。

 前回の投稿で、私は、一般相対性理論は無いのかも知れないと指摘した。そういう目で見ていると、それを援護するようなものが見えてくるのである。

 J.J.サクライの「現代の量子力学」の日本語訳の上巻174ページ。

 

 量子論のレベルでは重力が純粋に幾何学的なものではないことをも示している。

 

 ここだけ引用しても分からないだろうが、簡単に言えば、質量の異なる二つの物体は、同時に落ちるとは限らない、ということが指摘されているのだ。

 このブログの題名を一般相対性理論を制覇しよう!としているように、私は、一般相対性理論の美しさを多くの人に知ってもらおうと、ずっと思ってきた。だが、それが必ずしも正しくない理論だったとしたら、素人の前で、胸を張って説明することはできない。

 確かに宇宙の膨張とか、太陽のそばでの光子の曲がりとか、水星の近日点移動とか、重力レンズ効果による三つ子のクウェーサーだとか、一般相対性理論が説明したものは多かった。だが、一般相対性理論によって説明できないものが出てきてしまった以上、どんなに美しい理論でも、それは間違いだ。

 巨視的には成り立っているのだから、良いではないか、という人もいるかも知れないが、本当のところを言うと、巨視的にも、ダークマターとか、ダークエネルギーとか、未確認のものを仮定しないと、この宇宙の状態を説明できないようにもなってきているのだ。

 

 残念だが私は、一般相対性理論の信奉者であることをやめざるを得ない。

 そうすると、時空はフラットなミンコフスキー空間なのだろうか。宇宙が膨張しているのは、事実のようだし、ミンコフスキー空間内で、物質だけが、広がって行ってるのだろうかというのは、私にはまだ分からない。

 一つだけ言えることは、マクスウェルの古典電磁気学理論から万有引力と思われていたものが、導き出されたとしても、今ではもう驚かない。ということである。そして、特殊相対論的量子力学の成功を見るとき、量子電磁力学こそが、最後の理論だったとしてもおかしくないと思っている。

 だが、物理定数がなぜあの値なのか、というような究極の理論ができていないことは認める。数学的にもっと美しい理論ができてきて、すべてを説明してくれるかも知れない。

 それに、量子電磁力学には繰り込みという必ずしも正当化できない操作が含まれている。これを正当化するもっと美しい理論を作るのが、私達物理を志すものの使命なのかも知れない。

 いずれにせよ、理論物理学は、まだ当分終わらないのだな、と私は思った。

 私が一般相対性理論に対する信仰を失った日。これからこのブログをどう続けていこう。混乱を避けるために、題名は変えないが、目標は、変えざるを得ない。

 しかし、時空の幾何学。魅力的な女性だった。

 現在2006年7月9日0時53分です。おしまい。