現在2019年7月10日19時57分である。
「えー、最初に宣言すればいいと言ったけど」
うん。
世の中には、間違ったことはしない、賢い人なんだけど、なぜ、それが、法律で禁じられているかなどの、本当のところを知らない人が、いるように、思える。
「太郎さん、そういうことに、詳しいの?」
いや、私は、世間の問題に疎い方だから、分かっていないことの方が、多い。
ただ、自分が、社会で、馬鹿だ、というのが分かっているので、逆にそれを武器にして、世間を生き抜くすべを、身につけてきた。
「それと、エッチな話と、どうつながるの?」
麻友さんだって、インターネットで、メールとかやってれば、アダルトサイトの広告が入ってきたことだって、経験あるだろう。
「まあ、人並みには」
インターネット上に書いてあるものなどを読むと、
『ああいうものは、クリックしちゃ、駄目ですよ。恐ろしいことになるから』
などと、書いてあるよね。
「分かってるわ」
じゃあ、クリックしたら、どうなるんだろう?
「えっ、太郎さん。クリックしたの?」
2003年頃かなあ、まだそういうものが、余り来なかった頃、初めて、弟のところに来た、そういうメールを、見つけて、
『どうなるか確かめてみよう』
と思って、ウィルスバスターを、アップデートして、最新のものにして、クリックしてみたんだ。
「どうして、弟さんのところへ、来たメールを、太郎さんが、読めるの?」
これは、簡単にいうと、弟が、私に、インターネットのことを、任せっきりで、それでも、私が、弟のメールを見ないでいることは、できたんだけど、私、保谷で、誰からもメールの来ない日が、4日とかあって、寂しかったんだよね。だから、友達から頻繁にメールの来る弟のメールボックスを、羨ましいなあって思って、ときどき覗いてたからなんだ。
「ふーん。太郎さんって、そういう人なんだ」
一応、先へ進むよ。
さて、クリックして、どうなったか?
まず、女の人と、男の人の、そういうシーンの動画の、リストが、たくさん並んだんだ。
「ああ、だから、You-tube検索したみたいに、なったのね」
そう。
それで、いくつか、『サンプル』って、書いてある動画があったんだ。
「えっ、それを、クリック?」
サンプルって言うことは、見本でしょ。だから、お金が、かからない、ということだと思って、クリックしてみたんだ。
そうしたらね、女の人と男の人が、トランプで、賭けを始めたんだ。それで、女の人の方が、大負けに負けて、男の人に、
『次は、お前の体を賭ければ、チャラにしてやる』
って言われて、最後の賭けでも女の人が負けて、男の人に、好き放題されるという動画なんだけど、その動画が映っている横の画面に、
『料金78,000円、か何かを、1週間以内に、現金書留で、送って下さい』
という表示が、現れたんだ。
私、
『サンプルだったでしょ?』
って、元の画面に戻ってみると、
『無料サンプル』
っていうのが、別にあるんだ。
『あっ、そうすると、私が、規約をよく読まずに、勝手に『サンプル』を『無料』と思ったんだから、見た以上、お金を払えと、向こうが言ってくるかもな』
と、思った。
「えっ、じゃあ、太郎さん、78,000円も、送っちゃったの?」
それじゃ、私が、武器を持ってることに、ならない。
私は、まず、このメールが、弟へのメールだから、お金を払わなかった場合、弟のところへ、悪い人が行くのではないかと、心配した。
とにかく、まず、弟に、このメールが、危険だということを、教えなければ、ならない。
だが、弟のメールを見ていたことは、話してないから、こんなメールが、来てる、とは言えない。
それで、弟には、
『トレンドマイクロを騙った、もの凄く危険なメールが来たから、お前も、危険なメールに、気をつけろよ』
というメールを送った。
さて、次、この78,000円を、払う必要があるか?
今ほど、Wikipediaなどは、発達してなかったけど、法律を調べることが、できた。
それによると、私が、0円なんだと信じ込んでいて、契約した場合には、相手は、説明不足だった、ということで、お金を請求できないことが分かった。
それで、お金を、払わなくていい。
私のところへ来たメールだったら、それで、済んだかも知れない。
だが、私は、やくざなんかが、弟のところへ、行ったりしないかと、心配でしょうがなかった。
「太郎さん、それは、ひどいわ」
それで、私は、最後の手を使う必要があると、思った。
「最後の手って?」
110番。
「えっ、そういう場合、どうなるの?」
麻友さん。110番なんて、かけたこと、ないでしょ。
「そこまで、危険が、迫ったことは、ないわね。110番って、かけるとどうなるの?」
このとき初めてだったんだけど、まず、
『事件ですか?事故ですか?』
って、聞かれるんだよね。
交通事故とかでは、ないから、
『事件です』
と、答えた。
「えー、私、ちゃんと、判断できるかしら?」
多分、この応対が、きちんとできるかどうかで、取り乱してないかどうか、チェックしてるんだと思う」
それで、まず、
『怪しいメールをクリックして、不正にお金を請求されたので、この業者を調べて欲しいから、警察官を派遣して欲しい』
と、言った。
さらに、
『男のおまわりさんと差し向かいでは、話しにくいから、なるべく、婦警さんとふたりで、来て欲しい』
と、話した。
現在2019年7月10日21時05分である。眠くなったので、中断。
現在2019年7月11日21時09分である。
昨日のこの記事、再開するかどうか、迷ったけど、やっぱり、『悪魔の目的って何なんだろう?』に答えるため、眠っちゃうまで、書き続ける。
さて、おまわりさんは来たけど、ひとりだった。
「そもそも、太郎さん。婦警さんに、何を期待してたの?」
男同士の話、ってことに、したくなかったんだよ。
「太郎さん、どこまでも、模範的!」
せっかく、椅子も3脚用意したんだけど、しょうがないから、
『じゃあ、お入り下さい』
と言ったら、
『いや、玄関でいいです』
なんて言ってる。
『だって、パソコンを、玄関には、持ってこられません』
と言ったら、
『携帯に、来たんじゃないのですか?』
などと、言ってる。
とにかく、入ってもらって、パソコンで、メールを見せて、
『これが、・・・』
と私が、言ってるんだけど、そのおまわりさん、パソコンって、ほとんど分かってないみたいで、滅茶苦茶書いてある、URLまで、必死に手帳にメモしている。
『ああ、じゃあ、これは、全部印刷して、渡しますから』
と言って、全部印刷して、渡した。
「えっ、弟さんのところへ来たメールも?」
他のメールは印刷してないけど、肝心なメールは、必要でしょう。
「でも、太郎さんが、盗み見てたって、ばれちゃうかも」
これが、原因で、弟が、やくざに殺されたりしたら、そんな後悔で済まない。
「それで、おまわりさんは、帰ったの?」
もうひとつ、今だったら、Yahoo!地図でも、Googleマップでも、見られるけど、当時はそんなものは、なかった。だが、何万円もする地図会社が作った地図を、私は、持ってたんだ。だから、それで、おまわりさんの前で、現金書留の送り先を、表示させて、ここに、何日かに1回、犯人が現れるはずです。と言って、その地図も、印刷してあげた。
「それで、効果あった?」
それから、2日ほどして、警察の、
『こういうホームページに、注意!』
っていうサイトに、私の見たページが、加わってた。
「えっ、じゃあ、そのおまわりさん、ちゃんと仕事したんだ」
だが、話は、これで、終わりじゃないんだ。
そのおまわりさんが、一通り、私の話を聞き終わって、本部に、電話をかけたんだ。
「太郎さんも、当然聞いてるわけね」
そうして、おまわりさんが、
『メールなど、受け取りました。ただ、被害は受けてないようなんですが』
って、言ってるんだ。
『被害を受けてないって、どういうこと? そもそも、女の人と男の人の、他の人には見せていけないようなものを、私は、見せられちゃったんでしょ。だったら、被害受けてるんじゃないの?』
この謎が、ずっと解けなかった。
「えっ、解けたのは、いつ?」
トントンへ行った、昨日(2019年7月10日)だよ。
「だって、15年以上経ってるじゃない。それで、どういう風に、解決したの?」
トントンで、スマホやってて、
『履歴が残る、履歴が残る、恐い』
って、言ってる人がいるから、
『なぜ、履歴が残ると、恐いの?』
って、聞いてみたんだ。
『アダルトサイト見たとき』
とか、答えてくるから、
『アダルトサイト見たって、恐いことないよ』
と言ったら、
『ウィルスに感染するし、やくざが来たりする』
とか、言ってるんだよね。
そう言えば、弟のメールのとき、一時的に、パソコンにウィルスが感染して、インターネットにつながらなくなったな、と、思い出した。
「えっ、じゃあ、太郎さん、被害に遭ってたんじゃない、どうやって、復旧したの? プロダクトリカバリ?」
プロダクトリカバリなんて、メーカーの人は気楽に言うけど、あんなもの、本当に、最後の手段だよ。
「じゃあ、どうしたの?」
私、パソコン2台持ってたんだ。
「えっ、304,290円のメビウスの他に、もう一台?」
284,340円の、VAIOを、持ってたんだ。
ウィルスに感染したのは、VAIOだった。
私は、インターネットにつながるメビウスで、トレンドマイクロのホームページを開き、最新のワクチンのようなものを使って、VAIOのウィルスを、駆除したんだ。
「パソコンオタクの私には、太郎さんが、それをできる人だと、分かる」
『それで、『ウィルスに感染するし』は、分かる。次の、『やくざが来たり』というのは?』
と、質問をぶつけてみた。
そうしたら、
『やくざが来て、お前、この有料サイトの動画、見ただろう。お金払えって、言うんだよ』
というのだ。
それで、私は、やっと分かった。
「何が?」
あのおまわりさんが、『被害は受けてないようです』って言ったときの、『被害』の内容だよ。
要するに、風営法みたいなので、禁止されてるような、映像を見て、子供なら、ショックを受けるような映像に、接して、心に傷を負うのが、被害なのではなく、あの場合、78,000円を、私が、送ってしまっていたら、それが、被害だったんだなっていうこと。
「それが、分かるまでに、15年以上かかるの?」
「あっ、でも、太郎さんは、分かっていないようなんだけど、法律も調べてるし、110番もしてるし、完璧に模範的な対応を、してるわよね。『社会で、馬鹿だと分かってる』って、言ってるけど、太郎さんも、優等生よ」
実は、警察の、『こういうホームページに、注意!』というサイトに、そのページが、載っても、私は、弟が、心配だった。理由なんか、ほとんどないよ。小さい頃からの弟だからだ。
「それで? もう最後の手は打ってあるけど」
3日目に、インターネットで調べて、消費者センターみたいなところの、そういう不当な取引の扱いを担当しているところへ電話をかけて、
『この場合、お金を送らなくても、本当に大丈夫でしょうか?』
と、聞いたんだ。
そうしたら、
『向こうは、あなたのIPアドレスなどを書いてきて、あたかも、あなたの居場所も分かっているような、メールを書いてきますが、本当には、あなたの居場所は、分かっていません。大丈夫ですよ』
と、言ってくれた。
110番して、警察に『こういうホームページに、注意!』という表示も出してもらって、消費者センターにも、確認は取った。数学の証明ではないが、これは、弟は大丈夫という証明を、十分できたと言えるのではないか。
そう思って、私は、追求はやめた。
だが、営業の弟が、日本中回ってて、その現金書留の送り先の近くを通るときは、いつも、何か起こらなければ良いが、と10年以上、ずっと気がかりだった。
「それで、この投稿の『悪魔の目的って、何だろう?』に対する、解答は?」
結局、今の社会は、お金中心の社会だから、悪魔の目的は、究極的に、お金だよってこと。
「プッ、それは、余りにも、お粗末な結末だけど、でも太郎さんの投稿は、結論より、途中の過程が、重要なのよね。消費者センターへ、電話したなんて優等生じゃなくて、太郎さんも特待生よ」
じゃあ、もう眠いから、寝るよ。
「ありがとう。おやすみ」
おやすみ。
現在2019年7月11日23時16分である。おしまい。