相対性理論を学びたい人のために

まだ一度も相対性理論を勉強したことのない人は、何か一冊相対性理論の本を読みかじってみて、なぜこんなことが?という、疑問を持ってからこのブログに来てください。ブログの先頭に戻るには表題のロゴをクリックしてください

相対論への招待(その39)

 現在2020年4月5日19時29分である。

麻友「太郎さん。相対論、続けるの?」

私「一昨日、一通り、ローレンツ変換の式を、導いたけど、あれだけじゃ、どうやって使ったらいいか、分からないだろう」

麻友「本当は、そう。{\displaystyle \sqrt{1-\frac{v^2}{c^2}}} という、ローレンツ変換の式を、どうやって導くか、見せてもらったけど、これが、何? って、感じだった」

私「結弦に(正確には甥に)、この2冊を、渡してあったことは、話したね」

ゼロから学ぶ相対性理論 (ゼロから学ぶシリーズ)

ゼロから学ぶ相対性理論 (ゼロから学ぶシリーズ)

  • 作者:竹内 薫
  • 発売日: 2001/10/30
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

麻友「去年の5月20日の『結婚をシミュレート(その22)』で、書いていたことね」


私「そういえば、あのとき、迷宮入りになった、ナンバー2の人の行方は、その後、少し分かったんだ」

麻友「どういうことだったの?」

私「あの社長というのは、大学に入ったときは、特待生で、学費免除してもらってたくらいなのに、山岳部にのめり込みすぎて、5年かけて、大学を卒業した、ということもあって、やたらに、他の人の学費をどう納めたかに、こだわるんだ。それで、あるときは、


社長「あいつは、4年生、2回やってるんだ」

ナンバー2の人「そんな、時効になったようなことを」


なんていうやり取りもあって、仲は悪くないだろうに、と思っていたのに、なんか、両方似すぎていたのかなあ、上手く行かなくなって、ナンバー2の人は、もう辞めちゃったんだって」

麻友「太郎さんって、全然人の心が、分からない、と思っていたけど、独特の切り口で、見てるのね」

私「そりゃあ、やっぱり人間、48年も生きてくると、子供よりは、分かるようになる」


麻友「それで、甥御さんは?」

私「本を、渡したのは、昨年の2月17日だった。そして、9月頃だったかなあ、結弦に、

『お父さんの逆襲』

と言って、次の質問をした。

『光の速さの {\displaystyle \frac{3}{5}} の速さで飛んでいるロケットでは、止まっている人から見て、どれだけの速さで、時間が、進んでいる?』

麻友「それは、太郎さん、難し過ぎる。いくら、公文で3学年先まで、数学が進んでいても、中学1年生が、答えられる問題じゃない」

私「渡した本を、どこまで読んだのか、分からないけど、結弦には、答えられなかった」

麻友「それで、模範解答は、どういうものだったの?」

私「電車の場合だったら、麻友さんが、{2} 秒経ったとき、そのことを、静止している人は、{\displaystyle \frac{2}{\displaystyle \sqrt{1-\frac{v^2}{c^2}}}} 秒時間が経ったと観測するのだから、{\displaystyle v=\frac{3}{5}c} を代入すると、

{\displaystyle \frac{2}{\displaystyle \sqrt{1-\biggl( \frac{3}{5} \biggr)^2}}=\frac{2}{\displaystyle \sqrt{\frac{5^2-3^2}{5^2}}}}

{\displaystyle =\frac{2}{\displaystyle \sqrt{\frac{25-9}{25}}}=\frac{2}{\displaystyle \sqrt{\frac{16}{25}}}=\frac{2}{\displaystyle \frac{4}{5}}}

だから、{\displaystyle 2 \times \frac{5}{4}} だけ、時間が経っていると、観測する。

 つまり、麻友さんにとっての {2} 秒は、静止系から見ると、{\displaystyle \frac{5}{2}} 秒なんだ。だから、逆に、{\displaystyle \frac{4}{5}} の速さで、麻友さんの時計は、ゆっくり進んでいることとなる」

麻友「もう少し、具体的に、説明して」

私「例えば、光の速さの {\displaystyle \frac{3}{5}} の速さで飛ぶ、ロケットに乗っているとしよう。周りの止まっている人達が、{\displaystyle \frac{5}{2}} 秒経ったと思うとき、麻友さんは、2秒経ったと思う。これは、止まっている人から見て、麻友さんの時間が遅れていっているということだと、言えないだろうか?」

麻友「あー、何かちょっと分かった。でも、太郎さん、こういうことを、ずーっと、小学生の頃から、続けてきたのね」

私「麻友さんも、中学1年生から、頑張り続けてきた。見上げた心懸けだよ」

麻友「もう寝なきゃ、おやすみ」

私「おやすみ」

 現在2020年4月6日0時25分である。おしまい。