現在2020年6月19日19時09分である。
麻友「えっ、問題出されたのって、半年くらい前じゃない?」
私「正確には、4カ月前」
若菜「はっきりいって、出された問題、忘れました」
結弦「僕も、忘れちゃった」
私「実は、私自身、どんな問題だったか、忘れていた。問題を出したことだけ、覚えていた」
若菜「全員、大ボケこいているのに、改めて続けるのですか?」
私「問題を解くというのは、色々な意味で、必要なことなんだ。出した問題を、コピーアンドペーストして、持って来たよ」
問題7.
次の計算をした結果として正しいものを,それぞれあとの1~4の中から1つ選び、その番号を答えなさい。
1. 2. 3. 4.
(2020年神奈川県公立高校入試 共通問題 数学より問1(ウ)から採用)
問題8.
麻友さんのありったけの知識を総動員して、インターネットや本を見ずに、地球の重さが何キログラムくらいか、推計せよ。(もの凄く大雑把で良い)
麻友「ああ、今年の高校入試問題だったわね」
若菜「私、解けたのに」
結弦「ルートラッキー7だったんだね」
私「さて、麻友さん。問題7.解けるか?」
麻友「証明はできないけど、こうやるのよね」
麻友「そして、分母の有理化」
麻友「これ、私の限界に近いくらい大変な、式変形よ。いつもの太郎さんの説明って、これの10倍くらい省略した説明よね。ついていけるわけないわ」
若菜「そうすると、答えは、・・・」
麻友「これも、証明できないけど、こうやるの」
麻友「だから、マークすべきは、よ」
私「そうねえ。高校出ましたっていってても、このくらいの数学しかできない人、多いんだろうなあ」
結弦「使ってないと、忘れる、というのも、あるだろうしなあ」
若菜「私は、習ったばかりだから、お母さんが、証明できなかった部分、なんとかできるかも」
麻友「どうやるの?」
若菜「この部分、
正しいことを、証明したければ、左辺と右辺を、2乗しちゃえば、いいのよ。
で、辺ぺん計算して、
だから、等号が成り立つ」
麻友「省略多いー」
私「省略が、多いだけでなく、ちょっと問題がある。若菜は、2乗したもの同士が、等しければ、2乗する前のものも等しいという前提をおいている」
若菜「あちゃー、お父さんの前で、証明するのは、恐い。ルートというのは、2乗して、その数になるもののうち、正のものの方、という定義が、あるのでしたね」
結弦「ルートだけで、諸説紛々。お父さん、『数Ⅲ方式ガロアの理論』で、ルートをハードに使うから、足慣らしさせてるんだな」
麻友「これは、後でゆっくり、自分で、考えるわ。それより、地球の重さが、何キログラムくらいか、推計せよ、という問題が、問題8.だったわね」
私「インターネットや、本を見ずに、麻友さんのありったけの知識を総動員して、推計せよ、としたんだ」
麻友「地球の大きさって、半径、どれくらいなんだっけ?」
私「インターネットは使って駄目だけど、計算機だけは、使って良いとする」
麻友「地球の大きさ。光が1秒間に、7周り半なのは、知ってる。だから、秒速30万キロの光が、7回り半だから、30割る7.5で、4だわ。つまり、4万キロなのよ。一周」
私「そうすると、直径は?」
麻友「直径かける3.14が、円周なのよ。だから、4万キロを、3.14で、割ると、直径になる」
麻友「40000割る3.14は、12738.85くらい。直径が、1万2千キロくらいだわ」
私「そうすると、もう体積が求まるんじゃないか?」
麻友「あっ、球の体積は、『身の上に心配あ~る』で、 だった。体積だから、3乗を忘れないようにと、習った」
麻友「そうすると、直径が、1万2千キロだから、半径は、6千キロ。計算が合っているとして、地球の体積を、 とすると、
で、 だから、
と、計算して、 かける となって、体積は、 かける 立法メートルくらいかな? つまり、 くらいね」
私「 を、 になおすと?」
麻友「を、 で割るんだから、その分、 に をかけて、 。大きいわね。 が 個」
私「実際には、 をかけるのだから、大体 くらいになる」
麻友「
ということか」
私「体積は、求まった。だけど、問題は、重さだ」
麻友「地球の密度って、えっ、ネットで調べちゃ、駄目?」
私「そこを、どうするか、見たいんじゃない」
麻友「地球は、水の惑星だったわね。水の密度って、1だけど、あっ、密度が1より大きいものは、ある。でも、1より大きいものって、どれくらいあるんだろう。私の知識じゃ無理だ。じゃあ、取り敢えず、平均したら、密度が2くらいだとしてみよう。1リットルの牛乳パックが、1キログラム。つまり、メートルかけるメートルかけるメートルが、1リットルで、1キログラムなんだった。前、『力学』のブログで、蛹沢不動滝のとき、これで失敗したから、注意深く計算しよう。立方メートルが、1キログラムだ。そうすると、1立方メートルが、キログラムだ」
私「求められる?」
麻友「やってみる。地球は、 だったのよね。だから、重さは、 をかけて、 となった。って、なんという単位?」
私「自分流で、読んでみて」
麻友「 が、1兆よね。1兆の1兆倍キログラム。あっ、密度を、2とするんだった。2兆の1兆倍キログラム。これが、限界よ。
問題8.の答え キログラム()
で、どうよ」
私「良くできてる。地球の密度を、1でなく2にしたのは、良い勘してる」
麻友「本当の密度は?」
私「じゃあ、ネット使って良いから、地球の密度、確認してごらん」
麻友「Googleで、『地球の密度』カチャカチャ、あっ、 。2より大きいんだ。私の2より、3倍くらいある」
私「地球の重さも、調べてごらん?」
麻友「Yahooで、『地球の重さは?』カチャカチャ。あっ、 。私の答え、本当の重さの3分の1くらいだったわね」
私「十分だよ。『もの凄く大雑把で良い』と、問題文にあったでしょう」
麻友「でも、地球の体積が、大体 っていうのは、かなり良い線行ってたということね。密度が5.51で、重さが5.972ということは」
私「その通りだよ」
麻友「じゃあ、今回の問題の、太郎さんの模範解答は?」
私「私には、麻友さんより、知っているものがあって、
という定数を、知っているんだ」
若菜「まさか、万有引力定数じゃ」
私「良く知ってるな」
麻友「昔、藤居君が、『万有引力定数って、地上で測れるくらいなんだよな』って、言ったとかドラえもんのブログの『たのしい算数』という記事で、書いてたけど、太郎さん、今測ったの?」
私「さすがに、ここでは、できない。ただ、上野の国立科学博物館では、それを、実験できるように、なってる」
結弦「お父さん、やってみたの?」
私「すばる望遠鏡の写真を見たときと、はやぶさのときと、2回行ってるのだが、結構、重りに働く加速度を、読み取りにくくて、最後まで見ていたことが、ないんだ。麻友さん、今度一緒に行って、測ってみない?」
麻友「恐ろしいものが、あるのね。それで、 が、分かると?」
私「麻友さんは、万有引力の法則というものを、ちゃんとは知らないだろうけど、こういうものなんだ。距離が互いに、 離れたところに、片方は、、もう片方は、 の重さの物体があったとすると、それらの間に、
の大きさの引力が、働くというものなんだ」
結弦「いきなり、万有引力の法則なんて」
若菜「距離と重さから、力が、分かるんですか。それで、力って、何でしたっけ?」
私「そう来ると、思った。力って、簡単に、定義できるものじゃ、ないんだ。だけどね、今から350年くらい前、ニュートンは、
『重さが、 の物体が、地上の重力加速度 で、落ちているときは、 という力が働いているものと、見よう』
と、考えたんだ。そうすると、色々なものの動きが、上手く説明できるということなんだね。 の は、ニュートンという単位になった」
麻友「わあ、物理って、最初に良いことを思い付いたもの勝ちね」
私「それは、確かにそう。でも、あらかじめもの凄く知ってないと、発見もできない」
若菜「一応、力がそういうものとして、地球の重さは?」
私「万有引力の法則で、
の力が、働く。ここで、 を、地球の重さとしてみる」
麻友「もしかして、距離 を、地球の半径とする?」
私「そうすると、どうなる?」
麻友「そうすると、力 を測りたいんだけど、重さ のものは、地上で、重力加速度という、数式で書くと、 という加速をする」
結弦「長さの単位のメートル() と、重さがエム() というので、両方アルファベットの小文字のエムを、使うから、間違わない?」
私「それは、私でも、今でも間違う。一応、物理定数や単位の文字は、立体のフォントで、(ジー)や、(メートル)などと書き、重さなどの変数は、斜体のフォントで、質量 (エムキログラム)、などと書き分けている。しかし、手書きだと、間違えることもある。だから、私は、計算するとき、単位はあまり拘らずに、計算して、後で確かめる。斜体の文字の変数のエムと、メートルは、計算で、気分が乗っているときは、あまり間違わない。その文字が、何を表しているか、分かっているから」
結弦「なるほどね。一応、区別してるんだ」
麻友「分かった。重さ のものは、 の力を受けているってことに、ならない? 例えば、 のものは、 という加速をするのだから、これで、いい」
結弦「式で書くっていうことは、意味がある。
ということだから、両辺 で、割れる」
結弦「だけど、 は、 と分かってて、お母さんが、 を、地球の半径6000キロにするって言ってて、 は、お父さんが、 だって記憶にあるという。そうすると、残った が、求まるではないか」
若菜「計算してみる。
だから、ややこしい地球の半径の2乗だけ、先に計算しよう。 だから、
だ。これを、代入して、
となる」
結弦「あっ、そういうことか」
麻友「どうしたの?」
結弦「お父さんが、単位をあまり気にしないって、こういうことか」
若菜「この場合どういうこと?」
結弦「最後の式で、左辺はメートルの1乗と、秒のマイナス2乗でしょ。一方右辺は、メートルの3乗とキログラムのマイナス1乗と秒のマイナス2乗と、 の単位が分からなくて、最後にメートルのマイナス2乗でしょ。揃えると、右辺は、メートルの1乗とキログラムのマイナス1乗と秒のマイナス2乗と だ」
結弦「メートルの1乗と秒のマイナス2乗は、両辺にあるから、割り算できる。結局 だから、 の単位は、 なんだよ。だから、後は、数字だけ計算ミスしないように、計算機で計算すればいいんだ」
私「ここまで、綺麗に行ったのは、私の人生でも、初めてだけど、上手く行ったな」
結弦「やったー!」
麻友「そうすると、後は、計算機で計算する。
だから、
最後のイコールを押すのが、指が震えるわね」
麻友「うわあ、
最初の が、あってて、桁もドンピシャ。でも、Yahooは、 だったけど、そこは、どうして?」
私「桁があってたのは、私の記憶力が、正しかったから。のはずが、 になったのは、地球の半径として、麻友さんの6000kmというのを、そのまま採用したからだと思う」
若菜「なるほどねー。結果の解釈も、必要なのね」
結弦「僕が、単位は、キログラムだと、断定したから、計算が楽になったんだよ」
私「みんな、お疲れ様。問題9,10を出して、解散だよ」
問題9
木星の衛星の1つ,エウロパの深海で採取された試料の性質を調べてみたところ,栄養豊富な培養液中で育つ生命体が含まれているので驚いた。予備分析では,それらは細胞性でDNA,RNA,タンパク質を含む。同僚にこの結果を話したら,地球上の生物が混入しているのではないかといわれた。混入なのか,それとも新規の細胞性生物なのか区別するにはどうすればよいか。
(アルバーツ他『細胞の分子生物学(第6版)』第1章章末問題1-5より採用)
問題10
新型コロナウイルスの、ウイルス自体の1個の重さは、何グラムくらいか、推計せよ。(もの凄く大雑把で良い)
麻友「わー、遂に分子生物学の問題。ところで、明日、いいことがあるかもって、言ってたけど、何だったの?」
私「麻友さんのペンケース、6月17日に、注文したんだよ。今日には、来るかなって思ってたんだけど、まだ来なかった。7月23日から8月3日までには、届けます、だって」
麻友「どういうこと?」
私「多分ね、注文があってから、作ってるんだよ。だから、8月3日までは、待つしかない」
麻友「私の写真を、ポリウレタンの合成皮革に、印刷して、縫ってるのかも知れないわね。笑っちゃうわね」
私「じゃあ、おやすみ」
麻友「おやすみ」
現在2020年6月21日18時03分である。おしまい。