相対性理論を学びたい人のために

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NJについての書き直し(その3)

 現在2021年1月14日19時24分である。

麻友「昨日、眠くて、寝ちゃったのよね」

私「証明は、もう、『麻友73』の、ノートに書いてある」

若菜「わぁ、お母さんのノートの証明」

結弦「どんなものなのかな?」

私「昨日、


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ところで、
{~~~~\neg A\\
\rule{3cm}{0.3mm}\\
~~A \Rightarrow B\\
}
が、{\mathbf{NK}} で、証明できることの証明は、それほど易しくないので、以下に証明しておこう。

まず、方針を示す。

(1)以下の {3} つの論理式は、{\mathbf{NK}} の定理である(つまり、仮定のすべてが落ちている、演繹図の結論になっている)ことを、証明する。
{
L_1 ~~A \Rightarrow (B \Rightarrow A)\\

L_2 ~~(A \Rightarrow (B \Rightarrow C)) \Rightarrow ((A \Rightarrow B) \Rightarrow (A \Rightarrow C))
\\

L_3 ~~(\neg B \Rightarrow \neg A) \Rightarrow (A \Rightarrow B)\\
}

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と、書いたね。この3つを、順に証明していく。だが、何でこんなものが、必要なのか、分からないだろうから、その後の、



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(2)次に、そのことを仮定した上で、以下の論理式、

{\neg A \Rightarrow (A \Rightarrow B)}

が、{\mathbf{NK}} の定理であることを、証明する。


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を、先に証明しよう。

『麻友73』のノート、4327ページ(参考『現代論理学』32ページ)

{~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~公理 L_1}
{[\neg A]^{1)}~~~~~~~~ \neg A \Rightarrow ( \neg B \Rightarrow \neg A )}
{\rule{6cm}{0.3mm}~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 公理 L_3}
{\neg B \Rightarrow \neg A ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~( \neg B \Rightarrow \neg A ) \Rightarrow ( A \Rightarrow B )}
{\rule{14cm}{0.3mm}}
{~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ A \Rightarrow B}
{~~~~~~~~~\rule{6cm}{0.3mm}1}
{~~~~~~~~~~\neg A \Rightarrow (A \Rightarrow B)}


麻友「太郎さんは、こう書いてくるけどさ、公理って、何なの? 今まで、そんなもの、無かったけど。(1)で言った、{L_1,L_2,L_3} って、何かの公理なの?」

私「そういえば、ベルナイス・ゲーデル集合論の公理という話はしたけど、論理学の公理系という話は、『現代論理学』の第Ⅰ章第Ⅲ節の話題で、まだ、行き着いてなかったな。この {L_1,L_2,L_3} は、公理だから、{A,B,C} に、何を放り込んでもいいんだよ」

麻友「えっ、じゃあ、私まだちゃんと習ってないけど、{A} として、{\forall X (X \in S)}{B} として、{\exists Y (Y \in S)} とすると、公理 {L_1} により、{(\forall X (X \in S)) \Rightarrow (\exists Y (Y \in S) \Rightarrow \forall X (X \in S))} は、正しいことになるの?」

私「その通りだ。使い方としては、それで正しい」

若菜「あっ、そういうことだったんですか? でも、それは、本来の、推論図で、演繹図を書くのと、違う基準ですね」

私「そう。我々は、いずれ13個に揃えると言いながら、9個しかお披露目してないけど、推論図で、証明したものだけが、正しいという立場に立っている。だが、この方法で、公理系というもう一つの方の、3つしかない公理 {L_1,L_2,L_3} を、証明しちゃえば、この公理系の方の、全部の結果が、使えるようになる。そういう動機付けを与えるために、(2)を、先にやったんだ」

若菜「つまり、{L_1,L_2,L_3} を、{\mathbf{NK}} の定理だと証明するのは、そのためだったのですね」

私「分かってくれたか」

結弦「『現代論理学』って、色んなことが、書いてあったんだなあ。もっと、読みたかったな」

私「なんか、この本、絶版になっちゃっているみたいだね。他の本で、代用できるものを、探さなければならないかな」

安井邦夫『現代論理学』(世界思想社

現代論理学

現代論理学

麻友「あら、でもこの本は、第二不完全性定理と、チャーチのテーゼ以外の全定理に、ゼロから証明がついているって、言ってた。代わりを探すのは、大変かもね」

結弦「お父さんが、書いちゃえばいいんだよ」


私「何かの本を書くには、その何倍も、研究していなければ、無理だ。でも、今まさにそのことを、研究している人にしか書けないものを、書くのは、意味のあることかもな」

麻友「{L_1,L_2,L_3} を、証明するのは、明日に回しましょ。太郎さん、疲れてる。もう寝た方がいいわ」

私「お気遣いありがとう。じゃあ、今日は、ここまで」

若菜・結弦「おやすみなさーい」

麻友「おやすみ」

私「おやすみ」

 現在2021年1月14日21時55分である。おしまい。