相対性理論を学びたい人のために

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数学を悟ってみて(その33)

 現在2020年12月30日14時23分である。(この投稿は、ほぼ7516文字)

私「明日で、この連載を、終えようと思う」

麻友「宿題は、ブルバキの論理の公理S4.の、{\mathbf{NK}} による証明と、数学を2つ持ったことによって、数学を悟ったという心境の説明ね」

私「そうだ。ブルバキの論理の公理S4.の証明で、『二重否定』を使うことも、確かめたい」

若菜「S4.{(A \Rightarrow B) \Rightarrow (( C \vee A ) \Rightarrow ( C \vee B))} って、証明できるんですかね」

私「できる」

結弦「お父さんが、もう証明したから?」

私「証明しなくても、分かる」

麻友「えぇっ? 証明しなくても、証明できると、分かるって、それじゃ、証明する意味ないじゃない」

私「だから、ブルバキは、第1章で、ほとんど無駄なことを、やっている」


若菜「それは、聞き捨てなりません。ちゃんと、説明して下さい」

私「『現代論理学』の第Ⅱ章までは、読んでおかないと、という理由は、これなんだが、まず、トートロジーという概念がある。若菜、今までに、『現代論理学』を、§2までやってあるが、ブルバキの論理の公理の真理値を、計算してごらん」

若菜「いきなり、真理値なんて、忘れちゃったけど、・・・」

麻友「{1} と、{0} のあれよ」

若菜「これですか?」


{\begin{array}{c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c}

(A & \Rightarrow &  B) & \Rightarrow & ((C & \vee & A ) & \Rightarrow & (C & \vee & B))\\
\hline
1 &   & 1  &   & 1 \\
1 &   & 1  &    & 0\\
1 &   & 0 &   &  1 \\
1 &   & 0 &   & 0\\
0 &   & 1 &   & 1 \\
0 &   & 1 &   & 0\\
0 &   & 0 &    & 1\\
0 &   & 0 &   & 0 \\


\end{array}}


私「そうだ。今の場合、{A,B,C} は、2カ所ずつあるから、それぞれ、他の場所の、{1} や、{0} と、同じものを、入れる」


麻友「太郎さん。暮れの買い物に、行ってきたの?」

私「生活費を受け取って、以前話した、『花月嵐(かげつあらし)』というラーメン屋で、げんこつラーメンを720円で食べて、西友で、冷凍食品などを、買ってきた」

結弦「ブックオフにも、寄ったね」

私「なんか、理工学書をたくさん売った人がいるみたいで、数学や物理学の本が、いつもよりたくさんあった」

若菜「買わなかったんですか?」

私「ブックオフって、古本屋なのに、結構高いんだ。それに、私は昨日、紙の本ではないけど、本を買っているし」


麻友「何を買ったの?」

私「これだよ。

ブルバキ数学原論』(代数10 ホモロジー代数)(フランス語版)(Kindle

圏と関手を、ブルバキなりに纏めたものだ」

麻友「読めるの?」

私「これから、ブルバキを1巻からフランス語の本を読んでいって、フランス語に慣れれば、読めなくはないだろう」

若菜「Kindleにしたのは?」

私「圧倒的に、安かったんだよ」

結弦「えーと、ペーパーバックが、4,466円、Kindle が、2,679円だ。引き算すると、1,787円。確かにお父さんでなくとも、Kindle を、選びそうだな」

私「ただね、まだ完全には、手に入っていないんだ」

若菜「Kindle なら、その場で、ダウンロードできませんか?」

私「それは、そうなんだけど、昨日購入して、ダウンロードしようとするんだけど、上手く行かない。試しに、スマホにダウンロードしてみたら、上手く行った。そうすると、余計な本がいっぱいダウンロードされてて、容量オーバーかなと、必要ない本を片っ端から、削除した。しかし駄目。一晩経ったら上手く行くかな、と思って、昨日は寝た」

麻友「何が、原因かしらね」


私「今朝起きてから、あらゆる手を尽くすが、駄目。こんなことは、滅多にしないんだが、アカウントサービスのチャットで、質問してみる。向こうも、アプリが最新じゃないんじゃないかなど調べてくれたが、分からない。そのとき、フッと、月末であることに気付いた。戦友の作ったゲームとか、ダウンロードしている。ダウンロードの容量が、限界を越えていて、速度制限がかかっているのではないか?」

麻友「それは、あり得るかも。でも、普通、パソコンが、速度制限なんて、あるかしら?」

結弦「ただ、お父さん。Pocket WiFi で、インターネットやってる」

私「とにかく、後2日待てば、来月になるのだから、1月まで待ってみます、と言って、お礼を言って、チャットは、切った」

麻友「じゃあ、その本まだ見られないのか」

私「スマホで、見られるよ」

麻友「なんだ、そうなんじゃない。読めそう?」

私「ササーッと見ても、圏とか、関手とかを表していそうな、単語はない。でも、題名にあるように、ホモロジー代数の説明は、している。このホモロジー代数を、矢印だけで説明するのが、圏だから、目的にはかなっている」

若菜「代数が、そこまで、9章あるということですか?」

私「それだけじゃない。集合論を4章やったあと、代数を3章、その後、一般位相を4章、それから、代数を第4章から第9章まで、6章。そして、このホモロジー代数にいたる。それから、一般位相が、第5章から第10章まで、6章ある。ここまでで、実数、複素数の存在証明も与えられている」

結弦「お父さんにとって、そこまでは、なんとしても、やり遂げたいんだね」

私「ここまでで、ブルバキの前半だから、2年くらいで、ここまで、最新版を訳したい」

麻友「有言実行じゃなきゃね。本当にやってよ」


私「若菜、やってみたか?」


若菜「こういう風に、やっていくのですか?」

{\begin{array}{c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c}

(A & \Rightarrow &  B) & \Rightarrow & ((C & \vee & A ) & \Rightarrow & (C & \vee & B))\\
\hline
1 &   & 1  &   & 1 & & 1 & &1 & & 1\\
1 &   & 1  &   & 0 &  & 1& &0 & & 1\\
1 &   & 0 &   &  1 \\
1 &   & 0 &   & 0\\
0 &   & 1 &   & 1 \\
0 &   & 1 &   & 0\\
0 &   & 0 &    & 1\\
0 &   & 0 &   & 0 \\


\end{array}}

私「そうだ。どんどん、続けて」

若菜「取り敢えず並べると、

{\begin{array}{c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c}

(A & \Rightarrow &  B) & \Rightarrow & ((C & \vee & A ) & \Rightarrow & (C & \vee & B))\\
\hline
1 &   & 1 &  & 1 & & 1 & & 1 & & 1\\
1 &   & 1 &  & 0 & & 1 & & 0 & & 1\\
1 &   & 0 &  & 1 & & 1 & & 1 & & 0\\
1 &   & 0 &  & 0 & & 1 & & 0 & & 0\\
0 &   & 1 &  & 1 & & 0 & & 1 & & 1\\
0 &   & 1 &  & 0 & & 0 & & 0 & & 1\\
0 &   & 0 &  & 1 & & 0 & & 1 & & 0\\
0 &   & 0 &  & 0 & & 0 & & 0 & & 0\\


\end{array}}

こうなります」

私「それぞれの、論理記号は、真理関数だったな。右の2つの、{\vee} は、簡単だろう」

若菜「ああ、そういうことか、


{\begin{array}{c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c}

(A & \Rightarrow &  B) & \Rightarrow & ((C & \vee & A ) & \Rightarrow & (C & \vee & B))\\
\hline
1 &   & 1 &  & 1 & 1 & 1 & & 1 & 1 & 1\\
1 &   & 1 &  & 0 & 1 & 1 & & 0 & 1 & 1\\
1 &   & 0 &  & 1 & 1 & 1 & & 1 & 1 & 0\\
1 &   & 0 &  & 0 & 1 & 1 & & 0 & 0 & 0\\
0 &   & 1 &  & 1 & 1 & 0 & & 1 & 1 & 1\\
0 &   & 1 &  & 0 & 0 & 0 & & 0 & 1 & 1\\
0 &   & 0 &  & 1 & 1 & 0 & & 1 & 1 & 0\\
0 &   & 0 &  & 0 & 0 & 0 & & 0 & 0 & 0\\


\end{array}}

となる。次は、1番左と、1番右の、{\Rightarrow} ですかね」

麻友「括弧の、{()} と、{()} は、使い分けているの?」

私「本当は、統一したいんだ。だけど、はてなブログ{\TeX} のバグで、『(C & \vee & A ) & \Rightarrow & (C & \vee & B)』の外側に()を打つと、これが、脚注みたいにして、他の部分に表示されちゃうんだ。それで、応急処置として、『((C & \vee & A ) & \Rightarrow & (C & \vee & B))』と、打ってあるんだ」

麻友「同じものと思っていいようだわ。若菜頑張って」

若菜「そうすると、

{\begin{array}{c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c}

(A & \Rightarrow &  B) & \Rightarrow & ((C & \vee & A ) & \Rightarrow & (C & \vee & B))\\
\hline
1 & 1  & 1 &  & 1 & 1 & 1 & 1& 1 & 1 & 1\\
1 & 1  & 1 &  & 0 & 1 & 1 & 1& 0 & 1 & 1\\
1 & 0  & 0 &  & 1 & 1 & 1 & 1& 1 & 1 & 0\\
1 & 0  & 0 &  & 0 & 1 & 1 & 0& 0 & 0 & 0\\
0 & 1  & 1 &  & 1 & 1 & 0 & 1& 1 & 1 & 1\\
0 & 1  & 1 &  & 0 & 0 & 0 & 1& 0 & 1 & 1\\
0 & 1  & 0 &  & 1 & 1 & 0 & 1& 1 & 1 & 0\\
0 & 1  & 0 &  & 0 & 0 & 0 & 1& 0 & 0 & 0\\


\end{array}}

です」

私「最後まで、やらせてあげよう」

若菜「最後ですね。

{\begin{array}{c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c}

(A & \Rightarrow &  B) & \Rightarrow & ((C & \vee & A ) & \Rightarrow & (C & \vee & B))\\
\hline
1 & 1  & 1 &  & 1 & 1 & 1 & 1& 1 & 1 & 1\\
1 & 1  & 1 &  & 0 & 1 & 1 & 1& 0 & 1 & 1\\
1 & 0  & 0 &  & 1 & 1 & 1 & 1& 1 & 1 & 0\\
1 & 0  & 0 &  & 0 & 1 & 1 & 0& 0 & 0 & 0\\
0 & 1  & 1 &  & 1 & 1 & 0 & 1& 1 & 1 & 1\\
0 & 1  & 1 &  & 0 & 0 & 0 & 1& 0 & 1 & 1\\
0 & 1  & 0 &  & 1 & 1 & 0 & 1& 1 & 1 & 0\\
0 & 1  & 0 &  & 0 & 0 & 0 & 1& 0 & 0 & 0\\

\end{array}}
{~~~~~~~~~~~\uparrow} ここと、{~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~\uparrow }ここ

について、{\Rightarrow } を使って、


{\begin{array}{c|c|c|c|c|c|c|c|c|c|c}

(A & \Rightarrow &  B) & \Rightarrow & ((C & \vee & A ) & \Rightarrow & (C & \vee & B))\\
\hline
1 & 1  & 1 & 1 & 1 & 1 & 1 & 1& 1 & 1 & 1\\
1 & 1  & 1 & 1 & 0 & 1 & 1 & 1& 0 & 1 & 1\\
1 & 0  & 0 & 1 & 1 & 1 & 1 & 1& 1 & 1 & 0\\
1 & 0  & 0 & 1 & 0 & 1 & 1 & 0& 0 & 0 & 0\\
0 & 1  & 1 & 1 & 1 & 1 & 0 & 1& 1 & 1 & 1\\
0 & 1  & 1 & 1 & 0 & 0 & 0 & 1& 0 & 1 & 1\\
0 & 1  & 0 & 1 & 1 & 1 & 0 & 1& 1 & 1 & 0\\
0 & 1  & 0 & 1 & 0 & 0 & 0 & 1& 0 & 0 & 0\\

\end{array}}
{~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~\uparrow }ここ

が、最終結果の真理値です」

私「それで、どう思う?」

若菜「疲れました」

私「それだけか?」

若菜「この論理式は、真にしか、なりません。だから絶対正しい」

麻友「だから、証明できる?」

結弦「そんな、簡単なものじゃ、ないでしょ」

麻友「でも、きっと太郎さんが、証明しなくても、証明できるなんて、言えるのは、そういうことだわ。そうでしょ、太郎さん」

私「結局、私が、ブルバキは、第1章で、無駄なことしかしてない、などというのは、少なくとも、命題論理学に関しては、古典論理を使う場合、全部が、上の {1} と、{0} でやったことに、尽きるんだ。言葉で言うと、全部、{1} が揃う論理式を、トートロジーと言うんだけど、『トートロジーならば、証明できる』、逆に、『証明できるなら、その論理式は、トートロジー』が、成り立つ」

若菜「うっ、じゃあ、私が、上でやったことは、S4.の、証明なんですか?」

私「まあ、そうなんだ」

麻友「これで、数学って、おしまい?」

私「そんなことは、ない」

麻友「直観主義論理?」

私「いや、直観主義論理まで、持ち出さずとも、『{\forall}』や、『{\exists}』を使う、述語論理学というものが、ちゃんとある。数学の未来は、そんなに簡単に、ついえない」


若菜「何か私、これで、数学は終わっちゃうのかと思いました」

結弦「でも、お父さん、ブルバキ読んでいるとき、このこと知らなかったのかな? だから、真面目に読めたのかな?」

私「結弦、日付を、チェックしてごらん?」

結弦「『現代論理学』を読み終えたのが、1999年12月3日。一方、『数学基礎概説』を読み始めて、2004年5月16日に読み終えてる。それに対し、ブルバキを始めたのは、2005年3月14日。お父さんは、トートロジーが、証明できるということを、知ってたんだ。でも、敢えて、ブルバキのやり方を、採用したんだ」

私「そうだ。私は、知っていたのだけれども、ブルバキを読みながら、改めて、トートロジーは、証明できることを、証明して、ブルバキを上から見る位置に立てるだけの気力がなかった。あの頃の私には、今みたいに麻友さんはいなかったからね」

麻友「私が、現れたから、太郎さんの数学も、力を得たのね。そうすると、太郎さんの数学は、直観主義論理に、出会うまで、ひとつだったのね」

私「そうなんだよ。古典論理だけだった。そこへ、直観主義論理が、現れて、数学にも、違う世界があることを知った。そして、同時に、古典論理をどこまでも貫いて、行けるところまで行くというのも、意味があるのだと感じた。これが、今回の数学について悟ったことだよ」

麻友「『{\mathbf{NK_{\in}+BG}}』 で、ブルバキを、というの、役に立つかもね」


私「そういうわけで、S4.の証明、(ただし、トートロジーなら証明できるは、まだ証明してない)。と、数学を悟ったという感触を、味わってもらえただろうか」

麻友「もうちょっと、具体例が欲しかったわね」

私「それを、肝に銘じておくよ」

麻友「もう、21時55分よ、寝た方がいいわ」

私「じゃあ、おやすみ」

若菜・結弦「おやすみなさーい」

麻友「おやすみ」

 現在2020年12月30日21時57分である。おしまい。