現在2017年5月15日22時46分である。
「この題名は何? それより、昨日ドラマ見たんでしょう。何かひと言感想を言ってくれても良かったんじゃない」
昨日、ドラマ、ちゃんとリアルタイムで見たんだ。
ただ、麻友さんが、大阪での握手会で、体調不良で午後欠席したというのを読んで、そのことばっかりになっちゃった。
「私、太郎さんの言ったこと、採用したんですけど」
うん。気付いた。エンディングテーマをもっと大きな音でかけた方が良いと言ったんだよね。
「どうだった?」
うん。はっきり聴き取れるようになって、良かったと思う。
「良い曲だったとは、言ってくれないの?」
書店ガールの曲の投票の時、どうしても私には、『アルジャーノンに花束を』の『The Rose』を選ばずにはいられなかったように、今回の歌も、最高に素晴らしいとは、言えなかった。
私、この、美しいかどうかって、こだわっちゃうんだ。
「普通のファンが、そんなこと言ったら、『おまえ、さては、えなり、だな』って、縛り上げるけど、太郎さんなら、『いつか、良い曲だったと言わせよう』と、悔し涙に暮れるわね」
その大好きで、好いてくれている麻友さんに、ちょっと悲しい報告なんだ。
「誰か好きな人ができた?」
バカ言え。
「いや、有り得るんじゃない?」
ないって。
「ああ、最後まで、私に冷たくあたったのね」
本当にお別れなら、最後くらい優しくしたよ。
「わっ、大丈夫なんだ。太郎さん、私をおいてったりしないのね。(ギュッ)」
ひとつ問題があるんだ。
「なに」
ホーキング-エリスを訳してるでしょ。
The Large Scale Structure of Space-Time (Cambridge Monographs on Mathematical Physics)
- 作者: S. W. Hawking,G. F. R. Ellis
- 出版社/メーカー: Cambridge University Press
- 発売日: 1975/02/27
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「ああ、仕事のことか」
いつも、仕事のある麻友さんなら、それほど問題にならないんだけど、私に取っては、23年間待って、やっと来た仕事でしょう。
どうしても、成功させたいんだ。
「頑張ればいいじゃない」
それが、そう簡単じゃないんだ。
本当は、麻友さんのところへしわ寄せが行くのは、お門違いなんだけどね、私自身を、この本を訳すことに、集中させるために、私の周りからこの本以外を取り去りたいの。
「そんなに、深刻なの?」
昨年の12月から、今日まで、2ページしか進んでないんだ。
「えーっ、太郎さん、えなりが憑いてるんじゃない?」
麻友さんに祓ってもらえば、解決するのなら、祓ってもらいたいよ。
でも、これは、ドラマじゃないんだ。
「何が、原因なの?」
要するに、私の統合失調症というのは、うつ病や、躁うつ病のもっとひどくなったものに近いから、妄想も起こるけど躁の時は、どんどん仕事も進むんだ。
麻友さんのコンサートに私が行かれなくなった頃、私、絶好調だったでしょう。
「1年半前ね。とすると、今は、うつなわけ?」
その通り。悪い方へばっかり行ってしまう。
「それで、集中するというのは?」
私が、入院していた時のことを、思い出したんだ。
入院中は、やることないから、私は、数学ばっかりやってた。
「でしょうね。今だって、数学ばっかりやってるもの」
アハハ、そうだね。
「それで、上手く行くのかしら?」
私が、数学の本を読む時、いつも失敗するのは、この本を読みたい、という本があって、その本を読むには、この本も読んでおかなければならない。いや、あれも必要かな?と、限りなく読む本を増やしてしまうことなんだ。
「それを、どうやって防ぐの?」
この本1冊をぎりぎり読めるくらいのタイムリミットを置いて、それまでに訳し終えると約束する。
「誰と?」
麻友さんと。
「私は、えなり祓いみたいに、何かしてあげられないの?」
例えば、畑で野菜作っているのなら、『運ぶの手伝って』、とも言えるけど、今は、タイプしてもらう必要もないから、本当に、麻友さんが活躍する場は、ないに等しい。
というか、麻友さんには、期待して待っていて欲しい。
私は、これから、半年間、ブログへの投稿をほとんど休止する。
ツイッターだけは、二人の唯一の連絡手段だから、基本的に一日1回、送るけど、ネット上を検索して、面白い話を書くのは無理だ。その日訳した内容を、書くことにしよう。
372ページの本で、まだ、20ページも訳せてないから、これを、半年で、というのは、かなり厳しいが、麻友さんのことをネット上で調べている時間は、かなりにのぼるから、それをカットして、辛うじて行くかな。
「そんな、危ない計画で、大丈夫なの?」
いや、これくらい、ぎりぎりにしておかないと、私は、他の本に手を出し始めるからね。
「太郎さん、浮気性なのね」
本に関しては、そう。
ブログは、特別な日。
例えば、ドラマの最終回。選抜総選挙の発表日。などの日だけ、書くことにする。
「私には、条件付けさせてくれないの?」
どんな、条件を付けたいの?
「この半年間、私が、フリーエージェントになっていいというのは?」
どういう意味だい?
「この半年間は、太郎さんの婚約者であることを解除するのよ」
もともと、私には、婚約者なんていう権利をもらってないけど、いいんじゃない2年ぶりで、フリーになるのは。
「もう一つ」
次は?
「どうしようかな?」
取り敢えず、言ってみたら。
「太郎さんが、半年後までに、訳し終えられなかったら、私と太郎さん、これっきり、というのは?」
うぐっ、麻友さん、そんなに、私を、信じてるんだね。
「太郎さんのえなりを祓うには、これしかないかな、と思って」
そうか。私のえなりを祓うか。
今、私には、『うつ』という『えなり』が憑いてるのか。
いいでしょう。その条件呑みましょう。
「必ず、訳してね」
ああ、私は、最愛の人を、人身御供に出してしまった。
「いけにえなんて、考えず、一所懸命訳しなさい。今日は、もう寝た方がいいわ。おやすみ」
おやすみ。
現在2017年5月16日1時23分である。おしまい。