現在2020年5月3日17時29分である。
麻友「誰の家の話?」
私「伊豆のみかん山の家のことなんだ」
麻友「ああ、『アンドロメダ姫の物語(その3)』の投稿での、ボーイフレンドの太郎さんにときどき会いに行くという、最良のシナリオのための家ね」
私「図書館までが閉まっちゃったから、今日は、駅ビルのCIALのくまざわ書店へ、行ったんだ。もう女性誌で、麻友さんの写真が載っているものはない。今日は、雑誌『日経ビジネス』もなかった」
麻友「太郎さん。今度、ゲームの雑誌とかも、見てみない? 今どきのゲームが、どんなものか、分かるわよ」
私「まあ、最新のもの、肌触りが分かるんだって? は、知らないけど、忙しくて指原さんに借りた『ときめきメモリアル』を、やる暇もなかった麻友さんよりは、私、分かってるかも知れない」
麻友「それで、くまざわ書店で、何か、見つけたの?」
私「冠婚葬祭の棚で、『結婚式 親の役割とあいさつ』みたいな本を見た後、中学高校の参考書のところへ行ったんだ」
麻友「少し、高校の数学の参考書を、見てみてよ。太郎さん、ハイレベル過ぎるんだから」
私「そのことが、私も、気になったんだ。それで、適当に1冊、
文英堂編集部編『高校これでわかる数Ⅰ+A』(文英堂)
というのを、取り出して、パッと開いたんだ」
麻友「どうだった?」
私「えっ、ここまで、丁寧に、説明しなきゃ、駄目なの? って、呆然とした」
麻友「どんなだったの?」
私「『『数Ⅲ方式ガロアの理論』のガイドブック』で、いきなり3次式を、1次式で割ったりしてるけど、この見ている本では、2次式の説明が、延々とある」
麻友「私、分かっちゃった」
私「何が」
麻友「太郎さん、分かったのね。今のように、数学の証明を私に分からせようとしていたら、東京や地方から帰ってきた私の足が、『太郎さんに会うと、数学の話されるのか』と思えて、伊豆を避けちゃうかも知れない、という恐ろしい現実によ」
私「そうなんだよ。麻友さんに、多様体だの、集合論だのを、分からせることは、ほとんど無理なんだと、あの参考書を見た途端、分かったんだ」
麻友「でも、今までの5年間のブログは、面白かったわ。ただ、太郎さんに会うと、数学の話になると思うと、みかん山の家は、『行ってみたくなる家』では、なくなっちゃう。太郎さんをたとえ好きでもね」
私「今気付いて良かった。或いは、私を落ち着かせるために、今年の初めから、姿を消していたのかも、知れないけど」
麻友「それを、ねらっていたわけでは、ないけどね。あれっ? 新しい本見てるじゃない。本は、買わない約束じゃなかった?」
私「これ、4月28日に買った、今年の『理科年表』なんだ」
麻友「『理科年表』って言ったって、本だわ」
私「それは、分かってたんだけどね。新しい単位をきちんと確かめたくて、とうとう買ったんだ」
麻友「毎年、変わるんでしょう?」
私「麻友さんに、最新の科学を、話そうと思うと、必要になるんだ」
麻友「それで、新しいことは、分かった?」
私「買ったときは、気付かなかったんだけど、2018年に決まって、2019年から使われ出した、新しい単位系は、多分時間の単位が、近いうちにちょっと変わると思うよ」
麻友「えーっ、変えた早々、なんでまた」
私「決める方も、分かってて、暫定的に、今のにしたみたい」
麻友「どうしたら、そういうことが、分かるの?」
私「真空の透磁率(とうじりつ) (ミューゼロ)という数値があるんだけど、これが、今まで、
(ニュートン・パー・アンペア・スクエア)
と、定まっていたのに、それを、 倍することにしたんだ。どう見ても、汚い定義だろ。こんな定義」
麻友「何か理由があったのでしょうね。太郎さんは、暫定的なものだから、と取ったけど、将来どうなるかしらね」
私「この新しいのを買ってきて、良かったことが、もう一つ、あったんだ。『結婚をシミュレート(その19)』で話した、ブラックホールの写真が、これの天文部に載ってて、その説明を読んでいくうちに、なぜ周りが明るくなっているのか、そしてあの中心の黒い丸が、もの凄く小さいのだと分かって、あれが、ブラックホールだということの説明が、胸にストンと落ちたんだ」
麻友「太郎さん自身も、疑ってたのね」
私「今でも、完全に信じてはいないけど」
麻友「でも、一応納得したのね」
私「うん」
麻友「それで、何かまだあるの?」
私「麻友さんに説明しようと思わないと、本気になれないんだよ。今回も、単位のことを、麻友さんに話そうと思わなかったら、本を改めて買おうとしなかったんだよ」
麻友「でも、『結婚をシミュレート(その19)』で、私の父が言ったけど、太郎さんの数学が、私達を、引き裂いているのよ。太郎さんも、読み返したでしょう。太郎さん、記事を書いた後、忘れちゃうのかしら?」
私「忘れるというより、何か新しいことを見つけると、『これを、麻友さんに、説明しなきゃ!』って、夢中になっちゃうんだ」
麻友「太郎さんが、私の息子だったら、良かったなあ。はっ!、じゃあ、今は私に話しているけど、もう一度、話すのを、太郎さんのお母様に戻したら?」
私「歴史上に、そういう人いる。ポントリャーギンっていうロシアの目の見えない数学者で、目が見えないから、お母さんが秘書になって、一生論文や本を書いてあげ続けていた。これは、和訳されている本」

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麻友「『連続群論』って、『博士の愛した数式』で、博士の蔵書にあったわね」

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- メディア: 文庫
私「それくらい、返してくれるだけで、私は、満足なんだけどねぇ」
麻友「そっか」
私「取り敢えず、遅くなったから、今日は、ここまで」
麻友「おやすみ」
私「おやすみ」
現在2020年5月3日22時44分である。おしまい。