相対性理論を学びたい人のために

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駆け落ちのシミュレート(その16)

 現在2021年7月14日17時56分である。(この投稿は、ほぼ4060文字)

麻友「駆け落ちは、失敗だったのでは?」

私「シミュレートというのは、こうやったら、上手く行かなかった。じゃあ、ここを、ちょっと変えたら? というのを、何度もできるところが、良いんじゃない。今回は、麻友さんが、本当に、私との結婚まで望んでいるという前提で、シミュレートしてみよう」

麻友「そもそも、そこまで思い詰めていないのに、駆け落ちするなんて、おかしいわ」

私「そう言われれば、そうだ。じゃあ、日本語の処理能力が遅いという話まで戻って、再開してみよう」




麻友「太郎さん。お父様は、頭の回転が、自分より速いといいながら、ぼろくそに貶しているようなのは、どうして?」

私「言いにくいんだけどね。父って、化学についての知識とか、文化人としての教養は、十分にあるのは確かなんだけどね。ある意味、普通なんだよ」

麻友「どういう意味?」

私「父は、記憶力が良いから、きっと覚えているだろうから、ここに書くけどね、京都から気違いになって帰ってきて、3カ月くらいしてからかなあ? 半年経ってたかも知れないけど、レポート書けの少し前に、『お前今後どうするんだ』みたいに、父に言われて、私が、グライナーの『量子力学』という本の以下の一節を読み上げた。


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エルミート Charles Hermite フランスの数学者

1822年12月24日 Dieuze 生/1902年1月14日パリ没.織物商人の息子として,裕福なブルジョワの家庭に育った.工芸専門学校に入学したが,数学の研究に没頭したため必修の試験に通れず,1年で退学.友人たちの援助で1847年に教育者の資格を得た.

(後半、省略)


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                    (グライナー『量子力学』第4章末より)


そうしたらね、父が、こう言ったんだよ『エルミートに、なりたいって言うのか?』って。私、呆れてしまって、言葉を返せなかった」

麻友「えっ、それ、お父様の反応は、当然のものだけど、太郎さん、どういうつもりで、その一節を読んだの?」

私「『私は、もうエルミートになっているでしょ』と言いたかったんだよ」

麻友「でも、太郎さんの業績って、本当はないって、言うし、どう解釈したら、良いの?」

私「そう、本当は、業績なんてない。でも、1994年頃の私は、自分なら、幾つもの業績が挙げられる。それどころか、前にも言ったように、ノーベル賞全部門取ってやる、みたいに、思ってたんだよ」

麻友「冗談じゃ、なかったのね」

私「そういう私から見ると、父は、普通なんだよ」

麻友「太郎さんから、普通と言われるのは、褒め言葉なのね」

私「そうなんだよ。だから、栄信工業にいると、父は輝いている」

麻友「もの凄く、できるのね」

私「以前、父が、控えめに自慢したんだけれども、来た年賀状を見ていて、『ああ、この人は、高校卒で、入社してるんだよな。あの会社は、高卒は、各県の一番上の高校で、1番か2番の人しか、取らない会社だったから、もの凄くできたんだろうな』と、言ったんだ」

麻友「でも、1番や2番の人は、東大とかへ行っちゃわない?」

私「父の時代は、誰でもが、大学に行かれる時代じゃ、なかったんだ」

麻友「そうか。そうすると、もの凄く、切れる人ばかりなのね。旭硝子って」

私「そう。特に、研究所にいた人というのは、凄い。私も以前、栄信工業の部品を届けに行ったことがあるけど、凄く冴えてる人だった。だから、普通と言っても、ニュートラルがどこかは、探っていてね」

麻友「あー、なるほど」


私「シミュレートが、進まないから、お昼ご飯買いに行こうか」

麻友「どこまで、行くの?」

私「様子を、見るために、新聞を買いに行く、ちょっと遠くのコンビニに、行こうか?」

麻友「あの、スキャンしている、コピー複合機が、あるところ?」

私「そうだよ」

麻友「じゃあ、マスクして、サングラスして」

私「私は、マスクだけで、いいかな」

麻友「ちょっと、これ、飛びこえて行くの?」

私「踏んでも、大丈夫」

麻友「えーっ」


私「よく、すぐ家が、分かったね」

麻友「スマホが、あるから」

私「そうなんだね。あそこにも、1軒、コンビニがあるんだけど、今回は、駅の向こうへ行こう」

麻友「プリンパフェは、あるかしら?」

私「プリンパフェ、もう無くなっちゃったんだよ」

麻友「それだけ、待たせたということね」

私「あそこも、ワンダモーニングショット、100円でしょ」

麻友「そうね」

おじさん「おお、今日は、彼女連れているじゃないか」

私「はい」

麻友「もしかして、バナナを200円で、売りつけられている、果物屋さん?」

果物屋さんのおじさん「ありゃ? 昨日今日の仲じゃないな」

麻友「随分この人を、カモにして下さって」

果物屋さんのおじさん「おや、彼女の方は、手厳しい」

私「じゃあ、バナナもらえますか?」

果物屋さんのおじさん「200円だよ」

麻友「駄目。150円じゃなきゃ、買わないわよ」

果物屋さんのおじさん「わー、かなわないな。じゃあ、150円だ」

私「はい」

果物屋さんのおじさん「また来てよー」


麻友「ほらね。200円なんて、高すぎるわよ。それで、何を見ているの?」

私「ほら、この自動販売機、ワンダモーニングショットが、70円なんだ」

麻友「なるほど、ここで、普通なら130円のワンダモーニングショットを、60円も安く買えるから、バナナが、50円高くても、目をつぶっているのね」

私「今日は、本物の麻友さんと、キスできたから、いいんだけど、いつもの私を、見せておこうか。ワンダモーニングショットを、買って、コンビニに向けて、ゆっくり歩きながら、飲むんだ」

麻友「間接キスの積もりなのね。私のファンの人達、みんなそんなこと、してるのかしら?」

私「人それぞれだよ。色んな人がいて良い」

麻友「あの、コンビニね。買うものは、決まっているの?」

私「今日の場合、何も考えていない。お昼に2人で食べるものを、買おうというだけ」

麻友「本当に、自由な生き方ね。でも、私も、芸能界から引退した後、随分、自由な生活、送るようになったわよ」

私「今は、どんな仕事をしているの?」

麻友「実は、働いていないのよ」

私「そりゃー、暇だね」

麻友「あっ、ただね。大学に、行ってるのよ」

私「そんなことを、したら、ファンに見つかっちゃわない?」

麻友「日本の大学じゃないのよ」

私「外国の大学か。どんな学科に行ってるの」

麻友「どんな学科だと思う? 太郎さんなら、一発で当たるかも知れないけど」

私「鈍い私が、一発で? そりゃ、数学科でもなきゃ、無理だよ」

麻友「当たり。そうなの。数学科よ」

私「からかっているのかい?」

麻友「本当に数学科なのよ」

私「そうすると、教育学部の数学科とか、工学部の数学科、とかいうのかな?」

麻友「私も、太郎さんと話し合わせるのが、目的だから、色んな数学科受けたのよ。そうしたら、アメリカとかカナダとかって、高校の数学のレヴェルが、かなり低いのよね。だから、第一志望の理学部の数学科に、受かっちゃったのよ」

私「それは、高校を、9年も前に卒業して、数学を使っていない麻友さんに取って、随分頑張ったんだなあ」

麻友「太郎さんが、最初は、何やっているか意味不明なことを、私にしてきていたじゃない、数学に関して」

私「そうだったね」

麻友「あのパズルかクイズみたいなのを、一所懸命解析しているうちに、私にも、数学での考え方というものが、分かってきたのよ。ある日、『これが太郎さんの言っている、数学において正しいとはどういうことか、という問題だ』と分かって、それからは、どんどん、分かるようになったの」

私「ずっと、書き続けてきたの、伝わってたんだね」

麻友「太郎さんが、目の見えないポントリャーギンのために、お母さまが、ずっと秘書になって、日本語にも訳されるほどの、本を書くのを、手伝っていたという話を、してくれた。私も、太郎さんの役に立ちたい。だったら、私も、もっと数学を知らなければ、と思ったのよ。それで、数学科へ行くことにした」

私「じゃあ、ちょっと、口頭試問。ルベーグ積分できないが、リーマン積分できる関数は、あるか?」

麻友「あらっ、リーマン積分できる関数は、すべてルベーグ積分できるのじゃ、なかった?」

私「ここまでは、まだ分かってないか。ルベーグ積分できないけど、広義リーマン積分できる関数があるんだ。

{\displaystyle \int^{\infty}_0 \frac{\sin x}{x}dx=\frac{\pi}{2}}

これは、通常のルベーグ積分では、{\infty-\infty} となって、値が求まらないんだ」

麻友「まだ、口頭試問を、受けるなんて、とても無理よ」

私「でも、ルベーグ積分は、リーマン積分をほぼ含んでいると、知ってただけでも、大したもんだ」

私「さて、ここで、飲み終わった缶を捨てて、コンビニへ行こう」



麻友「今日は、もう遅いわ。ここで、打ち切りましょう」

私「麻友さんが、理学部数学科へ、行ってるなんて、びっくりだよ」

麻友「どこの国かは、内緒よ」

私「分かった。じゃ、おやすみ」

麻友「おやすみ」

 現在2021年7月14日23時07分である。おしまい。