現在2018年12月27日19時38分である。
元総監督達と、忘年会、やってきたんだね。
「たかみな達に会えるのは、やっぱり嬉しいわね」
男の人でもそうだけど、戦友というのは、仲良くなるものだ。
麻友さんも、そういう会に呼ばれているということは、今までに信頼されるようなことを、きちんとしてきたということだね。
「太郎さんは、忘年会とか、ないの?」
トントンが、今日と明日、大掃除して、明日午後から、忘年会だよ。
「良かった。太郎さんが一人で、しょぼくれてたら、どうしようか、と思って」
今日は、本当は、『微分・積分入門(その4)』という題にして書き始めたんだけど、途中で、やめちゃった。
「どうして?」
かなり、疲れちゃったんだよ。いつもの、いけいけどんどんの、勢いがないんだ。
こんなとき、記事を書くと、麻友さんが応じてくれないことに、嫌みを書いたり、数学が思ったほど進まないことを愚痴ったり、病気が良くならないと情けない事書いたりと、見るに堪えないことになるんだ。
「太郎さんにも、気分にむらがあるんだ。じゃあ、何も書かずに、寝ちゃえば良かったのに」
好きな人に、
『好きだよ』
も、言わずに?
「それだけか(笑)」
以前、ドラえもんのブログで、『数学ガール』という本の話を、したでしょ。
「ああ、若菜が、言いだした事ね」
あの本、評判がいいんだ。
「そうなの?」
それだけじゃない。
私も読んだから分かるけど、本当に面白いんだ。
「あの本を勧めてるの?」
いや、勧める必要はないけど、読みたかったら読んでもいい。
ただ、あの本のレビューなんかを見ていると、数学を積極的に学びたいと思える動機付けがもらえた、という喜びを書いている人が多いように思う。
「そういう本なのね」
そこで、私も、考えていて、私は、小学校6年生で将来なりたい仕事に、『大学の理科の先生』と、書いた子供だ。
その思いは、今でもある。
だったら、実際には、麻友さんは、大学受験をしなかったけど、麻友さんに、大学に入学して、大学生活を送る体験を、少し味わえるような、麻友さんに取ってだけの大学の理科の先生になりきろうと、頑張ってみようと思った。
医学機器を開発する『細胞の分子生物学』は、化学と分子生物学の授業。
『数Ⅲ方式ガロアの理論』は、大学の文系の人のための代数学の授業。
『現代論理学』は、数学で正しいとはどういうことか、という根源的な問いを求める授業。
『数学原論』はフランス語の勉強も含む、息の長い数学の授業。
『理論物理学教程』は、余り初めからは、麻友さんが付いてこられないので、ゆっくりと進む物理学の授業。
『多様体、テンソル解析』は、ちょっと麻友さんの理解のレヴェルを超えているので、私の趣味だと思って読み飛ばして欲しい。大学の授業には、全く意味の分からない授業もあるんだよ。もっと進んでから、意味の分かることもある。
として進める。
私も先生として未熟だから、説明の下手なところもある。
麻友さんは、最初の学生だ。
「そんな凄い授業、ついて行かれるかしら?」
どんな質問をしてもいい。
恋人が、先生なんだから、いくらでも、優しく教えてくれるよ。
「サークル活動などはないけど、私も、大学生というものを、少し味わえるのね」
麻友さんは、ある意味社会の中で、まずお金を稼ぐという堅実な道を歩んだ。
でも、人生は、お金を稼ぐためにあるのではない。
年取れば年取るほど、若いときに、あんなこともやってあったのは、意味のあることだったんだなあ、と思うことはいくらでもある。
視野を広く持つことは、人生を豊かにしてくれる。
それと、本当は、麻友さんにも、お芝居のこと、ミュージカルのこと、音楽のこと、芸能界のこと、色々、私も教えて欲しいな。
例えば、麻友さんが、『紛らしている』のどういうところが、好きなのか、なんて、聞いてみたいな。
私、あの曲の歌詞は、ある程度分かるけど、あの投げ捨てるようなメロディーの綺麗でない様子は、余り好みに思えないんだ。これは、慣れてないからかなあ?
「太郎さんは、数学の先生。私は、音楽の先生になって欲しいというの?」
一方だけが受け取る恋は、実らないと思うんだ。
麻友さんは、数学者となれるほどに、ならなくてもいい。でも、誰かが数学の話題をしたとき、なんとなくイメージが浮かんで、適切な解答ができると、相手も、『この人は、話の分かる人だ』と、安心する。そこまでは、連れて行ってあげたい。
「さあ、明日、忘年会なんでしょ。楽しんできて」
ありがとう。おやすみ。好きだよ。
「私も、好きよ。おやすみ」
現在2018年12月27日22時08分である。おしまい。