現在2019年3月7日19時26分である。
私は、『また、機会をくれますよね』の投稿で、
『ハワイ行きを、どう思うか?』
と、トントンの職員さんに、聞いてみたりしたように、自分のアイディアを、そばにいる人に、尋ねてみるようになった。
「そんなの、当たり前じゃない?」
いや、私に取っては、当たり前じゃなかったんだ。
「じゃあ、今まで、どうしてたの?」
例えば、小学校の頃、母から、
『お母さんが、小さいとき、灯油屋さんが、うっかり玄関にあった植木鉢に、灯油をかけちゃったのよね。おばあちゃんが、一所懸命、根を洗ったけど、結局枯れちゃったのよ』
と、話を聞くと、普通の子なら、他の子に、
『油がかかると植物って、枯れるの?』
とか聞いて、何人もガヤガヤやってるうちに、
『本当らしい』
とかなるのかも知れないが、私は、普通の子じゃなかった。
「えっ、まさか、本当に、植物に、油かけた?」
はい。自転車に、油を注すんだと言って、ミシン油を、持ち出し、庭のツツジの茂みに、チュチュッと。
「どうなった?」
すぐには、枯れないんだよね。
でも、2週間くらいして、油を注したあたり全体が、枯れてしまった。
「ウワーッ、太郎さんって、恐ろしい。本当に、試しちゃうの? 枯れるって分かってたんでしょ?」
私の中では、
『本当かなあ?』
という状態だったんだよ。
「太郎さんは、疑問に思ったことを、先生に聞いたりしなかったの?」
そりゃあ、先生に聞いて解決できる問題だと思った場合は、聞くよ。
「太郎さんが、『初体験』の模範的な教科書を、書こうとしてたのも、分かるわ。『1度も間違いを犯したことのない若者』に対し、世間は、冷たいのよね。からかったりして。太郎さんは、自分で納得できる教科書を書きたかったのね」
そういうことだね。
でも、それは、書けた。
もう、その問題から、離れられる。
だから、トントンの職員さん達に、相談したりするように、なった。
いや、そもそも、このブログというものは、私の実験したいことや、実験結果を、私なりに、書いてきたものなんだよ。
「それで、今日は?」
これは、どうなるのかな? と思ったとき、もし計算して答えが出るのなら、人が死んだりはしないのだから、ちょっと計算してみるということを、習慣づけるようにすることを、提案したい。
「太郎さんの人生では、どんなことがあった?」
麻友さんレヴェルの問題を、用意してきた。
「私レヴェルって、中学から高校の数学?」
私が、中学3年生のときのことだ。
「どんな問題?」
三角形って、三辺の長さが決まれば、一つに定まるよね。
「ああ、三角形の合同条件ね。でも、これは、小学校でも習ったわ」
そう。だけど、私は、中学3年生のある日、ふと、
『三辺が決まれば、三角形が決まるのだから、三辺を知っていれば、面積も求まるのじゃないか?』
と思った。
もし、友達に聞けば、
『そんなの無理だよ』
と、言われたかも知れず、また、先生に聞けば、きちんと、公式を教えてくれたかも知れない。
だが、思い立った私は、まっしぐらに計算し始めた。
どのくらいの計算で求まるか見せるために、やってみせよう。
『麻友56』のノート3322ページ。
こういう三角形の面積を、求めようと思う。
三角形の面積は、底辺かける高さ割る2だから、垂線の長さを、 として、
という式になる。
ここで、中央の線が垂線であることから、三平方の定理により、
である。
これから、 を移項して、
と、変形して、ルートを取る。
後は、 を、 で、表せれば、三角形の面積を、三辺の長さだけで、表せることになる。
「ちょっと、待って。 というのは、どこから現れたの?」
数学では、いきなり記号を持ち込んだ場合、
『後で、その値を決めるから、取り敢えず、仮にこの記号を使っておくよ』
という暗黙の了解がある。
でも、本当なら、
『長さ の垂線の足から までの長さを、 と置く』
と、書いてあった方が、親切だよね。
「うん」
さて、 を、求めたいんだけど、ここで、行き詰まる。
これで諦めたのなら、それまでだ。
でも、私は、
『今は、右側の直角三角形だけ使った。左を使ったら?』
と思った。
これを、計算したのが、大当たりだった。
要するに、
で、
としたのだ。
「それで、どうするの?」
いつも通り、展開。
となる。
ここで、最初の式を、思い出す。
これだけ、おあつらえ向きに並んでくれると、変数の消去も簡単だ。
「待って、分かった。上の方の式の中に、 があるから、そこに、 を、代入できるのね。
だから、
となって、
だから、
と、 が、求まった」
じゃあ、三角形の面積は?
「あっ、そうか。面積を求めるんだったのか。
三角形の面積
で、
だったから、
三角形の面積
となって、この に、さっきの
を、代入する」
うん、頑張ったのは、認める。でも、数学では、自分で意図してなくても、ひとりでに問題が解けるということがある。
さっきの、
三角形の面積
だけど、 だけルートの外にある。いっそ、ルートの中に入れたら、綺麗になるんじゃないかな? と、やってみる。
「えーっ、
三角形の面積
で、あ、そうか、
三角形の面積
なんだ。
だから、さっき代入するって言ってた、
は、 で、割らなくて良かったんだ。
を、代入する。
そうすると、私も、頭を使って、
三角形の面積
としてから、代入する。
三角形の面積
なんか、もうちょっと綺麗にならないかしらね」
そう。
そういう、数学的センスも、あった方が良い。
三角形の面積
は、一応公式だけど、こんなのどうやって覚えるの?
「太郎さんの言う、数学的センスで言うと、因数分解の、 が、使えそうな気がするわね」
やってみて、
「
と、するのよ。だから、
三角形の面積
っていうのは、どうかしら?」
いい線行ってる。あと一息。分母の を追い出しちゃえ。
「えーっ、 を追い出すの?
三角形の面積
となって、さらにルートの中から追い出すと、ルート取る分を考えに入れて、
三角形の面積
となって、ルートの外を計算して、
三角形の面積
これを、あっ、まさか、
三角形の面積
だから、
三角形の面積
となって、
三角形の面積
から、
三角形の面積
となる」
もう一声。
「えーっ、まだー? あ、そうか、
三角形の面積
なんか大分、簡単になったけど」
内側の括弧取っちゃって。
「はい、
三角形の面積
ふん、ふん。あれっ、
三角形の面積
だ。あっ、分かった。太郎さん、やったやった! 分かった」
気付いた?
「そう。三角形の面積は、三辺を、 とするとき、まず3つとも足したもの 、それから、2つの和からもう一つの辺を引いたもの3つの4つをかけて、ルートを取ったものを、4で割ればいい。太郎さん、問題がひとりでに解けるっていうの、分かった。こういうことなのねえ」
やったね。麻友さん。
これは、私が、中学3年の時、辿った道でした。
この公式を導くとすぐ、私は、父がいつも仕事をしているところへ行き、『数学公式ハンドブック』という本を開き、私が導いたものと等価な公式がないか、調べました。
ありました。
そして、私のものでは、なぜ4で割るか、分からないのですが、その公式、すなわちヘロンの公式では、
と置いて、
三角形の面積
と、求まることが、書いてありました。
「太郎さんって、学校で公式として習うものまで、導いちゃうのね。それで、何が言いたかったの?」
見かけ上、私の自慢話のようだが、最初の切っ掛けは、
『三角形の三辺が決まれば、三角形は決定される。だったら、面積も求まるんじゃないか?』
というものだった。
そして、自分で開発した武器は使い易く、私は、ヘロンの公式を用いるべきところでは、自分の公式の方を、使っている。
そうして、最後に、公式を暗記したくない人には、公式を教わる前に、自分で導いて、自分の公式にしてしまうことを、お勧めする。
中学3年の終わり、受験の直前の代々木ゼミナールの模擬試験で、次のような問題が出た。
問題
3辺の長さが、13,14,15 の三角形の面積を求めよ。
麻友さん。解いてごらん。
「分かるわ。
13+14+15=42
13+14-15=12
14+15-13=16
15+13-14=14
だから、
だから、私の公式に当てはめて、
面積
となって、よ!」
私は、何の説明もつけず、私の公式とルートをとる計算だけ書いて、
答 84
と、書いて提出した。
他の生徒、どうやって解くのだろう? と、渡された『解法のしおり』を見たら、実は、これには、まともな解法があったのだった。
私は、知らなかったが、答えがあっていたので、減点もされず、及第点をもらった。
「まともな解法って?」
上の図のように、長さ14の辺に垂線を下ろすと、上手いこと長さが12になるんだ。トリッキーな問題だったんだよ。
「ヘロンの公式って、いつ頃習うの?」
私は、高校2年の時に、習ったように覚えてる。
「気になったことは、人や生き物が死なないのなら、実験したり計算したり、ということを、大いにやるべきだ。という話だったのね。今日の話は、辛うじて理解できたわ。ありがとう」
どういたしまして。
じゃあ、また書くよ。おやすみ。
「おやすみ」
現在2019年3月8日22時13分である。おしまい。