現在2019年8月16日19時44分である。
麻友「もう、半分過ぎてるのでしょう。最後まで、頑張って、証明しちゃったら」
私「よし、頑張ってやってみよう」
前回の証明の最後から。
は
の根でないから
である.そこで
とおこう.ここで で,
は任意の素数とする.また
と定義しよう.ここで に注意する.前と同様にして
を得る.よって
ここで とおけば
を
上にわたって動かしてその和をとると,
から
を得る.ここで,十分大きいすべての に対して左辺は
でない整数となることを以下に示そう.さて
ならば
次に でない項を得るには,
を少なくとも
回微分しなければならないから
なる
に対して各微分
は
を因数にもつ.そのような任意の
に対して
は次数が 以下の
の対称式である。
研究者注
最後の式は、テキストでは、上のようにシグマの和が、 に付いて取られているが、正しくは、
である。
注終わり
私「ごめん。眠くなって来ちゃった」
私「やっぱり、 の超越性は、大定理だ」
麻友「次回に回すのね」
現在2019年8月17日17時05分である。
麻友「証明、続けたら?」
私「分かった。今日こそ終わりだ」
したがってそれは,定理 2.9により次数が 以下の係数
に関する多項式である.
の定義における因子
により,上の式は整数となる.よって
のときは,適当な
に対して
と書ける.さて に注目しよう.適当な
に対して
したがって の左辺はある
に対して
となる.ところで, であるから
となるように素数 を選べば,
の左辺は
で割り切れない整数となるから,それは
ではない.
証明の最後の部分は,もうきまりきったものである: の右辺を評価する.さて
ここで、
したがって
ここで
よって上の式は のとき
に収束する.これはいつものように矛盾だから,
は超越数である.
証明終わり
1990.6.21 理解できた
私「終わったー」
麻友「太郎さんでも、こんなに、しんどいのね」
私「そりゃまあ、1882年まで、証明されてなかったことだから、中学や高校で習うこととは、比較にならない」
麻友「途中で、定理2.9とかいって、引用していた定理があったけど」
私「その定理の証明は、この本にないんだ」
麻友「じゃあ、どうするの?」
私「最初のときに、『微分・積分入門』と、『数Ⅲ方式ガロアの理論』の合わせ技一本で、証明できると、言ったでしょう」
麻友「そんなことを、言ってたわね。『数Ⅲ方式ガロアの理論』に、証明があるの?」
私「『数Ⅲ方式ガロアの理論』の第14章は、『ウェアリングは知っている』という題だ。まさに、ウェアリングこそ、この対称式に関する基本定理を証明した人なのだ。この本では、1章さいて、証明している」
麻友「数学って、進めば進むほど、面白くなるのは、分かる。でも、自分の知識を、整理できないのよ。どこまでも、戻って、チェックしなければ、ならないみたいで・・・」
私「それは、どんなに優秀な数学者でも、抱えている問題だよ。『これを、自分は、ちゃんと証明したのだろうか』と、心配になる。だから、自分なりにまとめたノートを、書くようになる。そのノートも信じられなくなるのは、ちょっと数学から、離れすぎだね。私は、いくつか起点を、持っている。ひとつは、高校までに習ったことは、もう大丈夫でしょう。という起点で、『数Ⅲ方式ガロアの理論』は、この基準で、読んで行っている。それから、『数学基礎概説』で読んだところまでは、大丈夫でしょうという起点がある。これは、最近、頼るのが、辛くなってきている」
麻友「えっ、どうして、頼れないの?」
私「『数学基礎概説』は、結構読みにくい本だった。だから、証明しなければならないことが、有限個だった場合は、全部総当たりで、証明したりした。証明自体はあるんだけど、その事実の本質が分かっていないようで、気になっている部分が、何カ所かある」
麻友「じゃあ、そこだけ、証明を、改良したら?」
私「そんなに、簡単じゃ、ないんだよね。麻友さんだって、『大丈夫かな?』って、思うんだろ? 私は、麻友さんの10倍以上、数学を知ってるんだから、その全体を、きちんと建設するのは、かなり、難しい」
麻友「じゃあ、どうしたいの?」
私「私は、神様から、時間をもらった。だから、一番理想的な、築き方ができるんだ」
麻友「一番理想的な、築き方って?」
私「論理学に関しては、安井邦夫の『現代論理学』、集合論に関しては、大芝猛の『数学基礎概説』、倉田令二朗の『数学基礎論へのいざない』『入門数学基礎論』、倉田令二朗、篠田寿一『公理論的集合論』を、もう一度、頭を整理しながら読み直そうと思っている」
麻友「何のために?」
私「何のためって、数学をきちんと築くためだよ」
麻友「どうして、集合論を完璧に分かってないと、数学が、できないの?」
私「ああ、そうか。私は、さすがにフォーシングはまだ分かってないが、集合論は、ほとんど分かってるんだ。だったら、もう他の数学に、どんどん挑戦すれば、良いんだな。まずは、『数Ⅲ方式ガロアの理論』。その後、ブルバキの代数以下に挑戦したって、いいんだよな」
麻友「太郎さんは、結局、何をしたかったの?」
私「結局、『実数』というものが、きちんとしたものかどうか、気になってたんだ」
麻友「それは、解決したの?」
私「してない」
麻友「エーッ! じゃあ、後で、攻めてくるかも知れない」
私「実数に関しては、この本に、一応完成形が、書いてあるらしい」

Proof Theory: Second Edition (Dover Books on Mathematics)
- 作者:Takeuti, Gaisi
- 発売日: 2013/02/20
- メディア: ペーパーバック
麻友「どういう本なの?」
私「『高階の論理のカット消去定理』が、証明されているらしい」
麻友「そうなると、どうなるの?」
私「実数論、さらに言うと、解析学の無矛盾性が、証明できるらしい」
麻友「それは、確かに、太郎さんがやりたかっただろうことは、分かる。でも、それは、もう、証明されちゃってる。太郎さんは、本当は、もっとどんどん計算したりして、新しいことを、開拓する方が、好きなんじゃない?」
私「そうなんだ。私が、ブルバキ全巻持ってたり、『アーベル多様体』を、買ったり、色んな物理学への応用の本を買ったのは、もっともっと新しいことを、開拓したかったからなんだ。ブルバキの最初の3巻に書いてあることに、拘っていたいわけでは、ないんだ」
麻友「ああ、良いこと、言った。じゃあ、太郎さん、眺めてるだけじゃなくて、まず、『数Ⅲ方式ガロアの理論』を、読みなさい。その後、本気で、ブルバキ最初から、読んじゃいなさいよ。現代的でないのなら、太郎さんが、好きなように、書き直しなさいよ。3冊くらいなら、どうやって読んだって、3年以内で終わるわよ。その後、ブルバキを、最後まで、読みなさいよ。そうすれば、いわゆる、基礎知識が、きちんと付くでしょう。もう恐いものないわ。神様がくれた時間を、こう使えば、何かの役に、立てられるかも知れないわ」
私「ひとつの新聞だけを見て、こんなことを言うのは、危険だけど、今日の朝日新聞の朝刊の一面トップは、妊婦の血液から採取した胎児のDNAを調べて、遺伝病などを調べることを、問題にしていた。もちろん、子供を産もうかどうかと考えている、夫婦にとって、重要なことだ。一方、3面を開いたら、仮想通貨(今後、暗号資産と呼ばれるのかも知れないが)についての記事があった。私が、お金について、考えていることに、かなり近い。こうして、その新聞をみていると、各国が軍備を整えていて、戦争が起きるかも知れない、などと言うことは、とても、考えられないように、思える。今の社会に、もう戦争は起きないんだ、と、言っても良いのだろうか?」
麻友「太郎さんは、極端なのよね。でも、太郎さんくらい、一気に見方を変えられる人も、ときには、必要でしょうけど。でも、戦争は、当分起きないわ。それが、分かってるから、仮想通貨なんていうものが、取り上げられるようになったのよ」
私「そりゃそうだね。戦争が起こりそうな国と、仮想通貨で、貿易なんて、できないものね。麻友さん、鋭い」
麻友「太郎さん、暇すぎて、ボケてるのよ。私と結婚したら、もっと鍛えるわよ」
私「よろしく。まずは、9月24日、楽しみにしてるよ」
麻友「じゃあ、待ってるわ」
私「じゃあ、今日は、おしまい」
麻友「ばいばい」
現在2019年8月17日20時50分である。おしまい。