相対性理論を学びたい人のために

まだ一度も相対性理論を勉強したことのない人は、何か一冊相対性理論の本を読みかじってみて、なぜこんなことが?という、疑問を持ってからこのブログに来てください。ブログの先頭に戻るには表題のロゴをクリックしてください

『数学』というゲーム(その13)

 現在2019年8月16日19時44分である。

麻友「もう、半分過ぎてるのでしょう。最後まで、頑張って、証明しちゃったら」

私「よし、頑張ってやってみよう」


 前回の証明の最後から。

{0}{\theta} の根でないから {c_r \neq 0} である.そこで

{\displaystyle f(x)=\frac{c^s x^{p-1} \{\theta(x) \}^p}{(p-1)!}}

とおこう.ここで {s=rp-1 } で, {p} は任意の素数とする.また

{F(x)=f(x)+f'(x)+\cdots +f^{(s+p)}(x)}

と定義しよう.ここで {f^{(s+p+1)}(x)=0 } に注意する.前と同様にして

{\displaystyle \frac{d}{dx}\{ e^{-x}F(x) \} =-e^{-x} f(x)}

を得る.よって

{\displaystyle e^{-x}F(x)-F(0)=- \int_0^x e^{-y} f(y)dy.}

ここで {y=\lambda x }とおけば

{\displaystyle F(x)-e^x F(0)=-x \int_0^1 e^{(1- \lambda ) x}  f(\lambda x) d \lambda .}

{x}{\beta_1 , \cdots , \beta_r } 上にわたって動かしてその和をとると,{(3)} から

{\displaystyle \sum_{j=1}^r F(\beta_j)+kF(0)=- \sum_{j=1}^r \beta_j \int_0^1 e^{(1- \lambda) \beta_j} f( \lambda \beta_j) d \lambda~~~~~~~~~~~~~~~~~~~(4)}

を得る.ここで,十分大きいすべての {p} に対して左辺は {0} でない整数となることを以下に示そう.さて {0 < t < p} ならば

{\displaystyle \sum_{j=1}^r f^{(t)} (\beta_j)=0.}

次に {0} でない項を得るには,{\{ \theta (x) \}^p} を少なくとも {p}微分しなければならないから {p \leq t \leq s+p } なる {t} に対して各微分 {f^{(t)} (\beta_j)}{p} を因数にもつ.そのような任意の {t} に対して

{\displaystyle \sum_{i=1}^r f^{(t)} (\beta_j)}

は次数が {s} 以下の {\beta_j} の対称式である。



 研究者注

 最後の式は、テキストでは、上のようにシグマの和が、{i} に付いて取られているが、正しくは、

{\displaystyle \sum_{j=1}^r f^{(t)} (\beta_j)}

である。


 注終わり




私「ごめん。眠くなって来ちゃった」

私「やっぱり、 {\pi} の超越性は、大定理だ」

麻友「次回に回すのね」



 現在2019年8月17日17時05分である。

麻友「証明、続けたら?」

私「分かった。今日こそ終わりだ」



 したがってそれは,定理 2.9により次数が {s} 以下の係数 {c_i/c} に関する多項式である. {f(x)} の定義における因子 {c^s} により,上の式は整数となる.よって {t \geq p} のときは,適当な {k_t \in \mathbb{Z}} に対して

{\displaystyle \sum_{j=1}^r f^{(t)}(\beta_j)=pk_t}

と書ける.さて {F(0)} に注目しよう.適当な {l_t \in \mathbb{Z}} に対して


{f^{(t)}(0)=\left\{ \begin{array}{l}
\displaystyle 0 ~~~(t \leq p-2) \\
c^sc_r^p~~~(t=p-1)\\
l_tp~~~(t \geq p) \end{array} \right.}

したがって {(4)} の左辺はある {K \in \mathbb{Z}} に対して

{Kp+kc^sc_r^p}

となる.ところで,{k \neq 0 ,c \neq 0, c_r \neq 0} であるから

{p > \max ( k,|c|,|c_r| )}

となるように素数 {p} を選べば,{(4)} の左辺は {p} で割り切れない整数となるから,それは {0} ではない.

 証明の最後の部分は,もうきまりきったものである:{(4)} の右辺を評価する.さて

{\displaystyle |f( \lambda \beta_j)| \leq \frac{|c|^s |\beta_j|^{p-1}(m(j))^p}{(p-1)!}}

ここで、{\displaystyle m(j)=\sup_{0 \leq \lambda \leq 1} |\theta( \lambda \beta_j)|}

したがって

{\displaystyle \biggl|- \sum_{j=1}^r \beta_j \int_0^1 e^{(1- \lambda) \beta_j} f( \lambda \beta_j) d \lambda \biggr|}

{\displaystyle \leq \sum_{j=1}^r \frac{|\beta_j|^p |c^s||m(j)|^p B}{(p-1)!}}

ここで

{\displaystyle B=\max_j \biggl|\int_0^1 e^{(1-\lambda)\beta_j} d \lambda \biggr|}

よって上の式は {p \rightarrow \infty } のとき {0} に収束する.これはいつものように矛盾だから, {\pi}超越数である.

証明終わり

                         1990.6.21 理解できた


私「終わったー」

麻友「太郎さんでも、こんなに、しんどいのね」

私「そりゃまあ、1882年まで、証明されてなかったことだから、中学や高校で習うこととは、比較にならない」

麻友「途中で、定理2.9とかいって、引用していた定理があったけど」

私「その定理の証明は、この本にないんだ」

麻友「じゃあ、どうするの?」

私「最初のときに、『微分積分入門』と、『数Ⅲ方式ガロアの理論』の合わせ技一本で、証明できると、言ったでしょう」

麻友「そんなことを、言ってたわね。『数Ⅲ方式ガロアの理論』に、証明があるの?」

私「『数Ⅲ方式ガロアの理論』の第14章は、『ウェアリングは知っている』という題だ。まさに、ウェアリングこそ、この対称式に関する基本定理を証明した人なのだ。この本では、1章さいて、証明している」

麻友「数学って、進めば進むほど、面白くなるのは、分かる。でも、自分の知識を、整理できないのよ。どこまでも、戻って、チェックしなければ、ならないみたいで・・・」

私「それは、どんなに優秀な数学者でも、抱えている問題だよ。『これを、自分は、ちゃんと証明したのだろうか』と、心配になる。だから、自分なりにまとめたノートを、書くようになる。そのノートも信じられなくなるのは、ちょっと数学から、離れすぎだね。私は、いくつか起点を、持っている。ひとつは、高校までに習ったことは、もう大丈夫でしょう。という起点で、『数Ⅲ方式ガロアの理論』は、この基準で、読んで行っている。それから、『数学基礎概説』で読んだところまでは、大丈夫でしょうという起点がある。これは、最近、頼るのが、辛くなってきている」

麻友「えっ、どうして、頼れないの?」

私「『数学基礎概説』は、結構読みにくい本だった。だから、証明しなければならないことが、有限個だった場合は、全部総当たりで、証明したりした。証明自体はあるんだけど、その事実の本質が分かっていないようで、気になっている部分が、何カ所かある」

麻友「じゃあ、そこだけ、証明を、改良したら?」

私「そんなに、簡単じゃ、ないんだよね。麻友さんだって、『大丈夫かな?』って、思うんだろ? 私は、麻友さんの10倍以上、数学を知ってるんだから、その全体を、きちんと建設するのは、かなり、難しい」

麻友「じゃあ、どうしたいの?」

私「私は、神様から、時間をもらった。だから、一番理想的な、築き方ができるんだ」

麻友「一番理想的な、築き方って?」

私「論理学に関しては、安井邦夫の『現代論理学』、集合論に関しては、大芝猛の『数学基礎概説』、倉田令二朗の『数学基礎論へのいざない』『入門数学基礎論』、倉田令二朗、篠田寿一『公理論的集合論』を、もう一度、頭を整理しながら読み直そうと思っている」

麻友「何のために?」

私「何のためって、数学をきちんと築くためだよ」

麻友「どうして、集合論を完璧に分かってないと、数学が、できないの?」

私「ああ、そうか。私は、さすがにフォーシングはまだ分かってないが、集合論は、ほとんど分かってるんだ。だったら、もう他の数学に、どんどん挑戦すれば、良いんだな。まずは、『数Ⅲ方式ガロアの理論』。その後、ブルバキの代数以下に挑戦したって、いいんだよな」

麻友「太郎さんは、結局、何をしたかったの?」

私「結局、『実数』というものが、きちんとしたものかどうか、気になってたんだ」

麻友「それは、解決したの?」

私「してない」

麻友「エーッ! じゃあ、後で、攻めてくるかも知れない」

私「実数に関しては、この本に、一応完成形が、書いてあるらしい」

Proof Theory: Second Edition (Dover Books on Mathematics)

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  • 作者:Takeuti, Gaisi
  • 発売日: 2013/02/20
  • メディア: ペーパーバック

麻友「どういう本なの?」

私「『高階の論理のカット消去定理』が、証明されているらしい」

麻友「そうなると、どうなるの?」

私「実数論、さらに言うと、解析学の無矛盾性が、証明できるらしい」

麻友「それは、確かに、太郎さんがやりたかっただろうことは、分かる。でも、それは、もう、証明されちゃってる。太郎さんは、本当は、もっとどんどん計算したりして、新しいことを、開拓する方が、好きなんじゃない?」

私「そうなんだ。私が、ブルバキ全巻持ってたり、『アーベル多様体』を、買ったり、色んな物理学への応用の本を買ったのは、もっともっと新しいことを、開拓したかったからなんだ。ブルバキの最初の3巻に書いてあることに、拘っていたいわけでは、ないんだ」

麻友「ああ、良いこと、言った。じゃあ、太郎さん、眺めてるだけじゃなくて、まず、『数Ⅲ方式ガロアの理論』を、読みなさい。その後、本気で、ブルバキ最初から、読んじゃいなさいよ。現代的でないのなら、太郎さんが、好きなように、書き直しなさいよ。3冊くらいなら、どうやって読んだって、3年以内で終わるわよ。その後、ブルバキを、最後まで、読みなさいよ。そうすれば、いわゆる、基礎知識が、きちんと付くでしょう。もう恐いものないわ。神様がくれた時間を、こう使えば、何かの役に、立てられるかも知れないわ」

私「ひとつの新聞だけを見て、こんなことを言うのは、危険だけど、今日の朝日新聞の朝刊の一面トップは、妊婦の血液から採取した胎児のDNAを調べて、遺伝病などを調べることを、問題にしていた。もちろん、子供を産もうかどうかと考えている、夫婦にとって、重要なことだ。一方、3面を開いたら、仮想通貨(今後、暗号資産と呼ばれるのかも知れないが)についての記事があった。私が、お金について、考えていることに、かなり近い。こうして、その新聞をみていると、各国が軍備を整えていて、戦争が起きるかも知れない、などと言うことは、とても、考えられないように、思える。今の社会に、もう戦争は起きないんだ、と、言っても良いのだろうか?」

麻友「太郎さんは、極端なのよね。でも、太郎さんくらい、一気に見方を変えられる人も、ときには、必要でしょうけど。でも、戦争は、当分起きないわ。それが、分かってるから、仮想通貨なんていうものが、取り上げられるようになったのよ」

私「そりゃそうだね。戦争が起こりそうな国と、仮想通貨で、貿易なんて、できないものね。麻友さん、鋭い」

麻友「太郎さん、暇すぎて、ボケてるのよ。私と結婚したら、もっと鍛えるわよ」

私「よろしく。まずは、9月24日、楽しみにしてるよ」

麻友「じゃあ、待ってるわ」

私「じゃあ、今日は、おしまい」

麻友「ばいばい」

 現在2019年8月17日20時50分である。おしまい。