現在2020年1月20日21時46分である。
麻友「ああ、良かった。入院じゃなかったのね」
私「辛くも、逃げ切った」
麻友「危なかったの?」
私「今日は、書き切れないだろうけど、『量子テレポーテーション』という本を、見ていたんだ」
古澤明『量子テレポーテーション』(講談社ブルーバックス)
麻友「それで?」
私「ちょっと、唐突だけど、量子力学というので、すべてのものは、粒子であると共に、波だって、言うよね」
麻友「太郎さんは、そう言ってた」
私「じゃあね、例えば、麻友さんが、12時きっかりに、コンサートを始めたとして、麻友さんは、12時から、舞台にいたのだろうか?」
麻友「えー、また相対性理論?」
私「あっ、今、相対性理論の時間がずれるは、置いといて」
麻友「じゃあ、12時きっかりから、舞台にいたかも」
私「ところが、そうじゃないんだね」
麻友「どうして、そうじゃないの?」
私「麻友さんという人だって、体が、原子とかでできているんだから、粒子であると共に、波なんだ」
麻友「波だと、なぜ、12時でないの?」
私「波なんだからさ、麻友さんは、ここにいますって、断定できないじゃない。少し、広がっている」
麻友「馬鹿にしてるの?」
私「馬鹿にしてない。例えば、海だったら、津波が来るっていうとき、これが津波ですって、テレヴィや動画で見せるけど、まさにこれが、今回の津波ですって、矢印で一点を示せる?」
麻友「なんで、一点を示す必要があるの? 津波っていうのは、あの大きいもの自体じゃない」
私「そういうことなんだよ。麻友さんっていうのも、大きさのあるものなんだよ」
麻友「それを、言いたかっただけ?」
私「そうじゃない。麻友さんが、ドラマ『サヨナラ、えなりくん』をやってた、2017年5月1日から7月3日頃、私が、もうちょっとで入院、という状態になったんだ。そのとき私が考えていて、ノートに書いたはずなんだけど、今見つからないんだけど、こういうことが、あったんだ」
麻友「どんなこと?」
私「女の人って、例えば、中絶したり、死産だったり、或いは、生まれた後、子供が死んだ場合など、とにかく、自分の子供が死んだ場合、
『あの子が、戻ってこないだろうか?』
と、ずっと思っているのでは、ないだろうか?」
麻友「えっ、いきなり、題名とリンクしてきたけど」
私「それがね、戻ってこさせるために、どうすれば、いいか? って、考えていたんだよ」
麻友「できるの? そんなこと?」
私「麻友さん。さっき、津波は、大きいもの自体じゃない、と、言ったね。そうなんだよ。死んだ子も、大きさがあるんだよ」
麻友「そりゃ、1メートルくらいでしょうけどね」
私「どうして、1メートルだと思うの?」
麻友「だって、人間だから」
私「海の場合、あの津波を、構成していたのは、海の水分子全体じゃない。それが分からない?」
麻友「チリの水分子も関与したとは、思えないけど、もしあの津波を、構成してたのが、海の水分子全体だとしたら?」
私「そうだとしたら、チリの水分子の振る舞いを、丁寧に調べたら、例えば、福島に、津波が起きると、分かるのでは、ないだろうか?」
麻友「それは、メチャクチャだと思うけど、そうだとしたら、死んだ子が、取り戻せるの?」
私「その死んだ子の波を、高精度な望遠鏡で、見つけられたとしたら、どうだろう?」
麻友「例えば、どんな望遠鏡?」
私「ほらっ、ニュートリノ見つけるために、純水を、3千トン貯めて作った、カミオカンデと、その後さらに、5万トンに拡大した、スーパーカミオカンデ」
麻友「えっ、ニュートリノって、人の心だったの?」
私「それは、麻友さんが、言ったことだよ」
麻友「まだ分からないんだけど、あの望遠鏡で見て、何が分かるの?」
私「今、情報科学って、すごくもてはやされてるから、私より詳しい人が、多いと思うんだけど、とにかく、見つけたい子供の波の情報を、ちょっとずつ集めるんだよ」
麻友「集めるって、どういう風に?」
私「例えば、『取り敢えず、顔がどんなかだけ、分かりました』みたいに、少しずつ、分かるのかも知れない」
麻友「なんだ、肉体は、ないのか。画像だけか」
私「そんなこといったら、麻友さんと私、肉体的には、一度も接触してないよ、目を見合ったこともない。それでも、お互い魅かれ合っているのが、分かる」
麻友「太郎さん。22時44分よ。もう寝なきゃ」
私「分かった。寝るよ」
麻友「じゃあ、おやすみ。量子力学のことも、考えているのね」
私「うん。おやすみ」
現在2020年1月20日22時55分である。おしまい。