現在2020年2月15日14時32分である。
麻友「そういえば、問題5と問題6なんてのも、出されていたわね」
若菜「教員採用試験から、 が無理数だと示せとか」
結弦「1メートルを、大雑把に測れというのもあったな」
私「やっぱり、若いと、覚えているな。その若いときの記憶力は、詩を暗唱するのなどに、活かすといいぞ」
麻友「太郎さん。漢詩を暗唱できるのよね」
私「もう『ホーキング・エリス』は、完成してて、私が訳せなかったのも、なんとかなったから、安曇野へ社長宅に招かれたときの話を書いても、戦友も怒らないだろう」
若菜「漢詩と関係あるのですか?」
私「中学の頃から、いくつも漢詩を見てきているが、月を詠んだ漢詩は多いが、星を詠んだ漢詩は少ない。私が暗唱しているのは、李白(りはく)の『望廬山瀑布(ろざんばくふをのぞむ)』という七言絶句ただひとつだ。そこで、安曇野に着いて、社長に色々案内してもらった後、ホテルに着いて、温泉の湯船に浸かりながら、真面目に、『私は、統合失調症で、発病の原因のひとつは、失恋です。渡辺麻友さんを好いていますから、訳出の途中で、振られれば、再発の可能性もあります』と、話した。その後、『プレアデス出版ですから、星がお好きなのですね。でも、中国の漢詩で、星を詠んだ漢詩は、少ないんですよ。月を詠んだ漢詩は、例えば、
挙 牀
頭 前
望 看
山 月 静
月 光
夜
低 疑
頭 是 思
思 地
故 上
郷 霜
李
白
李白の静夜思(せいやし)という五言絶句(ごごんぜっく)『牀前(しょうぜん)月光をみる、疑うらくは、これ地上の霜(しも)かと、頭を(こうべを)あげて山月(さんげつ)を望み(のぞみ)、頭をたれて故郷を思う』
という漢詩がありますし、他に、『子夜呉歌(しやごか)』、『竹里館(ちくりかん)』、『蛾眉山月歌(がびさんげつのうた)』、『楓橋夜泊(ふうきょうやはく)』にも、月は詠まれています。でも、星はほとんどないんです』と、『静夜思』を暗唱した」
結弦「お父さん。漢字まで完璧におぼえているの?」
私「メロディーで、覚えている。漢字は、漢詩の本から、今写した」
若菜「漢詩も、百科事典とか、持っているんですか?」
私「私は、そこまでは、してないよ。高校のときの、漢詩の参考書、一冊だけ」
麻友「でも、いくつも暗唱してる。好きだったのね」
私「数学と違って、命かけてないから、気楽に覚えられる」
結弦「お父さん、数学も、その程度にすればよかったのに」
私「星を詠んだ漢詩が少ないからと、ムキになるところに、科学に対する私の姿勢が表れている」
若菜「さっき言ってた、星を詠んだ漢詩ですか?」
私「お風呂から上がって、夕食を食べながら、『さっきは、月の漢詩でしたが、私が知っている唯一の星を詠んだ漢詩は、
飛 日
流 照
直 香 望
下 炉
三 生 廬
千 紫
尺 煙 山
疑 遥
是 看 瀑
銀 瀑
河 布 布
落 挂
九 長
天 川
李
白
李白の『望廬山瀑布(ろざんばくふをのぞむ)』という漢詩で、『日は香炉(こうろ)を照らして紫煙(しえん)を生ず、遥かに看る(みる)瀑布(ばくふ)の長川(ちょうせん)を挂(か)くるを、飛流(ひりゅう)直下三千尺(ちょっかさんぜんじゃく)、疑うらくはこれ、銀河の九天(きゅうてん)より落つるかと』
というのしか、知らないですね』と、暗唱したので、戦友は、ビックリした」
結弦「そりゃー、びっくりするよ。お母さんだって、この投稿読んで、びっくりしてるでしょ」
麻友「太郎さんって、そういう人なの。上の『香炉というのは?』と、聞くだけで、清少納言まで、語ってくれるのよ。瀑布っていうのは、滝よね」
私「そうだよ。漢詩って、中国の文法で書かれてるのに、訓点を打つと、日本語として読めるって、凄いよね」
若菜「数学も、訓点を打って、誰でも読めるように、できませんか?」
私「訓点ではないけど、推論規則は14個だけ、公理は24個だけにして、それだけを使って、現代の数学の99パーセントを、書き切るという試みを、始めているんだ。日本語を読んでて、どうしても分からないときというのは、ある意味高級言語のプログラムが読めなくて分からない場合だ。そういうとき、そのプログラムを逆アセンブルすれば、アセンブリソース言語の、足し算とか、メモリから読み出しなどだけの、幼稚園生レヴェルの文法の、ニーモニックになる。時間は掛かるけど、そのプログラムが、何をしようとしているか分かる。ウィルスプログラムでも、内容が読めてしまう。数学で、それをやるのだが、数学ができない人、特に数学が嫌いな人というのは、数学のために努力しようという気がない。そんな人間は、相手にしなくとも良いのだが、数学で、分からなかったことが分かった、というときの喜びを、何度か味わったら、病み付きになるんだけどね。その一番下の段階の言葉で、数学を書いたのが、ブルバキの『数学原論』なんだけど、私は、それが絶版にならない世の中にしたい」
麻友「太郎さんは、星の集まり、つまり銀河で、満足したのね。前から気になってるんだけど、『天の川銀河』っていう言葉が、あるじゃない。『銀河銀河』って言ってる気がしない?」
私「ああ、天の川、つまり、空の綺麗なところで、ミルクをこぼしたように、空に、広がっている白い帯を、天の川って言って、これを、銀河とも呼んでいる。星の流れのようだから。一方で、星がたくさん集まった、アンドロメダ大星雲のようなものも、銀河と呼ぶ。だから、『天の川銀河』は、『銀河銀河』みたいに言っているように、思うのだろう。これは、『天の川銀河』という言葉の由来を、考えると解ける謎だ。銀河というのは、たくさんあるんだよ。アンドロメダ大星雲も、オリオン座大星雲も、この銀河系も。そして、それらの中で、私達がいる銀河、これを普通、銀河系というのだけど、これを、特に指していう場合は、この銀河系の中に、我々が実際いるので、周りの星達が、グルッと一周帯のように、密になって見える、天の川になってるので、天の川として見える銀河ということで、『天の川銀河(あまのがわぎんが)』と、呼ぶんだよ」
麻友「銀河系と言っても良いのね?」
私「そうだよ」
結弦「問題は?」
私「そうだったね。問題5、麻友さん解いた?」
麻友「これが、解けないと、高校生になれないのよね。中学で習う、標準的な解き方をしたわ」
問題5.
は無理数である事を証明せよ.
(岩手県高校教員採用試験)
(梶原壤二『改訂増補 独修微分積分学』(現代数学社)p.20 問.14 より)
麻友さんの解答
が、有理数であるとする。これは、『 が無理数でないとする』というのとは、同値でないと、太郎さんは、言ってたわね。
有理数だとすると、既約な整数 を用いて、
と表せる。
ここで、両辺2乗する。
となる。
両辺に をかけて、
ここで、左辺は3の倍数だから、右辺の も、3の倍数。3は素数だから、これ以上分けられない。だから、 の両方の が、3の倍数。従って、整数 を用いて、
と、書ける。この を、 に代入すると、
となる。両辺を、3で割ると、
となり、 は、3の倍数となる。改めて、3は素数だから、 が、3の倍数なら、これ以上分けられないので、両方の が、3の倍数である。
ここで、私達は、
有理数だとすると、既約な整数 を用いて、
と表せる。
としていた。
整数 は、既約なはずだった。つまり、最大公約数は、1のはずだった。ところが、 の両方が、3の倍数だという結論が得られた。これは、仮定と矛盾している。
従って、仮定は、誤りであり、既約な整数 によって、
とは、表せない。
証明終
麻友「どうかしら」
私「お見事。特待生らしい、素直な解答だ」
麻友「本の模範解答は?」
梶原さんの模範解答
背理法によって証明し, が有理数であることより矛盾を導きだす. が有理数であれば,二つの自然数 の商として で表される.この時, の最大公約数を とし,, とおくと, も自然数で、 以外の共通の因数を持たない,すなわち,互に素である.この様に修正した に対して が成立し,両辺を自乗して .移項して, . は素数で, を割るので, 自身を割らねばならない.したがって の による商 は自然数であり, .これを に代入して, ,すなわち, と同じ式を得るので, の による商 は自然数であり, .この様にして, を得るが,これは が の公約数であることを意味し, が互に素である様に作ったことに反し,矛盾である.ゆえに は有理数でなく,無理数でなければならない.
麻友「やっぱり、私のより、厳密ね」
私「最初から模範解答を書けるようになろうと、思わない方がいいよ。数学を楽しむことの方が、長続きさせるには、重要だよ。麻友さんの解答も、十分厳密だよ」
麻友「問6は?」
私「こんなのだったよね」
問題6.
1メートルという長さを、物差しや、メジャーがなくても、大雑把に測る方法を、探してみよ。(余り悩みすぎなくて良い)
麻友「こんなのを、考えたわ。
麻友さんの解答
私は、身長が156cm。だから、頭のてっぺんから地面まで、紐をたらして、156cmだけ測り取って、その後3分の2にする。
どうかしら?」
私「それで、良いんだよ。グッド」
若菜「お父さんの解答は?」
私「昔、中学生くらいの頃、ハイキングの心得が書いてある本で、読んだことなんだ。
私の解答
まず、右手を、右にまっすぐ伸ばすんだ。そうして、左手を左にまっすぐ伸ばすと、180cm近くなるんだけど、ここで、左手を肘から180度右手の側に戻して、胸の前に持ってくると、右手の指先から、左手の指先までが、誰でも大体、1mになるっていうんだ。読んだとき、実際に試したら、本当にそうなったので、それ以来、活用してる。
どうかな」
結弦「なんだ、お父さんの解答も、そんな、いい加減なのだったんだ」
私「だから、余り悩みすぎなくて良いって、書いたじゃない」
若菜「20パーセントくらい違っててもいいんですね。お父さんの問題は」
私「オーダー、つまり、数値の位(くらい)が、合ってればいいんだよ」
麻友「わかったわ。新しい問題?」
今回の問題は、次のものとする。
問題7.
次の計算をした結果として正しいものを,それぞれあとの1~4の中から1つ選び、その番号を答えなさい。
1. 2. 3. 4.
(2020年神奈川県公立高校入試 共通問題 数学より問1(ウ)から採用)
問題8.
麻友さんのありったけの知識を総動員して、インターネットや本を見ずに、地球の重さが何キログラムくらいか、推計せよ。(もの凄く大雑把で良い)
麻友「うわー、今年の高校入試問題。絶対解けなきゃいけないわよね」
若菜「私、解けましたよ」
結弦「ルートだって分かるぞ、と言ったら、出してきた」
私「若菜、高校合格だな」
麻友「私達は、結婚後、神奈川県に住むことに、なってるの?」
私「そもそも、結婚するかどうかも、決まってないし、自由に想像してて、いいんだよ」
麻友「まだ、決まってないというのは、不安でもあるけど、自由で気持ちのいいものね。太郎さんが拘束してこなかったのを、感謝しているわ」
私「じゃあ、これで、投稿するよ」
麻友「分かったわ」
私「じゃあ、解散」
若菜・結弦「バイバイ」
麻友「バイバイ」
私「じゃあね」
現在2020年2月16日13時44分である。おしまい。