現在2020年6月2日10時49分である。
麻友「昨日は、寝ちゃったわね。でも、太郎さんは障害者なんだから、それで、良いのよ。再発したら、また入院よ」
私「それは、分かってる。病気と仲良く生きていかなければ、私は、駄目なんだと、残念だけど、認めるようになった」
麻友「それはそうと、40番を、かけて」
私「分かった」
モーツァルト交響曲第40番ト短調K.550
カール・ベーム指揮/ベルリンフィルハーモニー管弦楽団
モーツァルト 交響曲 第40番 ト短調 k 550 ベーム /ベルリンpo. Mozart Symphony No.40
麻友「それで、富士通のコマーシャルの話だったけど」
私「聴いた感じでは、バーンスタインだけど、
と、テロップが流れるのだった」
麻友「どうして、カール・ベームを、選んだのでしょうね」
私「これ、独自見解なんだけど、2012年に死んじゃった、音楽評論家の吉田秀和(よしだ ひでかず)に、相談したんだろうと思うんだ」
麻友「エッ、どうしてそんな説が、生まれるの?」
私「ときどき登場する母方の祖父。つまり、パイロットになった祖父が、ベートーヴェン(の特に第5)が好きで、吉田秀和全集の第1巻と第2巻だけ持ってたんだ」
- 作者:吉田 秀和
- 発売日: 1999/06/01
- メディア: 単行本
私「それで、『英雄』のところを読んでいたら、
『この曲の冒頭、数十小節に関して、カール・ベームがウィーンフィルハーモニー管弦楽団を振った演奏以上のものを、私は知らない』
と、書かれているんだよ」
麻友「凄い褒め方ね。太郎さんも、そう思う?」
私「それがねえ、コマーシャルでも使われたんだからと思って、中学3年の終わり頃だったかなあ、フルトヴェングラー、カラヤン、に続いて、3番目の『英雄』のCDとして、カール・ベーム指揮/ウィーンフィルハーモニー管弦楽団の『英雄』を、買ったんだけどねえ、コマーシャルみたいな、『オッ、スゴイ』、という演奏じゃ、ないんだよ」
麻友「太郎さん的に、『英雄』の出だしの良い演奏って、どれなの?」
私「イッセルシュテット、ミュンシュ、バーンスタインの3人だね」
麻友「ああ、だから、コマーシャルのが、バーンスタインみたいだったから、良いと思ってたのね。ところが、カール・ベームのは、違ってた」
私「まあ、そういうこと」
麻友「カール・ベームは、他にCD出してないの?」
麻友「解けなくてもいい謎だけど、いつか、解けるかもね」
私「さて、モーツァルトの交響曲第40番に、戻ろう。この曲は、かなりの回数聴いている。『英雄』の2000回以上は別格だが、ベートーヴェンの第5の1000回以上、モーツァルトの第41番の1000回以上、ヴィヴァルディの『四季』の1000回以上、とほぼ同じくらい聴いていると思う。前橋さんのバッハも、1000回越えてると思うけどね」
麻友「それだけ、聴いていれば、愛着も生まれるでしょうね。どんな指揮者で聴いているの?」
私「最初に聴いたのは、ブルーノ・ワルターの演奏だったんだ。LPレコードで、第41番がB面に入っていた」
麻友「あっ、一番最初の『ベートーヴェン交響曲第1番』のデートのときの第41番のレコードね」
私「良く覚えていたね。大切なレコードだったんだ」
麻友「CDは、19歳のサンタさんまで、買わなかったの?」
私「これには、1つの男の友情物語が、関係しているんだ。中学高校での親友と言っている中学での科学部天文班、高校での生物部での親友は、清水君というのだけれど、私が、高校で、広島に転校することになったとき、最初にそれを話した人だった。私が、生物部で、会計をしていたので、後任を探して欲しいと、部長の彼に、相談したのだった」
麻友「ああ、理由があったのね」
私「それで、高校1年生の後期のある日、彼から、
『生物部からの餞別を考えているんだけど、何か欲しいものはない?』
と、言われて、
『ラファエル・クーベリック指揮のモーツァルトの交響曲第40番第41番のCDが、いいな』
と、メモを渡した。私は、生物部のお別れ会で、もらえるものと思っていたのだが、メモを渡して一週間後くらいに、横浜駅のジョイナスにあったCDショップへ行こうよと言われて、付いて行ったら、ちょっと見てくると言って入っていった彼が、
『クーベリックだったね。はい』
と、プレゼントしてくれたんだ」
麻友「つまり、清水さんからの餞別だったのね」
私「それで、お返しをしようということになったんだけど、彼が、便利なんだけど、かなり傷んだ定期入れを持ってるのを、知っていた」
麻友「便利って?」
私「今の人は、Suicaだから、小銭がなくてもいいじゃない。だけど、あの頃(1987年頃)には、財布を別に持つ必要があった」
麻友「それで?」
私「ところがね、彼は、チャックで空けて、小銭を入れられる、定期入れを持ってたんだ」
麻友「ああ、それで、便利ってことか」
私「いつも、見ていて、便利そうだなあと、思っていた」
麻友「じゃあ、小銭を入れられる、定期入れを探した?」
私「かなり探したんだけど、結局見つけられなかったんだ。それで、普通の定期入れを買って、後でお返しとした」
麻友「清水さんって、相対性理論の本とか、望遠鏡がどれがいいかとか、何度も、登場してるわよね。クーベリックは、どうだったの?」
私「父が、『ハフナー』、『リンツ』を買ってたから、音質に期待していたわけなんだけど、第40番を、かけた途端、有名な、タララン、タララン、タララッラーンの主題の前の、タ~タタという小さな序奏までが、くっきり聴こえて、それだけでも、感動したのを、覚えている」
麻友「えっ、40番の序奏? そんなのあったかしら」
私「一緒になったら、聴かせてあげる」
麻友「あっ、忘れてた。昨日発表した、プロダクション尾木の報告全文を、読んだ?」
私「読んだよ。1カ所、私へのメッセージも込められているかな? という文面もあった。
『憶測でのSNS投稿、記事掲載などお控え頂けますよう伏してお願い申し上げます』
という部分」
麻友「分かってて、私とのデートなんて、書き始めたの?」
私「このブログは、憶測とかいうレヴェルを、超えている。誰も、読んだ人は、真面目になんか取らない。ただひとり、麻友さんのハートにだけ、刺さる矢なんだ。それを、刺さったと感じるのなら、麻友さんは、私を好きなんだ。6年後くらいには、もう結婚という概念も消えるのかも知れないけど、世の中の多くの人がしている、結婚というものを、麻友さんと私も、してみても、いいかもね」
麻友「私のハートにだけ刺さる矢なんて、私が、どれだけそれに、苦しんだか」
私「でも、幸せだっただろう?」
麻友「もう」
麻友「それで、40番の良さは?」
私「『救われたベトゥーリア』みたいな、例外はあったけど、モーツァルトは、生涯で40曲以上の交響曲を書きながら、短調の交響曲は、25番と40番の、2曲しか書かなかった。25番のとき、
この曲の出だしの数小節を聴いただけで、
『人生は、短いぞ!』
という警告を聴いているように、感じる。
と、書いたよね。あれは、17歳のときの作品だった。40番は、32歳のときの作品だ。どうだろう」
麻友「とにかく、心の襞(ひだ)というのかしら、もの凄く複雑になっているし、早熟のモーツァルトと言っても、遥かに成長したな。みたいには、感じるわね」
私「そういう麻友さんも、この5年で、大きく成長した。憶測は書くなということだけど、麻友さんが、ほとんどスキャンダルゼロで、芸能界引退したのは、これからのアイドルを目指す女の子達の良い見本であり、良い手本を示したと言えるな」
麻友「40番が、もの凄い名曲なのは、分かる。でも、モーツァルトは、これで終わりじゃないのよね」
私「そう。40番は、K.550だ。ケッヘル番号は、K.626 まで、あるんだ」
麻友「太郎さん。何歳まで生きるつもり?」
私「私の脳が、ボケるまでは、生きていたいね」
麻友「じゃあ、100歳でも?」
私「うん。数学や物理学って、まだ未解決なことは、あるんだ。それが、役に立つかどうかを別にすればね。だから、楽しみは、まだある」
麻友「太郎さんが100歳まで、生きるのなら、私も77歳までは、ひとりぼっちには、ならないのね。今の矢も心に刺さった」
私「結婚しようよ。本気で言ってるんだよ」
麻友「 - - ここは、麻友さんが、書いて下さい - - 」
現在2020年6月2日14時00分である。おしまい。