現在2020年7月23日17時57分である。
麻友「すぐ、行動を起こすのが、太郎さんね」
私「羽海野チカ(うみの ちか)さんの少女マンガ、『ハチミツとクローバー』を、改めて開いた」
麻友「しまってあったの?」
私「『ハチクロ』は、私が、最初にKindleで買った、マンガだった。マックで、
『家の机のパソコンで読もうとするから、マンガが続かないんだよ。ここで、読もうよ』
と思って、スマホで、ダウンロードして、読み始めた」
若菜「お父さんって、マンガのマスに、新聞が描いてあると、それも読むのだったわね」
私「今回も、そうだよ。ノート取りながら、読んでる」
結弦「えー、どうなるの?」
私「まず、大学生の下宿の描写。少女マンガって、大学生の生活なんて描いてあるものなの?」
麻友「太郎さんの言う、少女マンガって、例えばどんなの?」
私「『アタック・ナンバーワン』、『ベルサイユのばら』、『オルフェウスの窓』、『ガラスの仮面』。『ガラスの仮面』は49巻までだけど、他は、全部読んである」
若菜「これだけですか?」
私「名前が、思い出せるのは、これだけ」
麻友「レディース・コミックを、少し読んであると言ってたけど、それとの区別は、できているわね」
私「レディース・コミックと、分かってて、読んだことがあるのは、大学時代に買った、雑誌くらいだし、今、ネットで、『レディース・コミック』と、検索して引っ掛かるのは、私が読んだことがあるものより、もっと突っ込んだ内容みたいだから、本当にレディース・コミックを読んであると言えるかどうか、ちょっと分からない。ただ、少なくとも、ティーンズラブコミックのひとつ、望月蜜桃(もちづき みもも)の『キミのこと好きにしたい』(まんが王国で1巻が、無料で読める)は、少し読んだことあるけど、これが、少女マンガとは違うことは、分かる」
若菜「女の子だって、大学のこと、知りたい子もいます。大学生のことを描いてても、おかしくないのでは?」
私「おかしい、おかしくない、を、問題にしてるんじゃないんだ。『小学校の麻友さんは、どう思ったのだろう?』というのが、問題なんだ」
麻友「どういう、話を、したいの?」
私「この話の第1ページ。厳密には、Kindleで、196ページあるうちの第7ページで、
『6畳プラス台所3畳フロなし、大学まで徒歩10分』
と、始まる。これを、読んで、麻友さんは、どう思っただろう?」
麻友「言われるまで、そんなことが、書いてあったのは、忘れてたわ」
私「まあ、それでも、いい。実は、京都にいたときの私の下宿は、普通より少し広い、京間の6畳プラス台所3畳フロはなかったが、シャワー室というのを、作ってもらった。海へ行ったとき、ベタベタの体を流す仮の80センチかける80センチくらいのボックスだよ」
麻友「小学校で、読んだときは、そんな描写は、全然分からなかったわ。でも、言われてみれば、丁寧に書いてあるのね」
私「『大学まで徒歩10分』これを、読んだだけで、この下宿は、学生のたまり場になるなと分かる」
若菜「お父さんはどうだったの?」
私「これは、最終的に、私に味方したんだろうけど、大学から徒歩で10分の駅(京阪電鉄の出町柳駅(でまちやなぎえき))から、電車に乗って、20分くらいの鳥羽街道駅(とばかいどうえき)で、降りて、歩いて5分くらいのところの家だった。だから、よっぽど仲の良くなった友達しか、遊びに来なかった」
結弦「寂しかった?」
私「『私は、勉強するために、大学に来たんだ』と思っていたから、寂しいはずはなかった。だが、本当は、寂しかったのかも知れない。だから、クロイツェル・ソナタの女の人とのことも、起こったのかも知れない」
若菜「最近、親友とかの名前を明かしていますが、クロイツェル・ソナタの女の人の実名は?」
私「女の人の名前を明かすと、その人が、その後、結婚してたりすると、どういう悪影響を与えるか、分からないので、もうちょっとあだ名で呼ぶことにする。もうひとり、鶴見のそばに住んでいる親友は、フェラーリの親友を、もう少し使う。ただ、フェラーリを持っているのではなく、その敵のフォルクスワーゲンに、乗っているんだけどね」
結弦「マンガ、第7ページのままなんだけど」
私「さらに、
『築25年家賃3万8千円』
とある。私の下宿も、そんな感じだった」
麻友「じゃあ、今の家の方が、環境は、良いんじゃない」
私「だから、今のうちに、この生活を見ておいてよね、って、言ってるんだよ」
若菜「確かに」
私「その次、
『音はつつ抜け全部屋学生』
これも、ほとんど同じ」
結弦「ちょっと、聴きたいんだけどさ、『音はつつ抜け』って、どれくらい聴こえるの?」
私「夜とかに、大きな音で、ロックとかかけている家があったりすると、他の家から、『うるさいぞ!小さくしろ!』とかいう声が飛んで、その音が、小さくなるとか」
結弦「それが、全部、お父さんに聴こえてるってことは、本当に、全部聴こえてるんだね」
麻友「こういうことは、聴きにくいんだけど、隣の部屋の学生が、彼女連れてくる、なんてことは、ないの? 『W3M∞のシミュレート』で、太郎さん、Aさんが私を、Aさんの下宿に連れて行って、ああいうことを、したって、シミュレートしてるじゃない」
私「あれを、ああ書いておいて、良かったと思っているんだ」
若菜「どういうことですか?」
私「京都の下宿で、もちろん隣の部屋にも、男の人の学生が下宿していて、私が、2時頃、寝ようと思って、布団に入って、眠ろうとしてたときに、その隣の学生が、彼女連れて帰ってきたことがあった。しゃべっている声で、分かるんだ。夜中の2時だよ、当然そういうことを、しようと思ってるのは、私でも、分かる。だけどね、聴こえないんだよ」
麻友「あっ、聴こえないんだ。思い出した。ベートーヴェンピアノ三重奏曲第7番『大公』の初体験の描写でも、結弦が『随分、静かだな』と、言ってる」
若菜「じゃ、女の人が、『あっ、あっ、』と、よがり声を上げるのは、アダルトビデオの演技ですか?」
私「そうなのかも知れない、と、いっとき思っていた。でも、ふたりが本当に高まると、声が出るのは、本当かも知れない」
麻友「どうして、そう思うの?」
私「大学生だった1991年頃から、30年近く経って、今の下宿で、ここでも、音はつつ抜けなんだけど、隣の家が、ときどき、そういうことをやっている、声が聞こえてくるんだ」
麻友「本当に、ふたりが、やってるの?」
私「アダルトビデオを、見ているのかも知れないとも、思っているけど、最後のフィニッシュみたいなところだけ、聴こえる。こういうことが、私が若い頃は、聴こえなかったのに、今聴こえるというのは、人間の耳というものが、単純なものでなく、聴こえるか聴こえないかを、制御しているのではないかと、思った」
麻友「それより、太郎さんの下宿が、監視カメラや盗聴器や壁にスピーカーがあって、太郎さんに仮想現実を、味わわせているんじゃない?」
私「確かに、そうかも知れない。今日、結論を出すのは、よそう。もう、22時11分だ」
若菜「お父さんは、納得できないと、駄目な人ですものね」
私「じゃあ、解散」
現在2020年7月23日22時32分である。おしまい。