相対性理論を学びたい人のために

まだ一度も相対性理論を勉強したことのない人は、何か一冊相対性理論の本を読みかじってみて、なぜこんなことが?という、疑問を持ってからこのブログに来てください。ブログの先頭に戻るには表題のロゴをクリックしてください

等式でなく合同式?

 現在2021年2月6日19時06分である。

麻友「2月3日から、投稿なかったわね」

私「私、戦友から、宿題を出されていたんだ」

若菜「どんな宿題ですか?」

私「『キラキラ星変奏曲(その13)』で、次のようなやり取りをした。



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つまり、リーマン・ゼータ関数の偶数の点での値が、

{\displaystyle \zeta(2n) =\frac{1}{1^{2n}}+\frac{1}{2^{2n}}+\frac{1}{3^{2n}}+\frac{1}{4^{2n}}+\cdots =\frac{2^{2n-1}B_n}{2n!} \pi^{2n}}

と、求まる。具体的に、{n=1}{n=2} とすると、

{\displaystyle \zeta(2) =\frac{1}{1^{2}}+\frac{1}{2^{2}}+\frac{1}{3^{2}}+\frac{1}{4^{2}}+\cdots =\frac{2B_1}{2!} \pi^{2}=\frac{\displaystyle 2 \cdot \frac{1}{6}}{2} \pi^{2}=\frac{\pi^{2}}{6}}

{\displaystyle \zeta(4) =\frac{1}{1^{4}}+\frac{1}{2^{4}}+\frac{1}{3^{4}}+\frac{1}{4^{4}}+\cdots =\frac{2^3 B_2}{4!} \pi^{4}=\frac{\displaystyle 2^3 \cdot \frac{1}{30}}{4!} \pi^{4}=\frac{\pi^{4}}{90}}


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       (『キラキラ星変奏曲(その13)』より)


結弦「覚えてる。この後、タンジェントテイラー展開を求めたんだったね」

若菜「{2n} のところが、奇数の場合は、厳密値が求まっていない。お父さんは、求まらないんじゃないかという予想までしていた」

麻友「求めたの?」

私「数学は、そんなに甘くはない。戦友も、そこまでの、宿題は、出さなかった」

若菜「じゃあ、どんな宿題を?」


私「{2n=0} としたら、どうなる?」

結弦「えっとー、

{\displaystyle \zeta(0) =\frac{1}{1^{0}}+\frac{1}{2^{0}}+\frac{1}{3^{0}}+\frac{1}{4^{0}}+\cdots }

となるけど、

{1^0=1,~~2^0=1,~~3^0=1,~~\cdots}

だから、{1} が、無限個並んで、無限大になっちゃう。つまり、

{\displaystyle \zeta(0) = 1+1+ \cdots =\infty}

だ」

私「結弦のは、中学2年生にしては、できすぎな答えだ。だが、前にも話した、

雑誌『数学のたのしみ・創刊号』

の、78~79ページで、中島さち子さんは、



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ゼータの本質の捉え方や対象とする環の違いなどで,多くの親戚が見えてきます.因みに,

{\displaystyle \zeta(0) =1+1+ \cdots =-\frac{1}{2}}

などには唖然としました.{\displaystyle \zeta(2) =\frac{\pi^2}{6}} だけでも,表面のシンプルで意表をつくような函数が,オイラーたち以来,数論の髄を握っているのは確かに興味深い.でも,いまだに,何か霧に埋もれたゼータの姿がありそうですし,あるいはもっと統合的な,新しい視方がゼータの名前を一新しはしまいかとも思われます.



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          雑誌『数学のたのしみ・創刊号』(日本評論社)(78~79ページより)



と、書いている」

麻友「えっ、それ、誤植なんじゃない? プラスの1を足して、マイナスになるはずないし」

私「そうだな。大学1回生の終わり頃、

吉川圭二『弦の量子論超弦理論への道』(朝倉書店)

弦の量子論―超弦理論への道

弦の量子論―超弦理論への道

で、これと似た、

{\displaystyle \zeta(-1)=1+2+3+\cdots =-\frac{B_1}{2}=-\frac{1}{6} \times \frac{1}{2}=-\frac{1}{12}}


を、見たとき、こういうのを使うのが、超弦理論か、とびっくりしたものなあ。最初は信じられなかったけど、若かったなあ、あの頃は、スポンジが水を吸い込むように、吸収した」

若菜「えっ、これ、合ってるんですか?」

私「量子力学は、虚数単位 {i} を使う。実数だけ考えていては、問題は解けないこともある。だが、今日、私は気付いたんだ。プラスの数を足していって、マイナスになるのは、どう考えてもおかしい」

麻友「何に気付いたの?」

私「小林りんさんまで呼んで、暗号の話をやったことが、あったじゃない」

結弦「ああ、覚えてる。公開鍵暗号とかいうのを、説明してくれた」

私「そのとき、数 {p} で、割ったときの余りが、{a}{b} で、同じだったら、{a \equiv b ~(\mod p)} と、書くという話をしたよね。こう書いて、『{p} を法として、{a}{b} は、合同』と読む」

結弦「それで?」

私「物理学では、これまで、等号が成立つことのみを、大切にしてきた。だけど、さっきの {1} を無限に足すのだって、本当は、この世界の原子の個数なんかが、{\displaystyle \frac{1}{2}} ずつずれていたりして、等式『{=}』でなく、合同式{\equiv}』 で、計算しなければならないのではないかと、気付いたんだ」

麻友「でも、宇宙に、無限にある原子を、{p} 個ずつに、割るなんてこと、できないじゃない」

私「そう、みんな宇宙は無限に広いと思っている。でも、宇宙は有限で、宇宙にある原子も有限個なんだ」

若菜「そうなると、どうなるんですか?」

私「原子の中にも、宇宙の中心にいるのと、外れの方にいるのがある。外れの方から何番目かが、今までの物理学では重要だったけど、これからは、外れから3番目の原子は、こう。外れから4番目の原子はこう、というように、あくまで、個数を重要視するようになり、無限に {1} を足すのも、無限大にならなくなるかも知れない。そう気付いたという報告だよ」

麻友「時刻の刻印は?」

私「2021年2月6日18時57分14秒だよ」

若菜「そろそろ、寝た方が良くないですか」

麻友「新しいことを、ありがとう。おやすみ」

若菜・結弦「おやすみなさーい」

私「おやすみ」

 現在2021年2月6日22時48分である。おしまい。