現在2020年8月19日3時50分である。
麻友「随分早い時間ね」
私「1時31分に、目が覚めた。そのときは、眠れた。だが、2時37分に、また目が覚めて、あまり眠れそうにないから、昨日の続きを書くことにした」
麻友「疲れたら、昼寝するのよ」
私「うん」
若菜「前回は、
と、
を、導くという話で、止まってましたが」
私「三角関数というのは、あの波のグラフの、どこがどれくらいの高さか、というのを、大雑把にでも、把握していないと、何もできない。逆に、それが分かっていると、公式なんて、ほとんど覚えなくて済む。今回の場合でも、次のように、サインとコサインの入れ替えが、あっさりできる」
結弦「 のところから、マイナスの側に、 を増やすと、 の方は、 を、 からたどったグラフになり、 の方は、 を、 からたどったグラフになるということだね。公式を覚える必要は、なかったんだね」
若菜「それを、 に応用すると、
と、なるわけですね」
私「そうだ。 のグラフは、左右ひっくり返して、 ずらしたものになる。もう一度、グラフを持ってくるよ」
麻友「ここから、何をしたいの?」
私「 の、部分分数展開ということを、やりたい」
麻友「テイラー展開でなく?」
私「テイラー展開ではない」
結弦「どうやるの?」
私「上の のグラフの、無限大のところに、注目する。無限大になるのは、 が、いくつのときだ?」
麻友「例えば、 とか」
若菜「 も」
結弦「結局、 を整数として、 のとき全部」
私「そうだなあ。それで、今、例えば、 のとき、無限大になるというのは、 というシンプルな関数で、近似できないかと、考える」
麻友「近似? 大体これくらい、ということ?」
私「そう」
麻友「だったら、他の無限大は、例えば、 のときは、 で、近似するみたいな?」
私「おー、さすが特待生。数学って、元来素直にできているものなんだよ。だから、無限大になるところは、
というようなところだから、
という関数で、近似できるだろう」
麻友「あくまで、近似ね」
私「そこで、 という関数は、これらの分数の和で、表せないかと、考える」
若菜「えっ、
みたいなことを、しちゃうということですか」
私「そう」
麻友「乱暴だけど、太郎さんが、書いているということは、根拠があるんでしょうね」
私「実は、この近似が正しいと、お墨付きをくれるのが、留数解析(りゅうすうかいせき)なんだ。ただ、この留数解析は、麻友さんの前で、証明するのは、まだ無理。大学の数学科か、物理学科で、2年生か3年生で、習うことだから。ただ、この近似が、凄く綺麗に纏まることで、正しいのだろうなと、納得して欲しい」
若菜「纏まるって?」
私「上のように、いくつもの分数の和で表すことを、部分分数分解とか、部分分数展開というのだけれど、この項の並びの順番を、入れ換えてみる」
結弦「こういう順番の入れ替えは、許されるの?」
私「いいこと聞いたな。どんな場合でも許されるかというと、そんなことは、ない。ただ、交換が許されるための、十分条件のひとつとして、その数列が、絶対収束しているか、というものがある。今回、収束半径の話は、オミットすることにしたから、今は、順番の入れ替えは、許されるものとしよう」
若菜「お父さんは、こういう計算を、考えているのでしょう。
私「そうだ。計算すると、どうなる?」
若菜「
だから、
と、なります」
麻友「確かに、綺麗。全部、纏まったわ」
私「ここで、思い出して欲しい。左辺は、タンジェントの逆数ということで、完全に決まっている。ところが、右辺は、タンジェントの逆数の無限大になる点の場所を与えただけで、計算されている。いつも言っている、この辺のこと(今の場合、 が、整数 の点だけで、無限大だということ)が、分かっただけで、あの辺のこと(今の場合、実数全体でのこと)が、分かってしまう。これが、解析関数の解析性というものなんだ」
麻友「言いたいこと、少し分かったわ。解析性。面白いわね。でも、これと、キラキラと、どう関係があるの?」
私「覚えているかなあ、
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関数 は、解析関数 と、解析関数 と、解析関数 の足し算引き算掛け算割り算で、できているので、解析関数なんだ。
だから、
というように、整級数展開できるはずだと言うことになる」
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(『キラキラ星変奏曲(変奏5)』より)
というやり取りが、(変奏5)であったんだけど」
麻友「覚えているわ。 というのは、ベルヌーイ数というものだったわね。そう言えば、最初の方を、(変奏6)で、実際計算したわね。
だった」
私「その通り。良く覚えていた」
現在2020年8月19日7時48分である。眠くなってきたので、一旦中断。
現在2020年8月19日11時36分である。再開。
麻友「やっぱり、昼間にいきなり眠くなるのね。よく会社なんかに、務めていたわね」
私「分かるでしょう。向精神薬を飲んでいると、いきなり頭が働かなくなるんだ。向精神薬は、ほとんどが、眠り薬だからね」
若菜「でも、7時頃、向精神薬を飲んだわけでは、ないのに」
私「頭の中で、起こっていることは、単純じゃない。若菜だって、学校で、つまらない授業だと、眠くなったりするだろう?」
若菜「それは、分かりますけど。でも、ブログ書くのは、お父さんに取って、楽しいことじゃないんですか?」
私「楽しいことを、やっていても、一瞬気持ちが緩むことはある。そういうとき、睡魔が襲ってくる」
麻友「普通は、ボーイフレンドが、車の免許取って、乗せてくれるものだけど、太郎さんは、免許なんて取れないので、私が、免許取って、乗せてあげる。免許取るのって、大変だったのよ」
私「妹や弟も、苦労してたから、ある程度、知ってる。楽しみにしているよ」
私「さて、ベルヌーイ数の話に戻って、
と表されていると、 以外の奇数では、 は、ゼロだったから、
として、 を定めると、無駄がないのだった。こうしたときの具体的な、値は、
と、どんどん数字が大きくなる」
結弦「お父さんに、お母さんの前で、恥かかせてやろうと思って、 は? とか言ったら?」
私「
だよ」
結弦「ゲッ、これ、どうやって計算したの? 画面の縁から、あふれてるじゃない」
若菜「もしかして、Mathematica ?」
麻友「太郎さんは、文献よ」
結弦「でも、こんなの載っている文献なんて、あるのかな?」
私「ハハハ、実は、ベルヌーイ数のための本というのが、あるんだ。これだよ」
山口周(やまぐち いたる)『整数論』(産業図書)
若菜「ベルヌーイ数のためって?」
私「この本、330ページの本なんだけど、230ページまで、整数論を説明した後、最後の第9章が『Bernoulli 数』で、残り全部ベルヌーイ数の話なんだ。この山口さんの発見した定理も、いくつも書いてある」
麻友「太郎さんは、整数論は、勉強してないって、言ってたけど」
私「ベルヌーイ数だけは、自分で発見したのもあって、文献かなり集めているんだ」
結弦「それに、 なんかも、書いてあったの?」
私「いつか、使えるかなあ、と思っていたら、結弦が、意地悪したので、反撃してやった」
麻友「また、すぐ戦争の話題。でも、日本語でも、どこの言葉でも、戦争の用語が、日常で使われるというのは、仕方ないのかしらね。リーマン・ゼータ関数を、制覇するだって、女の人を征服する、だって、完全に日常語ですものね」
私「昔、麻友さんが、ドラマ『戦う!書店ガール』に出ていた頃、山田詠美(やまだ えいみ)よりアンリ・ファーブルを挙げる男の人の方が、麻友さんには、相応しいと書いたのを、覚えているだろうか?」
麻友「ああ、あったわね。それで、山田詠美さんが、何か?」
私「『私は変温動物』という本の中で、山田詠美が、『あの国を征服したい、というのと、あの女を征服したい、というのは、同じ感情なんだから、戦争をなくすには、男と女が、欲求不満にならないように、交わればいいんだ』というようなことを、書いている。麻友さんは、それだけで、戦争がなくなると、思うかい」
麻友「太郎さんは、軍備を整えるのは、大きな企業を、儲けさせるためだという。そして、武器を持てば、戦争を仕掛けたくなるのは、人情よね」
私「今、考えたんだけどさあ、オリンピックって、各国の選手が、技を競うよね」
麻友「今度は、オリンピック?」
私「いや、つながりが、あるんだけどね。オリンピックで、消防の隊員たちに、救急救命の技術を、競ってもらうとか、そういう風に、戦いでないもので、技を競う種目があったら、良いなあと思って。だって、スポーツって、そのもの自体は、日常で、役立たないでしょ」
結弦「オリンピックでなくとも、戦いでないもので、技を競わせたいんだね」
私「うん」
若菜「戦争の惨禍から人々を救うというのは、お母さんとお父さんの、テーマのひとつですからね」
麻友「山田詠美さんの案では、無理があるとは、思う。でも、例えオリンピックでも、結局大国の思惑で、ルールが変更されたりする。何を、信じたら良いのかしら?」
私「ちょっと前までは、お金をたくさん持っていれば、なんとかなる世の中だった。だが、昨日のネットニュースで、指原莉乃さんが、年収2億でも、不安があると言ってるようだと、書かれていた。確かに、お金を持っていると、テロリストに殺されるときでも、痛くない殺され方をしてもらえたりする。やっぱり、お金を持っているのは、良いことのようだ。そうなんだけど、汚い、きつい、危険の、3Kの仕事をすれば、ある程度お金をもらえた時代は、AIを積んだ、ロボットに、駆逐されつつある。そもそも、なんで、働く必要があるの?」
結弦「そう、つぶらな瞳で、言われてもなあ」
麻友「それは、この2カ月半、随分考えたわ。私に、太郎さんに取っての、数学みたいなものが、あるのかしらってね」
私「この4カ月間は、麻友さんに取って、自分の未来のための、よい準備期間だと思う。今まで、サンザン使い回されて、ボロボロにされてしまったんだものね。そして、麻友さんが、どんな選択をしても、私は、それを、尊重するよ」
麻友「数学に、戻りましょ」
私「分かった」
私「ベルヌーイ数の定義から、
なんだけれども、ちょっとずつ変形する」
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私「あっ、今、気付いた、
という式を、今まで、 を書き忘れて、
と、書いてたね。ごめん。今までのところは、全部修正したからね。
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私「 に を代入して、
となるが、その後は、 が奇数の項は、 になるので、
と、書ける。心配だったら、
のように、具体的に書いて、確かめてね。私は、慣れているから、添え字を見ただけで、分かるけど、最初からそうだったわけでは、ないからね」
若菜「今、どういうことを、目指しているのですか?」
私「それは、重要なことだねえ。私達は今、 という関数のテイラー展開を、二通りの方法で、求めようとしているんだ。その一方は、係数にベルヌーイ数が、現れ、もう一方の係数には、リーマン・ゼータ関数が、現れるんだ。だから、比較することにより、リーマン・ゼータ関数の偶数での値が、ベルヌーイ数で、表せるということになる」
麻友「あっ、留数解析、勉強してたって、リーマン・ゼータ関数のためだったの」
私「そうなんだ。説明してなくて、ごめん」
結弦「だとしたら、俄然張り切るなあ」
私「なるべく、記号を多くしないように、気を使ってきたんだけど、 というタンジェントの逆数の関数を、 と表すことに、同意してもらいたい。逆関数 というわけではなく、あくまでも、タンジェントの逆数、コタンジェントである」
麻友「話が、数学だけでなく、薬の方へ飛んだり、免許の方へ飛んだり、戦争の方へ飛んだり、ということを、しているから、もう9230文字よ。一旦、投稿してよ。読むのに疲れるわ」
私「そうだね。じゃあ、ベルヌーイ数で、リーマン・ゼータ関数を表すの、楽しみにしてて。解散」
現在2020年8月19日16時41分である。おしまい。