相対性理論を学びたい人のために

まだ一度も相対性理論を勉強したことのない人は、何か一冊相対性理論の本を読みかじってみて、なぜこんなことが?という、疑問を持ってからこのブログに来てください。ブログの先頭に戻るには表題のロゴをクリックしてください

ありがとう。物理学者諸君。(その6)

 現在2021年5月26日3時23分である。(この投稿は、ほぼ9219文字)

麻友「昨日眠れなかったの?」

私「疲れ切って、着替えるのも辛いほどで、寝た晩って、1時頃、目が覚めちゃったりするんだ。今日は、1時39分に、目覚めちゃった」

麻友「22時半頃から、3時間しか寝てない。後で、お昼寝するのよ」

私「うん」


真由「昨日、松田さんの論文を、見せてもらいましたが、論文としての体裁が、整ってませんね。参考文献も、1つもありませんし」

私「これは、困ったのです。参考文献を挙げようにも、日本語のアーベルの伝記ともう1冊『近世数学史談』しか、見てなかったので」

高木貞治『近世数学史談』

近世数学史談 (岩波文庫)

近世数学史談 (岩波文庫)


O. オア『アーベルの生涯』(東京図書)

アーベルの生涯―数学に燃える青春の彷徨

アーベルの生涯―数学に燃える青春の彷徨

  • 作者:O.オア
  • 発売日: 1985/05/01
  • メディア: 単行本


C.A. ビエルクネス『わが数学者アーベル』(現代数学社


アーリルド・ストゥーブハウグ『アーベルとその時代』(丸善出版

アーベルとその時代

アーベルとその時代


私「この4冊だけです」

真由「そもそも、何が、問題になっているのですか?」

私「上の4冊は、刊行された順番になっているのですが、一番上の、『近世数学史談』で、



 アーべルが、祖国の恩師ホルンボーに宛てた手紙を書いている。

 日附は 6064321219 の3乗根 年 (小数部分をも取って)とある。


 ホルンボーがそれを 1823.567 = 1823年6月24日と計算したが、既に書中に七月一日に係る事件が記されてあるから明らかに誤算がある、実は1823.5908 = 1823年8月4日であるという。



と、当時は、計算機などなかったので、計算間違いを、しているという記述が、あるのです」

真由「3乗根は、計算機がないと、計算大変でしょうね」

私「そうなのです。この計算間違いに関し、私は、このブログの『小さな発見』、『小さな発見(その後の発展)』、『小さな発見(新たなる展開)』、『小さな発見(4年半後に出した結論)』という4つの投稿で、少しずつ解明していっています。検索窓に『小さな発見』と入れれば、簡単に見つかります」

真由「そうすると、計算間違いだったものを、指摘したということなのですね」

私「計算間違いと、小数部分の解釈の問題です」


若菜「英語じゃ、分かりません。日本語にして下さい」

私「そうか。じゃあ、日本語に戻すか」



{\mathrm{\huge{アーベル,ニールス・ヘンリック}}}

           要約

私の見方では、アーベルは1823年の書簡の中で、次のように、日付を書いている。
In my view, Abel dated a letter as 1823 in the following way.

{\displaystyle \mathrm{1823年7月2日16時45分}\approx \root 3 \of {6064321219}}

ただし、アーベルは、{\mathrm{1823年7月2日16時45分}} の方は書かず、{\root 3 \of {6064321219}} だけを書いて、パズルとしたのである。

こう解釈できる理由は、
because

{\displaystyle
\biggl(1823+\frac{7}{12}+\frac{2}{12 \times 30}+\frac{16}{12 \times 30 \times 24}+\frac{45}{12 \times 30 \times 24 \times 60}\biggr)^3}

{\displaystyle =6064321219+\frac{10947384695899}{41278242816000}
}

だからである。

読者も、私の見方に、同意してくれるものと思う。
Your view will accord with mine.

{\displaystyle \root 3 \of {6064321219} \approx \mathrm{1823年7月2日16時45分}}

 証明
 proof

アーベルは、1802年8月5日に生まれている。だから、
Since Abel was born on 5 August 1802, so

{\displaystyle (\mathrm{1823年8月4日15時39分})^3}

{\displaystyle =\biggl(1823 +\frac{31 + 28 + 31 + 30 + 31 + 30 + 31}{365}}

{\displaystyle +\frac{3}{365}+\frac{15}{365 \times 24}+\frac{39}{365 \times 24 \times 60}\biggr)^3}

{\displaystyle = 6064321220 +\frac{301625670793897}{5377771008000000}}


この手紙の日付と時刻が、1802年8月4日15時39分であるという主張は、もっともな解釈である;アーベルは、自分の20歳最後の日に、この3乗根を計算してみたというわけである。
is the predominant theory; Abel wrote the letter on the last day he was twenty years old.

しかしながら、{6064321220} は、アーベルの書いている、{6064321219} と、異なっている。
However, {6064321220} disagrees with {6064321219}.


別な角度から、この問題を、見てみよう。
Let's see this problem from another angle.

{\displaystyle (\mathrm{1823年7月2日17時39分})^3}

{\displaystyle = \biggl(1823+\frac{7}{12}+\frac{2}{365}+\frac{17}{365 \times 24}+\frac{39}{365 \times 24 \times 60}\biggr)^3}

{\displaystyle = 6064321220 +\frac{301625670793897}{5377771008000000}}


この考え方では、アーベルが計算するとき、日付の数字をそのまま明示的に使ったと、見なしている(8月4日のときは、

{\displaystyle =\biggl(1823 +\frac{31 + 28 + 31 + 30 + 31 + 30 + 31}{365}}

というようにして、{\displaystyle \frac{31 + 28 + 31 + 30 + 31 + 30 + 31}{365}} から8月だと言うことを、暗示していたのだが)。そうは言うものの、やはり、{6064321220} と、{6064321219} は食い違っている。
This theory insists that Abel used the date explicitly in calculation,but {6064321220} disagrees with {6064321219}, too.

アーベルが、書簡を書いた当時は、秒を測るということは、余りなされていなかった、けれども、以下のように、アーベルが、悪戯をした可能性はある。
Although they could not measure seconds ordinarily in those days, yet Abel might carry a trick which I show below.
{\displaystyle (\mathrm{1823年7月2日18時54分30秒})^3}

{\displaystyle =\biggl(1823 +\frac{7}{12}+\frac{2}{12 \times 31}+\frac{18}{12 \times 31 \times 24}+\frac{54}{12 \times 31 \times 24 \times 60}}

{\displaystyle +\frac{30}{12 \times 31 \times 24 \times 60 \times 60}\biggr)^3}

{\displaystyle = 6064321219 +\frac{10947384695899}{41278242816000}}

最終的に、私は、次の式にたどり着いた。
To conclude, I reached the next formulae.

{\displaystyle (\mathrm{1823年7月2日16時45分})^3 =\biggl(1823 +\frac{7}{12}+\frac{2}{12 \times 30}}

{\displaystyle +\frac{16}{12 \times 30 \times 24}+\frac{45}{12 \times 30 \times 24 \times 60}\biggr)^3}

{\displaystyle= 6064321219 +\frac{10947384695899}{41278242816000}}

この1番下の式は、最もエレガントな式と思われる。だから、
The latest one is the elegant solution. So,

{\displaystyle \biggl(1823 +\frac{7}{12}+\frac{2}{12 \times 30}+\frac{16}{12 \times 30 \times 24}+\frac{45}{12 \times 30 \times 24 \times 60}\biggr)^3}

{\displaystyle = 6064321219 +\frac{10947384695899}{41278242816000}}

という計算が、アーベルが実際にやった計算なのではないかと思われる。
was the real calculation of Abel.


考えようによっては、この数値は、1823年8月3日16時45分 とも、取れる({\displaystyle \frac{7}{12}} とは、既に7月が過ぎており、今は8月であり、{\displaystyle \frac{2}{12 \times 30}} は、既に2日が過ぎていて、今日は3日だと、アーベルが計算したとするなら)。だが、私は、かの天才数学者は、数字が明示的に見える計算を、したのではないかと思えてならない。従って、
You may take this figures 3 August 1823 16:45, but I suppose the genius mathematician adopted explicit formulation.Thus,

{\displaystyle \root 3 \of {6064321219} \approx \mathrm{1823年7月2日16時45分}}

が、非常に有力な見方であると、私は考えている。(証明終)
is powerful insistence, I think. {\square}



麻友「えっ、そういう論文だったの?」

真由「私も、分かっていませんでした。そもそも、アーベルが、{\root 3 \of {6064321219}} などというパズルで、日付を書いた手紙がある、などというのは、数学者の間で、有名なのですか?」

私「高校時代に、アーベルの伝記を読んだ私にとっては、常識でしたが、知らない数学者がいても、おかしくはないですね」

真由「そうですか。ただ、この論文に数学的な価値は、あるのでしょうか?」

私「むしろ、数学でなく、数学史の論文であり、そうだとしても、『数独の難問を解いたよ』、くらいの価値しかないと思います」

真由「それを、わざわざ論文にしたのは?」

私「2014年11月11日から、2015年1月15日まで、2カ月間横浜市立みなと赤十字病院に、入院していました。それまで、自分の人生はもう終わったな、みたいに思っていたのが、22年ぶりくらいで、躁状態になり、色んな人に働きかけ、また、時間はいくらでもあるのに、食事も作らなくて良くて、何もしなくて良いという環境で、数学を、思う存分できました。計算機は持ち込んでいなかったので、ボールペンを一本使い切ったほど、毎日計算し、上の結果を得たのです。論文をサブミットするにあたり、藤田君、藤居君、私の父、フェラーリの親友などに、読んでもらいました。藤居君からは、日付の書き方についてのアドヴァイス。フェラーリの親友からは、『分野によって書き方は異なるから、評価できない』とメールをもらいました。そして藤田君からは、2015年2月8日に、以下のメールをもらいました。このメールの中のリンク(赤字で参考のところ。今でも生きています)で、現在(2015年?)でも一般には、1823年8月3日説(注に Le 3 août 1823. とある)が、受け入れられているのを知って、一応論文は、提出しておこうと、思ったのです」



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松田君

元気ですか?
リサーチするといったものの、私事でいろいろあって(3月末に弟が結婚するんですよ!)、
なかなか君の論文のための余裕が作れません。

君の首が伸びきってしまうといけないので、とりいそぎ一読したときに普通に返って来るであろう反論を下記にメモしました。
(私の無理解な点もあるかもしれませんが、君の論文が他人に自説を理解させるような体裁に達していませんので。。。)

君の論文が論文誌に掲載されないとしたら、そもそも体裁が掲載基準を満たしていないか(計算式を羅列しただけに見えるので君の主張が読者に伝わっていない)、理解されても下記のような反論が返ってくるためと解釈するとよろしいのではないでしょうか。

【松田君の「Abel, Niels Henrik」に対する反論】

アーベルが1823年に素数定理に関して記述した手紙の日付について、

(6064321219 )^(1/3) = 1823 + 0.590827… 〜 1823 + 215/365 = 4 Aug 1823
[1] (「~」は近似を表す)
(参考: http://goo.gl/1OyIWX )

という計算により、「西暦1823年8月4日」(おそらくデンマーク時)を表したと一般的に言われている件に対して、筆者は

(6064321219 )^(1/3) 〜 1823 + 7/12 + 2/(12*30) + 16/(12*30*24) +
45/(12*30*24*60) = 2 July 1823 16:45 [2]

と計算法を用い、「西暦1823年7月2日16:45」 が手紙の日付であると主張している。

ところが、筆者が自身のブログの記事(2008-05-17)でも言及している通り、[2]の計算法は「1月1日」や「12月31日」を表すときに不適切なものである。

例えば、

Jan 1 1823 00:00 = 1823 + 1/12 + 1/(12*30) + 0/(12*30*24) +
0/(12*30*24*60) 〜 1823.0861111111... > 1823.0 [3]

Dec 31 1823 11:59 = 1823 + 12/12 + 31/(12*30) + 11/(12*30*24) +
59/(12*30*24*60) 〜1824.0874980709... > 1824.0 [4]


[3][4]の問題を回避するために、筆者は上記ブログで「0月=1月」とする計算法を提示しているが、
本論文ではこれを採用していない。

「0月=1月」とする場合、[3]式は、

Jan 1 1823 0:00 = 1823 + 0/12 + 0/(12*30) + 0/(12*30*24) +
0/(12*30*24*60) = 1823.0 [5]

となり問題が解消するが、[4]式は、

Dec 31 1823 11:59 = 1823 + 11/12 + 30/(12*30) + 11/(12*30*24) +
59/(12*30*24*60) 〜 1824.001386959… > 1824.0 [6]

となり、「1824年の初日の出」を超過することになり、なおも「31日」の部分で問題が残る。
(そもそも「2月28日23:59」と「3月1日0:00」の間の時間は何秒になるのだろうか?)

また、なぜ本論文では「0月=1月」の計算法を採用していないかというと、問題の[2]式に月日が1づつ加算すると、

(6064321219 )^(1/3) 〜 3 Aug 1823 16:45 [7]

となり、[1]の日付とたいして変わらないことになると推測されるのである。

筆者は「西暦1823年7月1日」がアーベルにとって重要な日であり、その翌日に手紙を書いたという仮説を主張するために、
[3]〜[7]の難点に目をつぶりながら[2]式を主張している。

しかしながら、[2]式のために[3][4]式のようなダーティを許容したというのは、アーベルにはありそうもない話である。

手紙の日付が 「2 July 1823 16:45」であるということの説得力が広く認められるためには、
[2]式以外に、(例えば7/1〜7/2のアーベルのスケジュールを文献から抽出するといった)説得力のある有力な証拠を探し出してきて提示する必要があると考える。以上。

【追伸】
ところで今、西田敏行の「マエストロ!」という映画が上映されています。
ストーリーはいまいちでも、日本でも本格的な(「のだめ」とかと違う)クラシカル音楽映画がでてきた!

つい映画に影響されて、ブロムシュテット、SKDの『未完成』(佐渡裕のCD『運命・未完成』は高いからね)を購入してしまいましたよ。



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   (2015年2月8日の藤田君からのメール。貴重な指摘がいくつもあるので、全文掲載)



真由「まあ、なんて丁寧なお返事。それに、このアーベル全集ですか? のリンク、どうやって見つけたのでしょう」

麻友「太郎さん。このお返事で書いてあること、全部理解できるの?」

結弦「藤田さんって、京都大学で、博士課程のとき、病気になったんだよね。修士論文書いてるから、お父さんの論文が、幼稚だと、分かったんだね」


私「藤田君には、以前にも、不確定性原理を使って、質量を割り出せるという論文を、書いたときも、丁寧な添削をしてもらった」

若菜「不確定性原理を用いて、質量を?」

私「ファインマン物理学の第Ⅰ巻の、式(6.22)を、使うんだ」

{\Delta x}〕・〔{\Delta v}{\displaystyle \geqq \frac{h}{m}}    (6.22)


麻友「真由さんは、この藤田さんのメールを、『なんて丁寧なお返事』などと言っているということは、理解できるのですか?」

真由「いきなりなので、細部は分かりませんが、松田さんが、式を並べるだけで、式の説明を書いていないという問題点を、指摘しているのは、分かります。それに、松田さんが、別な見方として、論文の最後に書いている説が、一般の見方として定着しているのですから、この論文には、価値がないと、言っても良いでしょう。ただ、実は、1823年8月3日16時45分と、分まで書いてあったというのを、計算で明示したのだけが、大切なのではないでしょうか」

私「分まで書いてあった、というのは、上に挙げた、アーリルド・ストゥーブハウグ『アーベルとその時代』(丸善出版)で、既に問題となっているのです。だから、私は、正しい説があるのに、横車を押していたようなものです」

結弦「お父さん。数学史でなく、本当は、数学で、論文書きたいんだろう」

私「大変だけどね」

麻友「5時30分頃から、9時10分頃まで、昼寝してたけど、もう11時40分。朝ご飯も食べてない。渡邊歯科に行くのだから、取り敢えずマクスウェル方程式まで、手が回らなかったけど、ここまでで投稿して、シャワー浴びて、マックで食事して、歯磨いて、緑茶でも、飲んで行きなさいよ」

私「そう。口臭には、緑茶が良いんだってね」

真由「ああ、このカップル羨ましい」

f:id:PASTORALE:20210523225211j:plain

若菜「お父さんは、必ず、お母さんを、選ぶのですからね!」

私「論文と、藤田君のメールを入れたので、9108文字にもなってしまった。投稿するよ」

若菜・結弦「バイバーイ」

真由「それでは」

麻友「じゃあ、バイバイ」

私「じゃあね」

 現在2021年5月26日11時49分である。おしまい。