相対性理論を学びたい人のために

まだ一度も相対性理論を勉強したことのない人は、何か一冊相対性理論の本を読みかじってみて、なぜこんなことが?という、疑問を持ってからこのブログに来てください。ブログの先頭に戻るには表題のロゴをクリックしてください

たかがノギス、されどノギス

 現在2022年6月3日20時06分である。(この投稿は、ほぼ4927文字)

麻友「ノギスって何?」

私「これは、実物を見せるに限る。Wikipedia に、測定の仕方のアニメーションまで、書いてあるので、チラッと見てみて。もしかしたら、麻友さんのお父様が、使っているのを、見たことがあるかも知れない」

ja.wikipedia.org

麻友「こういうものは、見たことはあるわ」

私「今の家には、ないけど、父が、技術系の人間なので、工具箱に、いつも入っていたので、私には馴染みのあるものだった」

若菜「家に、あったんですね」


私「いつ頃か、本当は、定かではないのだが、小学校3年生くらいのときに、父が、


父「お前、ノギスの使い方、教えてやる」

と言って、私をあぐらをかいた脚の上に座らせ、ノギスを広げて、プラスチックのパイプみたいなものを挟み、狭めて行って、完全に挟んだところで、Wikipedia のアニメーションのように、

父「24ミリ(2センチ4ミリだが、技術屋さんは、ミリで言うことが多い)ちょっとだな。そのちょっとの分は、こっちの横に付いている、もう一つの目盛りで読むんだ。ちょっとずつずれているが、7のところは、ドンピシャで、目盛りが合っているだろう。だから、こういうときは、24.7ミリと、読むんだ」

私「ちょっと、やらせて・・・」


というやり取りがあって、ノギスの使い方を、教えてもらったんだ」

結弦「小学校3年生で、ノギスか」

私「小学校1年生で、祖父から、メカノをプレゼントされている私だから、父も、精密なものを危ないという感覚は、なかったのだろう」

若菜「そうですねえ」

私「さて、ノギスで、なぜ、0.1mm まで、測れるのかは、それ以来、飼っている問題のひとつになった。中学校で、技術家庭科の時間があり、私は男だから技術になったけど、伊達に西ドイツ製のコンパスとデバイダーを、使わせてもらっていたわけではないのだ。技術の教科書というのは、材料のせん断強さ(せんだんづよさ)だの、ネジの種類だの、色んな面白いことが、書いてあって、授業中、先生の話を聞きながら、どんどん、読んでいた」

麻友「技術の試験で、満点取ったことは、あるの?」

私「1年生の学年末試験で、50点満点取ったことがある。製図の問題が、何問かあって、立方体を、等角投影図で、描きなさいという問題で、一般には、定規とコンパスで描いて、描き終わったら、補助線は、消しゴムで消すのだが、私は、消していると間に合わないことに、気付き、補助線を使わずに、描いた。それでも、50点くれたので、良かった~、と、思った」

若菜「そうすると、数学と、物理と、英語と、技術で、満点取ったことが、あるんですね」


私「まあ、そうだね。さて、その技術の教科書を、読んでいて、ノギスの説明が、書いてあるところがあった。こう書いてあった。

『副尺は20mmの長さを、19等分した目盛りが、振ってあります。だから、0.05mm の精度まで、測り取ることが、できます』


とね。多分、麻友さんは、いきなりこれを読んでも、分からないだろうと思う」

麻友「分からないわ」

私「私の場合、4年くらい飼っていた問題だったから、これで、分かったけど、普通、分からないよね。とにかく、私はこれで、20等分すべきところを、19等分してあるんだから、2mm、2.05mm、2.1mm、2.15mm、2.2mm、2.25mm、2.3mm、2.35mm、2.4mm、2.45mm、と、ちょっとずつずれていって、まさにそのものの長さのところで、目盛りが合うというのが、イメージできた」

結弦「それで、分かっちゃうんだなあ」


私「さて、ここまでは、登り坂だったときだ。1994年夏、統合失調症になり、大学を中退して、帰ってくる。本当のところを言うと、障害者で、仕事がない人に、訓練をさせて、働けるようにしてあげるのなら、こういうノギスの使い方とか、ナットとスパナの使い方などのような、工業高校などで、教えているようなことを、教えれば良いのに、私がいた場所では、ノギスの使い方なんて、一度も習わなかった」

若菜「なるほど」

私「ご存じのように、1998年7月、父の紹介で、働き始める。実は、父は、その半年前くらいから、ノートパソコンに、CAD のソフトをインストールしてもらってきて、私に、CAD に慣れるように言っていた。私は、ワードとエクセルは、やっとけと言われ、母がパソコン教室で、習ってきたテキストで、ワードとエクセルを、ほんのちょっと知っている状態だった。ただ、入社したとき、会社で、『機械屋さん』という名前の、CAD が使われていたのだが、一方で、Auto CAD(オートキャド)という CAD も使われていたので、私は、混乱して、社員だった社長のお嬢さんが、『機械屋さん』を指して、


娘さん「この CAD から、・・・」

私「あの、この会社の人は、『機械屋さん』のことも、CAD と呼ぶんですけど、Auto CAD 以外にも、CAD って、あるんですか?」

娘さん「(困りながら)これは、『機械屋さん』です」


という一幕もあった」


麻友「太郎さん。恥ずかしい。私に、偉そうに、CAD(computer aided design)なんだから、なんて言ったくせに、入社時に、CAD が、何の略かも知らなかったの?」

私「まあ、そのぐらいしか、CAD は、使えなかったって、ことだよ」

若菜「それで、困らなかったのですか?」

私「仕事中に、堂々と、CAD の勉強していた」

結弦「そりゃ、確かに、お父様が、こいつの分も、働いてやってるから、と言っても、しょうがないかもね」

麻友「太郎さんの周りだけ、時間の流れ方が、違うのよ」

私「さて、紹介も終わって、父が、他の人に会いに、出掛けた」

若菜「さっきのは、入社当日なのですか?」

私「そう。長い1日なんだけど、私が、図書館で借りて持っていった、CAD の本で、Auto CAD の勉強をしていると、社長が、ちょっかいだそうか、ということで、その形は、形容しようにも、何とも言えないのだけど、電車のドアを小さくしたようなもの、というのが、一番、想像しやすい。ドアの窓もあって、ってことね。その、小さいドアみたいのを、社長が渡して、


社長「これ、描いてみな」

と、言ったんだ。そして、

社長「これで、長さ測って」

と言って、ノギスを渡してきたんだ。

社長「ノギスの使い方は知っているか」

私「はい、父から教わったことがあります」

社長「じゃあ、描いてみな」


というわけで、CAD という言葉の意味も知らなかった人間が、図面を描き始めた」

麻友「それは、どれくらいの課題だったのかしら?」

私「CAD という言葉も知らない新入社員に、この内部の長さなんて、どうやったら測れるんだよ、と言うようなものを、ノギスだけで描けなんて、大学1回生に、最初の授業で、実数の公理を、講義するようなものだ。ただ、CAD で、実際、頼まれたものの、図面を描き、その製品の加工用の数値を入れる、ということのためには、良い訓練には、なった」


私「さて、外へ行っていた、父が、帰ってきた。


父「何を、やってるんだ?」

私「社長に、言われて、これの図面を、描いているの」

父「えっ、これ、何の部品だ?」

私「適当に、その辺にあったものじゃない?」

と、しゃべった後、一瞬、父が青ざめて、

父「ノギスの使い方は、知ってたんだろうな?」

社長「お父ちゃんに、教わったって、喜んで使ってましたよ」


と、言うわけで、父は、安堵した」


麻友「お父様に、花持たせて」

若菜「いいところありますね、お父さんも」

私「そう、そのはずだった。父も、鼻高々だっただろう。ところが、それから、6年ほどして、これが、裏目に出ることとなる」

結弦「裏目?」

私「6年ほどして、会社は、3人ほど新社員を入れた、例の『ミリミクロンの後輩』と、『ログの後輩』と、『英会話ができる後輩』だ」

私「『英会話ができる後輩』達は、父が、品川で構えた、品川営業所で、父の部下だった。あるとき、本社に来た、『英会話ができる後輩』が、測定機器の本で、ノギスの勉強をしている。副尺の使い方が分かってない。取り敢えず、Wikipedia にあるような、説明をした。保谷の家に帰って、鶴見の実家にいる母に、『あの人は、技術系の仕事には、向かないんじゃないかなあ。ノギスの仕組みが、分からなくて、あの歳までなっているんじゃ』と、話した」

麻友「確かに、私も、ノギスなんて、分からないもの」

私「ところが、数日後、私は、とんでもないことを、母から聞かされる。


母「お父さんに、あの人が、ノギスの勉強をしてたらしい、と言ったら、『ノギスの使い方は、教えたぞ』って、怒ってたのよね」


と」

私「なぜ、あのとき、15年ぶりくらいで、渡された、ノギスを、苦も無く使えたか、麻友さん達は、分かるよね。小学校3年生の頃、父に教わったのは、確かだけど、中学へ行って、原理を知っていたからだ。1回教えれば、分かるはずだ。というのは、旭硝子の研究所にいる人達の間では、当然だったかも知れない。私も、京都大学では、そうだった。でも、そうじゃない人が、大多数なのだ。息子の私ができたのだから、他の人もできて当然。なんて、思われたら、他の人困っちゃう。それに、実際には、私は働けていない」

麻友「太郎さん。本当は、ノギスの話でなく、お父様に、一度にらまれて、私が、いじめられるのを、警戒してね。と、言いたかったのね。辞めさせた社員、ノギス、旭硝子の研究所、と、パズルのピースが集まったから投稿したのね」


 昨晩、ここまで書いて、眠くなり、眠ってしまった。最後付け加えて、投稿する。

 現在2022年6月4日12時31分である。

私「ノギスの話は、前から書こうと思っていた。『辞めさせた社員』=『英会話ができる後輩』=『シンガポールからの電話を受けた人』で、私が、英会話の力を生かせる仕事を探すべきですと言って、辞めさせた社員だ」

麻友「あのときは、『太郎さん、酷いことして』、と思ったけど、太郎さんのいた会社にいては、いじめられるだけだったのかも、知れなかったわね」

若菜「でも、ずっと、ブログを、見てますけど、お父さん、お父さんのお母様と、本当に、緊密に、情報交換してますよね。驚くほどです」

私「確かに、母とは、よく話している。これは、小さい頃は、当たり前だったが、大人になってからも続いているのは、『朝の薬飲みました』『夕食後の薬飲みました』『今から寝る前の薬飲みます』というメールを、毎日やり取りしているから、というのもあるんだ」

結弦「毎日か。それは、大変だな」

麻友「私が、妻になったら、私が、それを、受けるということ?」

私「私を、再発させたくなければ、そうしてくれるのが、一番嬉しい」

麻友「太郎さんのお父様の信頼を勝ち得るには、それが、何よりかも知れないわね」

私「ああ、私の障害を、温かく受け入れてくれる人であれば、アイドルでも、父は、受け入れるかも」

麻友「元アイドルよ」

私「父には、その違いは、ほとんど分からないとは思うけど、今は、芸能活動を、してないのね」

麻友「うん」

結弦「ノギスだけで、4700文字? お父さん、文章書くの好きなんだね」

私「今日の場合、徹夜で書いていたわけではない。これで、投稿しよう」

若菜・結弦「バイバーイ」

麻友「バイバイ」

私「バイバイ」

 現在2022年6月4日13時05分である。おしまい。