相対性理論を学びたい人のために

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駆け落ちのシミュレート(その44)

 現在2022年5月1日17時46分である。(この投稿は、ほぼ3911文字)

麻友「駆け落ちのシミュレート、久し振りね」

私「前回は、麻友さんのお誕生日より前だ」

麻友「あの、障害年金の、恐ろしい話は、書き始めた最初から、頭にあったの?」

私「ずっと気になっていたことだけど、あの投稿で書こうとは、思ってなかった。ただ、『現金(げんなま)をねらえ』のことを、書いているうちに、会社の運動会へ連れて行って下さった、あの息子さんのお父様のことを、思い出し、書かずにいられなかったんだ」

麻友「太郎さんは、自分が、ありとキリギリスの、ありだと思う?」

私「恵まれてたからね。物心つく前から、ヴァイオリンと水泳。父は、どこにいくのでも、私を連れて行ってたと、母が言うけど、本当に、写真が残っているから、疑いようがない。幼稚園に入る前に好きになった、きっとあの先生に、『好きなら好きだと言え』と、言わせたのは、父だったようだし(本当は3歳の頃で、覚えていない)、小学校1年生の頃に、あの『時間の測定』と、『数の世界』と、『惑星の天文学』を含む、タイム社の『ライフ人間と科学シリーズ』を、隔月だったのかな? 買ってくれていて、『時間の測定』が、来たとき、あのスパイの絵が面白そうだから、漢字が読めないので、父に、『読んで』と言って、読んでもらい、『こんなこと、起こるの?』と聞いたら、『もっと知りたかったら、大学の物理学科へ行って、勉強するといい』と、言ったのは、確かに父だった。どうして、小学校の頃のことまで、覚えているの? と、聞きたいだろうが、私は、その本は、何度も読んでいるのだ。『時間が遅れるって、どういうことなんだ?』、『5次方程式が、解けないって、どういうことだ』、『3体問題は、昔は解けなかったけど、コンピューターを使えば解けるって、どういうことだ?』、この本は、今でも大きい図書館にあるから、こう思わせる記述があるのを、確かめることができる」


麻友「出発点からして、全然、違うのよね」

私「栄信工業にいたとき、社長が、おつぼね様、とか言っていた、春日さんという女の人がいた」

麻友「春日局ね」

私「私が、8年半で辞める、1年くらい前だったなあ、私に聞こえるように、

『もうちょっと、お金持ちの子供に、生まれたかったな』

と、言った。子供が小さい頃から、奥さんが働きに出なければならない。そんなの、当たり前なんだろうな」

麻友「太郎さんのお母様は、働きに出ていない。理由があるの?」

私「理由は、いくつかあるけど、ひとつは、母がいないと、私が、勉強サボることが、分かったから」

麻友「えっ、太郎さんが?」

私「母が、弟を産んだ後、無理したために、肺炎になり、私が小学校2年生のとき、入院した。当時、『たのしい算数』は、続いていた。父は、母が入院して、忙しくなったので、小さい裏紙に、毎日2問、算数の問題を書いて、出社していた」

麻友「それで?」

私「学校から帰ってきて、小学校2年生だったら、友達が来て、遊びたいんだよ。2問と言っても、私の習い立ての問題で、難しい。当然、母がいなければ、計算機で、計算する」

麻友「太郎さんが、計算機!」

私「最初は、3桁の足し算だったりしたから、大丈夫だったようなのだが、父は、計算の跡のない紙に、怪しいと思った。そして、余りのある割り算を、書いてきた。

 ___
7)83

みたいなの」

麻友「計算機で、83÷7 なんてやったら、11.85714・・・みたいになっちゃう。バレバレね」

私「
  11あまり6
7)83
  7
  13
   7
   6

と、何でも無く筆算で、計算できるのは、父の苦心の計算力養成あっての産物なのだ」

麻友「太郎さんでも、計算機使うんだ。普通に放っておいたら、自分から勉強する子は、いないわね」


私「鬼のように恐い、父のように思えるかも知れないが、『現金(げんなま)をねらえ』を、持ち出したのは、実は、父の別の面を、見せたかったからなのだ」

麻友「あら、忘れてた」

私「会社の運動会の日、夕方『現金(げんなま)をねらえ』を、楽しんだ。そして、家に帰って、その話をして、あのゲームやりたいと、言った」

麻友「お母様と、妹さんと、買いに行った?」

私「当時、3歳くらいの弟も連れて行ったのかどうか、覚えてないが、バギーに乗せて、連れて行ったのかな?」

麻友「置いていったりは、しないわね」

私「確か、横浜高島屋の、おもちゃ売り場で、その『現金(げんなま)をねらえ』を、見つけた。そのとき、『魚釣りゲーム』というのも、あったんだ。両方買っても良かったのだが、母が、『取り敢えず、『魚釣りゲーム』にしない?』ということで、飽きたら、『現金(げんなま)をねらえ』を、買いに来ようと、言って、『魚釣りゲーム』買ってきたんだ」

麻友「そういうときだって、大人買いはしないのよね。ちゃんと、躾けられている」


私「何かを始めるとき、必ず取扱説明書を、丁寧に読むのが、私だ」

麻友「私、ビックリした。あの、『SONY許せぬと書きたかったが2』の中で、ソフトウェアライセンス条項の中の『逆アセンブル』という言葉を、見つけている。あんなところまで、読んでるの?」

私「毎回全部は、読まない。でも、普通の人よりは、かなり読んでる。『逆アセンブル』は、1回見たことがあったので、この辺にありそう。というところを、絨毯爆撃した」

麻友「『魚釣りゲーム』も、太郎さんが、まず、遊び方をマスターしたのね」

私「そう。それから、家族に説明して、ゲームするようになった。そして、休みの日は、父も加わった。弟が成長して加わり出すと、5人になり、1点のハゼから、2点のアイナメ、3点のスズキ、4点のイシダイ、5点のマダイなど、本当は、3点は、イナダもそうなのだが、とにかく、テレビゲームでもないのに、釣っていると、もの凄くのめりこみ、マダイを釣るためのエビを、隠し持ったり、他の人がイシダイを釣ろうとしているのを、釣り逃がしにするカードを出したり、隣の人とお祭りになったり、我が家で家族みんなが楽しんで、じゃあ、『現金(げんなま)をねらえ』も、買ってこようと、言ったときには、もう店頭になかった」

麻友「お父様も、そのゲームに、のめり込むのね」

私「うん。普段、ゲームなどは、ほとんどしない父なんだけど、ゲームが嫌いなんじゃなくて、時間を取られるのが惜しいだけなんだと、分かってくるね」

麻友「お父様の機微が、現れていることを、もうちょっと、教えて」

私「父が、『ジャン・クリストフ』という小説が好きだということは、前にも話したね。でも、私には、どうして好きなのか、信じられないんだ」

麻友「どうして?」

私「ジャン・クリストフは、作曲家なんだよ。もう少し言うと、沢木耕太郎の『敗れざる者たち』(文春文庫)の中の『クレイになれなかった男』にひっかけて、

ベートーヴェンになれなかった男』

なんだよ」

麻友「凄い皮肉。太郎さんこそ、

『アーベルになれなかった男』

だと、思うわ」

私「それは、ともかくね、『ジャン・クリストフ』には、ベートーヴェンのエグモント序曲なども、出てくるんだ。でも、父が、エグモント序曲を知っているとは、思えない」

麻友「つまり、お父様は、思想の方に、興味があるのね」

私「そうらしいんだ。後、一度こうやろうと決めると、何年でも、続けたりする。私が、中学の頃、テレホンカードというものが、できた。それが、出たばっかりの日、父は、公衆電話から、我が家へ電話してきた。『今、テレホンカードで、かけているんだ』というので、皆ビックリした。ところが、電話の上に載せた手帳を、置き忘れた。すぐ気付いて戻ったが、もうなかった」

麻友「太郎さんも、こだわりの手帳を持ってる。高い手帳だったの?」

私「手帳自体より、その中に、5,6万円入っていたらしいんだ。手帳自体は、その後、川に捨てられているのが発見されたが、現金はなかった」

麻友「それは、がっかりね」

私「そのとき、父は、『2年間、自分のものは買わない』と、宣言した」

麻友「2年間か。太郎さん、本買わないと言ってたけど、買ってたわね」

私「それが、父なんだよ。鉄の意志というかなんというか」

麻友「他に、貫いていることは?」

私「渋谷にいた頃から、真っ向法という柔軟体操を、毎朝やっている」

麻友「継続できるのね」

私「尊敬する化学者ライナス・ポーリングが、『ビタミンCが良い』と言ったので、もう何十年も毎日飲んでいるというのもある」

麻友「太郎さん。私の父を説得するより、太郎さんのお父様を説得する方が、大変かも」

私「だから、ふたりが、しっかり協力して、行動しなければね」

麻友「家族全員で、魚釣りゲーム。仲の良い家庭ね。良く分かったわ。今日は、おやすみ」

私「おやすみ」

 現在2022年5月1日21時09分である。おしまい。