相対性理論を学びたい人のために

まだ一度も相対性理論を勉強したことのない人は、何か一冊相対性理論の本を読みかじってみて、なぜこんなことが?という、疑問を持ってからこのブログに来てください。ブログの先頭に戻るには表題のロゴをクリックしてください

『数学』というゲーム(その8)

 現在2019年8月8日16時36分である。

麻友「ちょっと投稿が、止まってたわね」

私「通院があったのと、『AKB0048 next stage vol.3』を、観たりしていたからね」

麻友「ちょっと、恥ずかしくもあるけど」

私「『AKB0048』、すっごく面白いよ。私、麻友さんのために、AKB48のこと、色々調べてあったから、それぞれのメンバーの役割とかも分かって、意味が通じて、楽しめた」

麻友「でも、『3型目渡辺麻友』は、最初から、気付くべきなのよ。私が、サイボーグなのは、有名なんだから」

私「ああ、そうだったのか」




私「読んでいる人のために、説明しておくと、『AKB0048』というアニメの中で、AKB48のオリジナルのメンバーの名前を襲名したメンバーというのが出てくるのだが、5代目高橋みなみ、10代目宮澤佐江、9代目大島優子などの中に、3型目渡辺麻友が、混じっている。なぜ、3『型』目なのか、ということを、話題にしていたのである。麻友さんは、AKB48の現役時代、特に初期、余りしゃべらないので、CG(シージー、コンピューターグラフィック)とか、アイドルサイボーグと、呼ばれていた。本人もそれを喜んでいたので、すっかり定着していたという前提があるのである」

麻友「太郎さん。このブログを、出版でもするつもり? そんな説明いらないわよ」

私「このブログは、私のメモ代わりにもなっている。関係する情報を、書いておくのは、後々重要なんだ」

麻友「それでは、ご自由に」




私「さて、{e}{\pi} の超越性の証明が、延び延びになっていた。今日は、{e} の超越性を、証明しよう。麻友さんは、見ていって、1変数の微分積分しか使っていないことを、見届けて欲しい」

麻友「つまり、『微分積分入門』だけで、理解できるかどうかね」

私「そう」




 {e} の超越性

 さて,無理性からこれよりもっとわかりにくい超越性に進むことにする.Hermite のもともとの証明は,Weierstraß, Hilbert, Hurwitz, Gordan らによって簡単化された.ここでは最も簡単化されたものを与える.(Lindemann の定理の証明の場合も同様である.)

 6.4 定理 (Hermite)

 実数 {e}超越数である.

 証明

 {e}超越数でないと仮定しよう.そうすれば

{a_me^m+\cdots +a_1e+a_0=0}

である.ここで一般性を失うことなく,すべての {i} に対して {a_i \in \mathbb{Z}} かつ {a_0 \neq 0} と仮定してよい.任意の素数 {p} に対して

{\displaystyle f(x)=\frac{x^{p-1}(x-1)^p(x-2)^p \cdots (x-m)^p}{(p-1)!}}

と定義する.{f(x)}{x}{mp+p-1} 次の多項式である.さて

{F(x)=f(x)+f'(x)+ \cdots + f^{(mp+p-1)}(x)}

とおく.ここで,{f^{(mp+p)}(x)=0} であることに注意しよう.そうすれば

{\displaystyle \frac{d}{dx} \{e^{-x}F(x) \}=e^{-x} \{F'(x)-F(x) \}}

       {=-e^{-x}f(x).}

よって,任意の {j} に対して

{\displaystyle a_j \int_0^j e^{-x} f(x)dx=a_j \biggl[-e^{-x}F(x) \biggr]_0^j}

         {=a_jF(0)-a_je^{-j}F(j).}

両辺に {e^j} をかけて {j=0,1,\cdots ,m} にわたって和をとれば、{e} の満たすと仮定した方程式から

{\displaystyle \sum_{j=0}^m \biggr(a_je^j \int_0^j e^{-x} f(x) dx \biggl) =F(0) \sum_{j=0}^m a_je^j -\sum_{j=0}^m a_j F(j)}

             {\displaystyle =-\sum_{j=0}^m \sum_{i=0}^{mp+p-1} a_jf^{(i)}(j)~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~(1)}

を得る.

 さて各 {f^{(i)}} は整数であり,この整数は {j=0}{i=p-1} の場合を除いて {p} で割り切れることを以下に示そう.再び Leibniz の公式を用いる.{j \neq 0} のときに現れる項のうち {0} でないものは,因子 {(x-j)^p} をちょうど {p}微分した形のものを含む項だけである.{p!/(p-1)!=p} であるから,そのような項はすべて {p} で割り切れる整数である.除外した {j=0} の場合の項は {i=p-1} のときだけ {0} でなく,そのときは

{f^{(p-1)}(0)=(-1)^p \cdots (-m)^p}

となる.それゆえ,{(1)} の値はある {K \in \mathbb{Z}} に対して

{Kp+a_0(-1)^p \cdots (-m)^p.}

ここで,{p> \max (m,|a_0|)} ならば整数 {a_0 (-1)^p \cdots (-m)^p}{p} で割り切れない.よって十分大きな素数 {p} に対しては {(1)} の値は {p} で割り切れない整数で、したがって {0} ではない.

 そこで積分を評価しよう.{0 \leq x \leq m} のときは

{|f(x)| \leq m^{mp+p-1}/(p-1)!}

であるから

{\displaystyle \biggl|\sum_{j=0}^m a_je^j \int_0^j e^{-x} f(x) dx \biggr| \leq \sum_{j=0}^m |a_je^j| \int_0^j \frac{m^{mp+p-1}}{(p-1)!} dx}

            {\displaystyle \leq \sum_{j=0}^m |a_je^j| j \cdot \frac{m^{mp+p-1}}{(p-1)!}}

これは {p \rightarrow \infty} のとき {0} に収束する.

 しかしながらこれは矛盾である.したがって {e}超越数である.

 証明終わり



麻友「これが、Hermite の証明? なんて読むの?」

私「これは、数学者は通常、エルミートと読む」

麻友「あちこちの式にあるエスの長いのは、積分の記号だったわね。確かに、『微分積分入門』を読めば、分かるのかも知れないわね」

私「先日、姪が、実家に来ていたとき、私に問題を出してきた」

麻友「どんな問題?」

私「一応数学だけど、パズルのようにして解く問題で、-21=5+3 というのが、デジタルの文字のように書いてあって、ここから一本だけ棒を動かして良いけど、長さは変えて良いけど向きは変えては駄目。そうやって、等式が成り立つようにせよ、というのが、問題。デジタルの文字というのが、分かるように書くと、





     ー       ー     ー
       | |  |       |
  ー  ー   |=  ー  +  ー
    |    |     |    |
     ー       ー     ー


というのが、問題」

麻友「太郎さん。どうしたの?」

私「3分ほど考えて、左辺の1を右辺に持っていって、

ー2=ー5+3

としたら? と聞いてみた」

麻友「向きを、変えてはいけないんじゃ、なかった?」

私「姪に、その点を指摘された。さらに5分ほど考えて、先日姪の持っていた、高校の数Ⅰの教科書に、合同式が載っていたのを思い出し、

21≡5+3 (mod13)

というのは? と、聞いてみる」

麻友「そんなの、私も、習ってないわよ。でも、あ、思い出した。この間、暗号のとき、出てきたわね。今の高校生、合同式なんて、習っているのかしら?」

私「姪は、『合同式なんて、知らない』と言った。結局、私は、解けなかったのだ。姪は、自分のオリジナルだと言っていた。そばで見ていた母が、姪に、『あの言葉は、おばあちゃん忘れちゃってたのよ』と、言った瞬間、『等式で、母が忘れるような言葉? それは、絶対値しかないだろう』と、閃き、|-2|=5-3 が、答えだと分かった。あのまま、1時間考えていても、解けなかっただろう」

麻友「それが、正解だったの?」

私「うん。まあ、もう遠からず、私の解けない問題を、出してくることだろう」

麻友「次回は、いよいよ、{\pi} の超越性ね」

私「『数学』というゲームを、楽しもうとする人が、一人でも増えるように、きちんと書こうと思う」

麻友「ほとんど、分からなくても、なんか凄いことができた、というのは、心地よいものね」

私「そう言ってもらえると嬉しい。今日の証明で、何度も絶対値が、出てきていたので、合わせて、記憶に留めておいて欲しい」

麻友「じゃあ、おやすみ」

私「おやすみ」

 現在2019年8月8日21時44分である。おしまい。