相対性理論を学びたい人のために

まだ一度も相対性理論を勉強したことのない人は、何か一冊相対性理論の本を読みかじってみて、なぜこんなことが?という、疑問を持ってからこのブログに来てください。ブログの先頭に戻るには表題のロゴをクリックしてください

微分・積分入門(その7)

 現在2019年12月9日5時04分である。

麻友「ガロアは?」

私「理系の高校生は、微分積分も、習っているんだ。それに、若菜と結弦が、復活させて欲しいと言ったじゃないか」

麻友「太郎さん、今、躁状態なのね。なんでも、挑戦できる」

私「まあ、そうかもしれない」

若菜「微分。久し振りですね」

結弦「お父さんは、学校の教科書とは違う、この本で勉強したんだね。分かり易かった?」

私「高校の教科書より、遥かに易しかったと思うよ。高校の教科書にはない、テイラー展開や、曲線の曲率も出てきて、面白い」

麻友「それじゃ、始めて」

私「よし。テキスト p.3 l.11 から」



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 いくら紙の上に正確な円を描いたって,この二つのものの関係はじつは決してわからないのである.


 研究者注

 この二つとは、円の面積と、円周の長さ、の関係のことである.

 注終わり


これこそ波立たぬ水面に石を投じて,徐々に,微妙に広がりゆく波紋をじっと見つめ,しだいに増大する円の変化を動的に捕える,つぎのような操作によってしか解き明かし得ない秘密なのである.

 あらためて半径 {r} の円を描いてみよう.ただし,この円は静止した円ではなくて,波紋のように,瞬間瞬間にその半径が増大して絶えず広がってゆく変化する円であると考える.ある瞬間の円の半径が {r} であって,そのときの円の面積が {\pi r^2} であったと仮定しよう.しかし瞬間の後には半径は微妙に増大する.その増しただけの量を

{\Delta r} (デルタ・アールと読む)

としてこれを {r} の増分と呼ぼう。


 注

増分はいつもプラスとは限らない.減ってゆく場合でも減分とはいわずにやはり増分という.そのときの値はマイナスになる.

 注終わり


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 この場合,記号 {\Delta} は“微少な変化の量”であることを暗黙のうちに示している.そうすると,そのときの円(大きくなった円)の面積は,第1図によってわかるように

{\pi (r+\Delta r)^2} (半径が {\Delta r} だけ増したときの円の面積)

である。

 このとき,面積はどれほど増したか,つまりはじめの円(半径 {r} )の面積を {A} とすると,増しただけの量すなわち面積の増分 {\Delta A}

{\Delta A=}(大きい円の面積)-(小さい円の面積)
{= \pi (r+ \Delta r)^2- \pi r^2}

となってくる(このことはなんでもないようなことであるが,きわめて重要な意味を含んでいるから,第1図とにらみ合わせて,じゅうぶんなっとくしていただきたい).



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私「とりあえず、ここで切ろう」

若菜「微分のときって、いっつも、{\Delta} が、出てくるんですね」

結弦「『微少な変化の量』って、何だ?」

私「これ以上大きくすると、議論が破綻する、という大きさが、あった場合には、もっと少ない量でのみ、続行して考えていて良いように、小さいときだけで成り立つ結果を出そうとしていますという、宣言なんだ。この後読んで行くと分かってくる」

麻友「じゃあ、続けて」



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 さて,この右辺はもっと簡単になって

{\Delta A=\pi \{2r\cdot \Delta r +( \Delta r)^2 \}=\pi (2r+ \Delta r) \Delta r}

となるが,ここで両辺を {\Delta r} で割ってみる.つまり,面積の微少な増し {\Delta A} と半径の微少な増し {\Delta r} との比を考えることにすると

{\displaystyle \frac{\Delta A}{\Delta r}= \pi (2r + \Delta r)}

となることがうなずけよう.

 さらに1歩を進めて,半径の微妙な増し {\Delta r} が,あるかないかほど小さいとき,すなわち {\Delta r} の値が,限りなく {0} に迫り近づくとき,記号で書けば

{\Delta r \rightarrow 0}

〔デルタ・アールが {0} に限りなく近づく,とか {0} に収束(しゅうそく)する,というふうに読む〕

このとき,上式の左辺の {\Delta r} は分数の分母であるから,これをむやみと {0} そのものに見なすわけにはいかないが,右辺の {\Delta r} はそれ自身の単独の値であるから,これを {0} と見なしうると,弾力性ある,動的な考え方をすると

{\displaystyle \frac{\Delta A}{\Delta r}=2\pi r }{\Delta r \rightarrow 0} のとき)    (1)

 この式の右辺は,いったい何を表わしているだろう.それは第1図に戻って,この図を直視することにより(小円と大円のちょうど中間にあるのが点線で示した円)

{\Delta A=}(点線の円の周の長さ){\times \Delta r}

とは考えられないだろうか(厳密に証明もできるが).



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麻友「ちょっと、ストップ。どうして、点線の円の周の長さなのよ」

私「ああ、引っ掛かったか。確かに初心者だものな。

{\Delta A=\pi \{2r\cdot \Delta r +( \Delta r)^2 \}=\pi (2r+ \Delta r) \Delta r}

という式が、あっただろう。これは

{\displaystyle \Delta A=\pi (2r+ \Delta r) \Delta r =2 \pi (r+\frac{\Delta r}{2} )\Delta r}

と書ける。最右辺は、半径 {\displaystyle r+\frac{\Delta r}{2}} の円の周の長さかける {\Delta r} だ。

 だから、小円と大円の面積の差、つまり、ふちのところの幅 {\Delta r} の一周は、ねじ曲げて直線にすると、(幅 {\Delta r}) で、長さが、(半径 {\displaystyle r+\frac{\Delta r}{2}}の円周の長さ)の長方形になる。

{\displaystyle r+\frac{\Delta r}{2}}は、点線の円周の半径であるのは、図を見て分かることだ。だから、この比が、点線の円周の長さであるのは、納得できるのではないだろうか」


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麻友「ねじ曲げたりして、面積は変わらないの?」

私「今は、半信半疑でいい。この本は、丁寧に説明してくれる」

若菜「{\Delta r \rightarrow 0} というのは、デルタ・アールが {0} に限りなく近付く、とか {0} に収束する、とか、お父さんも、いつもそう読んでいるんですか?」

私「これは、はいと、答えられる。私は、

{\displaystyle 2+3n \rightarrow 2~~~~ (n \rightarrow 0 )}

というのは、『{n} がゼロに収束するとき、{2+3n} は、{2} に収束する』と、読んでいる。急ぐときは、『{n} がゼロに行くとき、{2+3n} は、{2} に行く』と読むこともあるけどね」

結弦「そういう、本音を聞きたいんだよね」

私「取り敢えず、今日は、ここまでにしようか。朝早く起きたから、まだ8時18分だ」


結弦「微分って、ゆっくり勉強すれば、そんなに難しくはないね」

若菜「高校の物理では、微積分なしで、教えるそうですが、そんなことできるのですか?」

私「今はどうなっているか、分からないけど、かなり無理な式変形をしていた」

麻友「今日は、これから、どうするの?」

私「トントンへ、行こうと思っている」

麻友「そうね。家から出た方がいいわ。行ってらっしゃい」

私「じゃあ、解散」



私「確かに今、私、躁状態なのだと思う」

麻友「でも、ノートにバンバン書くほど、猛烈ではないわね。これなら、年末入院なんてことは、なさそうね」

私「結婚をシミュレートの提案は?」

麻友「もうちょっと、まっててね」

私「分かった。バイバイ」

麻友「バイバイ」

 現在2019年12月9日8時48分である。おしまい。