相対性理論を学びたい人のために

まだ一度も相対性理論を勉強したことのない人は、何か一冊相対性理論の本を読みかじってみて、なぜこんなことが?という、疑問を持ってからこのブログに来てください。ブログの先頭に戻るには表題のロゴをクリックしてください

相対論への招待(その35)

 現在2020年3月29日0時06分である。

麻友「寝てないじゃない」

私「ローレンツ変換のことが、気になって、眠れなくなってしまったんだ。明日は、予定がない。眠くなるまで、書くことにするよ」

麻友「眠くなったら、寝るのよ」

私「うん」


私「さて、問題になっていたのは、{(b \cosh t', b \sinh t')} という点が、双曲線

{\displaystyle \frac{x^2}{b^2}-\frac{y^2}{b^2}=1}

上の点で、{t'} が、パラメーターだということだった」

麻友「ストップ。パラメーターって何?」

私「ああ、説明してなかったね。{x} と、{y} という変数があるとき、必ずしも、{y} が、{y=f(x)} と表されるとは、限らない。こういうとき、パラメーター(媒介変数(ばいかいへんすう)ともいう){t} などを用いて、{x=f(t)}{y=g(t)} などと、それぞれを、表せることがある。このように使われる、{t} などを、パラメーターと言うんだ」

麻友「ああ、なるほど」

若菜「お父さんにしては、説明が遅かったですね」

私「実例で、慣れてもらおうと、思ったんだ」

結弦「一応、新しい言葉は、説明してよ」

私「分かった」


私「3月16日から、『麻友67』の、ノートで、33ページ目から、計算していて、3月27日に使い切ってしまった。それで、もう昨日だが、3月28日に、『麻友68』のノートに書き始めた。その決意文、


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2020.3.28 15:03:56「


 ローレンツ変換と戦う2人の言葉

麻友「もう十分時間もかけたのに、どうしてローレンツ変換が導けないの?」

私「どうしても、しっくりこない部分があるんだ。もうちょっと時間をくれない?」

麻友「太郎さんの完璧主義ももの凄いわね」

                   言葉終


               」2020.3.28 15:13:22


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麻友「さあ、始めてよ」

私「スキャン原稿・・・


 ここまで書いて、2時半頃寝た。



 さて、8時53分起き、母のところへ、生活費を受け取りに行って、買い物して帰ってきて、書き始める。


 現在2020年3月29日11時33分である。

私「スキャン原稿8枚目を、用意した」

f:id:PASTORALE:20200329113816j:plain

麻友「これを、確認したのね」

若菜「{(x,t)=(b \cosh t',b \sinh t')} が、双曲線、

{\displaystyle \frac{x^2}{b^2}-\frac{t^2}{b^2}=1}

上の点であることは、『相対論への招待(その26)』で、お母さんが、確かめましたね。ただ、あのときは、この図の、{t} が、{y} で、{t'} が、{t} でしたけど」

私「そうだな。あのときは、この図の、{t'} が、動いている麻友さんの時間、つまり固有時間だ、というような、書きっぷりだった」

結弦「違うの?」

私「結局、ここで、ボタンを掛け違えたために、私の頭の中の計算が、全部狂ってしまった」

若菜「本当は、どうだったんですか?」

私「これを、読んで、分かるかどうか、心許ないけど、計算を見せる。

{\displaystyle d \tau =\sqrt{dt^2-dx^2-dy^2-dz^2}}

が、固有時間の定義だった。{\tau} は、ギリシャ文字のタウね。これが、動いている人の感じる時間だ、というのは、ローレンツ変換を、導けば、分かることだ。今は、導けたとして、計算してみる。この結果を、ローレンツ変換の導出には使わないから、循環論法には、ならない」

麻友「大変な計算?」

私「何をやっているかだけ、分かってもらえれば、いい。まず、{y} 軸方向、{z} 軸方向には、動いていないので、{dy=0,dz=0}、よって、

{\displaystyle d \tau =\sqrt{dt^2-dx^2}}

分母、分子に、{dt'^2} をかけて、

{\displaystyle d \tau =\sqrt{\biggl(\frac{dt^2}{dt'^2}-\frac{dx^2}{dt'^2} \biggr)dt'^2}}

微分できる形に持っていって、

{\displaystyle d \tau =\sqrt{\biggl(\frac{dt}{dt'} \biggr)^2-\biggl(\frac{dx}{dt'} \biggr)^2}dt'}

{(x,t)=(b \cosh t',b \sinh t')} を代入して、

{\displaystyle d \tau =\sqrt{\biggl(\frac{d}{dt'}b \sinh t' \biggr)^2-\biggl(\frac{d}{dt'} b \cosh t' \biggr)^2}dt'}

微分して

{\displaystyle d \tau =\sqrt{(b \cosh t')^2-(b \sinh t')^2}dt'}

いつもの形に持っていって、

{\displaystyle d \tau =b \sqrt{ \cosh^2 t'- \sinh^2 t'}dt'}

{\cosh^2 x-\sinh^2 x=1} だったから、

{\displaystyle d \tau =b dt'}

結局、

{\tau =b t'}

である」

麻友「ごめん。最後の所だけ、分からない」

私「ああ、実は、積分定数を、省略したんだ。本当は、

{\tau =b t' + C}

もあり得る。{C} は、任意の定数ね。なぜなら、両辺を、{t'} で、微分すれば、定数の微分はゼロで、

{\displaystyle \frac{d \tau}{dt'}=b}

でしょ。だから、両辺に {dt'} を、かけて、

{\displaystyle d \tau =b dt'}

となって、合ってるでしょ」

麻友「それは、・・・」

若菜「つまり、お父さんが、一番簡単な形の、微分方程式を解いたということですね」

結弦「僕たち、『微分積分入門』、どんどん読んでいるんだよ。ところで、お父さん、躓いた原因の、


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麻友「あの、ハイパボリックサインや、ハイパボリックコサインは、この場合、何なの?」

私「{\displaystyle \frac{v}{c} = \beta =\tanh t'} だよ。だから、初めに種明かししますの精神にのっとるなら、

{\displaystyle \sqrt{1-\frac{v^2}{c^2}} = \sqrt{1-\beta^2} =\sqrt{1-\tanh^2 t'}=\sqrt{1-\frac{\sinh^2 t'}{\cosh^2 t'}}}

{\displaystyle =\sqrt{\frac{\cosh^2 t' -\sinh^2 t'}{\cosh^2 t'}}=\sqrt{\frac{1}{\cosh^2 t'}}=\frac{1}{\cosh t'}}

が、ローレンツ因子・・・


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(『相対論への招待(その32)』より)


なんだけど、これ間違いだったの?」

私「あのとき、私の頭では、{t'} は、固有時間ということになっていた。だから、何かおかしい、と思って、計算を止めたんだけど、{t'} を、ただのパラメーターと思うのなら、間違いではなかった。あくまでも、{\tau=bt'} が、固有時間だと置き直せば良い」

麻友「じゃあ、間違いは、なかったの?」

私「いや、4枚目のスキャン原稿で、



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 {t'}系と{t''}系は、{A}{B}の点で、{t}系から見て、同じ速度。{t'}系,{t''}系から見て、{A}{B}は、同時刻。

 コノライン上の点は、加速系で同時刻。

 最初からそのときまで、ずっと同時刻。

 相対論では、同時刻ラインは傾くので、

などとはならない。

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とあるが、

{t'}系と{t''}系は、{A}{B}の点で、{t}系から見て、同じ速度』

は、良いが、

{t'}系,{t''}系から見て、{A}{B}は、同時刻』

は、間違い、かも知れない」

麻友「大丈夫なの?」

私「なんとかするよ。麻友さんとの愛がかかってる」

麻友「待ってるわ」

私「じゃあ、おやすみ」

若菜・結弦「おやすみなさーい」

麻友「おやすみ」

 現在2020年3月29日21時50分である。おしまい。