現在2020年5月6日21時03分である。
麻友「何のためって?」
私「これは、『何のためのブルバキか?』と、書いても良いのかも知れない」
結弦「ブルバキの目的って、数学を厳密に築くことじゃなかったの?」
私「そうなんだけどね、ブルバキは、自分達がかなり進んだ後、圏(けん)という概念が出てきて、これを基礎に、数学を築けば良かったと、後悔したらしいんだ」
若菜「その話は、お父さんから、前に聞きましたけど」
私「なぜ、圏を使いたかったんだろうって、私は、ずっと謎だったんだ」
結弦「何か、ある程度、数学を勉強してからじゃなきゃ、理解できないもので、集合論は、今でも存在意義を失ってないと、お父さんは言ってたけど」
私「そうなんだ。ただ、ひとつ気がかりなことがあった。次の本、
清水 義夫(しみず よしお)『圏論による論理学』(東京大学出版会)
- 作者:清水 義夫
- 発売日: 2007/12/01
- メディア: 単行本
などを、見ると、圏論を使って、直観論理を構成しているように見える」
若菜「直観論理って?」
私「私が使っている論理は、古典論理というもので、二重否定は肯定になるという、普通の論理だ。一方直観論理は、二重否定が、必ずしも肯定にならない」
麻友「ああ、付き合いきれない数学、って太郎さんが言ってたものね」
私「ブルバキは、圏論を使って、直観主義的集合論を作って、それで数学をやろうとしてたんじゃないかな? と、今日気付いたんだ」
若菜「そうだとすると、どうなるんですか?」
私「それは、私の数学ではない。或いは、今の私の古典論理で、全部の数学を一周した後、ゲームのマルチエンディングみたいに、今度は、直観主義論理では、どこまで証明できるのかな? と、二周目を楽しむのなら良いけどね」
結弦「それって、前に言ってた、これを証明するには、どれだけ公理がいるかな? という逆数学みたいなことだね」
私「まだ私は、正常な数学すら、余り知らない。もっとどんどん正常な数学を、勉強したいと思えてきた。余り、論理がどうか、ということは、置いておいて、数学を楽しみたくなったんだ」
麻友「正常な数学って、どんな本に書いてあるの?」
私「ほとんどの数学の本は、正常だよ。他にも、『数学のたのしみ』という43冊の雑誌もある」
若菜「お父さんは、なぜ今まで、そういう本を読まなかったんですか?」
私「ブルバキとかで、完璧に数学を知ってから、のんびりと眺めたかったんだ」
麻友「ブルバキは、どうするの?」
私「読みたいと思っている。ただ、ブルバキだけが、正しいことの見本ではないと、思うことにした。例えば、Mathematica で計算して正しいのなら、正しいと認めるとかね」
若菜「Mathematica 欲しいんですね」
結弦「新型コロナウイルスの影響で、全員に10万円支給される。49,500円の、Mathematica なら、買えるね」
私「やっぱり、必要なんだよね」
麻友「電子辞書の次は、Mathematica ね。健闘を祈るわ」
私「今日は、ここまでにしよう。おやすみ」
若菜・結弦「おやすみなさーい」
麻友「おやすみ」
現在2020年5月6日21時55分である。おしまい。