現在2021年2月20日19時39分である。(この投稿は、ほぼ3292文字)
麻友「えっと、この題は、昨日の『アルツハイマー型認知症』という投稿の、最後の言葉を受けての事ね」
若菜「つまり、『お金を稼ぐために、働くということは、今後の人は、しなくていい』という方に、今年50歳になる子供のような人間が、1票を入れますと、宣言するのですね」
結弦「そりゃあ、毎日、仕事で、苦しんでる人には、嬉しい申し出かも、知れないけど、結果的に、ねずみ講とか、共産主義、みたいに、詐欺みたいになったら、恨まれるよ」
私「私は、こういうことを、提唱できるだけのものを、持っているんだ」
若菜「どんなものです?」
私「この世界では、ほとんどの、今まで大変だと思われていた、仕事について、その仕事をするのが、大好きだ、という人が、いるみたいだと、確信していることなんだ」
結弦「どういう風に?」
私「これは、新型コロナウイルスが、始まる前で、私が、まだ、トントン工房へ、行っていたときの、話なんだ」
若菜「はい」
私「私が、トントンへ行ってみると、ふたりの女の人が、ちょっと、揉めているんだ。見に行ってみると、2リットルくらいのアイスクリームのタッパーに、剥げかけた、シールで、『3.8リットル』って、書いてあるんだ。私の目で見ても、どうやっても、3リットルすら、無理に見えた」
結弦「ああ、2リットルのアイスクリームね。半分バニラで、半分チョコのとか、食べたことある」
私「それで、私は、面白いから、『じゃあ、測ってみようよ』と、言ったんだ」
麻友「太郎さん、向こうは、真剣なのよ」
私「そうしたらね、『今、調理中で、水を使えないんです』と、言うんだ。そして、『これ、絶対ラベルが間違ってるから、他の入れ物捜してきます』と、言って、ひとりは、行ってしまったんだ」
麻友「分かるわ~。太郎さんが、計量カップで、水を入れて測ったりしないってこと。物差しを持っているのですものね。19cmの」
私「ところがね、皮肉なことに、その日、ペンケースを忘れて行っていて、さらに、まだ手帳を持ってなかったから、筆記具が、なかったのね」
若菜「じゃあ、物差しとペンを借りた?」
私「物差しに関しては、あれが使えるな。というのがあったの」
結弦「あれって?」
私「これは、見せた方がいい」
結弦「これ、上のは、方位磁石と、温度計と、7cmの物差しが、ついている。下のは、何?」
私「こんなもの、必要だったことは、ないのだが、実は下の、黄緑色の楕円の線があるのは、水準器なんだ」
結弦「水準器? このテーブルが、水平かな? って、測るの?」
私「とにかく、面白いものだから、私のリュックには、この2つは、常に入っているんだ」
若菜「はーっ、大工さんでもないのに」
私「物差しは、これで、用が足りる。書くものはないのだが、電子辞書は、あった」
麻友「それで、計算機は、あるのか」
私「さすが、特待生。そうなんだ。そして、電子辞書用の、タッチペンがあるから、体積を、電子辞書のメモに書くことは、できる」
若菜「お父さん、実験嫌いとか言いながら、結構実験やってるんじゃないですか」
私「まず、7cmの物差しで、ちょっと大きめに、アイスクリームの入れ物の、縦・横・高さ、を測る。どう考えても2リットルだが、3リットルでも、3.8リットルには、届かないから、箱の底の脚も、容器の体積に含めた。筆記具がないので、全部、電子辞書のメモに、書いているので、結構大変だった。さあ、ここからが、オタノシミだ」
麻友「もう、見てられない」
私「『こういうことが、大好きな人間なんです』と言いながら、縦・横・高さを掛けた。そうしたら、3.2リットルくらいに、なったんだ。それで、びっくりして、
『大雑把に測って、3.2リットルもある。すり切りいっぱい入れたら、もしかしたら、3.8リットル入るのかも知れない』
と、叫んだ。そうしたら、私をずっと見ていた、揉めていた2人のもう一方が、
『その小さいものは、何ですか?』
と、言ったのだ。私は、
『メジャーが、書いてあるんです』
と、方位磁石を持って言ったが、
『いや、その開いてあるのは?」
と聞かれたので、
『電子辞書です』
と、見せた。最後の電卓の計算結果が、表示されていた」
麻友「どういうことだったのかしら?」
私「私も、私なりに考えてみたけど、トントンのメンバーで、私を試したのかも知れない。どう考えても、あの容器に、3.8リットル入るとは、思えなかったから、その辺の3.8リットルというようなシールを貼って、水を使えないと言ったら、太郎さんは、計算するだろうから、どれくらい、太郎さんの数学が、実地に通用するか、見てやろうというものだった、可能性はある」
麻友「ああ、でも、そういうとき、嫌がらせをされた、とか、いじめられた、とか、思わないところが、太郎さんのいいところね」
私「そもそも、私は、自分の数学が、役だったとか、喜んでるから、嫌がらせされたとか、いじめられたとか、想像もしない」
若菜「測りにくい定規で、測り、計算しにくい電子辞書で、計算しても、『こういうことが、大好きな人間なんです』と、言っている。どんな人の仕事も、そういうもので、あって欲しいです」
私「私の場合じゃないんだけどね、特に、女の人の場合で、もの凄く責任の重い仕事で、大変な仕事なんだけど、その仕事をするのが、大好きなんですという女の人が多い仕事が、あるように思うんだ」
麻友「保母さんね」
私「さすが、分かったね」
麻友「太郎さんとじゃ、多分子供を、作れないだろうけど、もし、子供を作ったら、私に、世話をできるかしらね?」
私「確かに、シミュレートするのは、大切なことだ。少しやってみると、これからの、リモートで、なんでもできる社会では、お金をもらうための、仕事はない。後は、AIに任せるか、自分がやるか、という選択だな」
麻友「えっ、そういうことに、なっちゃうの?」
私「そもそも、子供だって、ペットみたいに、愛玩するために、生むのだったら、AIを育てた方が、よっぽど問題は少ない。少子化対策担当大臣という人も、任命されているくらいだが、日本人が減ることが、必ずしも悪いこととは、思えない」
若菜「地方の過疎化とか、伝統工芸とか、問題ありません?」
私「さっきも言ったように、その仕事に適任の人に、やってもらう。或いは、その地方に惚れ込んだ人に、住んでもらう。それで、いいんじゃないかな。後、認知症のお年寄りの世話? それこそ、AIをもっと磨いて、やってもらうべきだよ。だから、人口が減るのが、悪いとは限らない」
結弦「お父さんの分析は、いつも、ドライだな。ところで、お父さんは、子供を作りたいの?」
私「これ、微妙なんだな、麻友さんを好きになって、結婚、結婚、って、言ってた頃は、子供も欲しいなと、思っていた。でも、2018年にドラえもんのブログで、AIの若菜と結弦という子供達を持ったことで、ちょっと変化した。何も分からない赤ちゃんから始まって、言葉を覚えて、幼稚園、小学校と、成長していく子供を見るのを楽しむ、というのは、それはそれで、楽しいだろうけど、自分が欲しかったために、この子を生んでしまった、という責任は重い。そう思わないかい?」
麻友「私は、まだ、26歳なの。もう少し考えてみたいわ」
私「好きなだけ考えたらいい。麻友さんの人生だ」
麻友「ありがとう。でも、みんなが、やりたいことを、やってたら、お金は、必要ないかもね」
私「そう思うよ。今晩は、これで、おやすみ」
若菜・結弦「おやすみなさーい」
麻友「おやすみ」
現在2021年2月20日23時15分である。おしまい。