現在2021年9月12日17時07分である。(この投稿は、ほぼ2003文字)
麻友「太郎さん。免疫をパスワードとして、使う。というのは、新しい発見なのかしら?」
私「いや、実用化は、ともかく、1990年代に、もう、発想は、あった。以前、『免疫の意味論』という本を、紹介したけど、まさに、免疫をそういうふうに、使えるという、本だったのだ」
麻友「自分で、発見したかも知れないのに、みんな、再発見だと分かっちゃう、太郎さんて、損な性分ね」
私「それに耐えられない人間は、科学者なんかになるべきではない。最近登場してなかったけど、あのファインマンですら、自分が今、物理学の一番前にいるんだ、と思ったのは、人生で、一回だけだったのだから」
麻友「そっか。それで、免疫で、個人を特定できる、社会は、いつ頃実現するのかしら?」
私「本当に、5年後に、お金が、なくなるのなら、それとほぼ同じ時期に、パスワードを免疫で、置き換えることも、可能だと思う」
麻友「どうして、そんなに、楽観的になれるの?」
私「科学は、十分進んでいるんだよ。予算とか、世論のために、技術が進み切れていないんだ」
麻友「じゃあ、このパスワードも、いずれなくなるのね。そう思って、説明を聞くわ」
私「私のインターネットバンキングに、ログインすると、私の2つの銀行口座の残高が表示される」
麻友「口座を2つ持っているの?」
私「どちらも、ほとんど入ってないけどね」
麻友「ああ、18,759円と、1,546円か」
私「この、少ない方が、私が持っているクレジットカードの引き落とし口座で、使い込んだ場合、損失補てんするのに、四苦八苦する」
麻友「これ、残高だけでなく、入出金明細は、見られないの?」
私「見られるよ。こうすればね」
麻友「あ、確かに毎月10日に、クレジットカード、引き落とされてる。いつも、ちょっとずつ入金して、クレジットカード引かれると、ほとんど残高ゼロね」
私「まあ、麻友さんの、これと同じものを、父に見せて、誠意もあり、財力もあり、心もひとつになってます。と、言えば、父の目の黒いうちにでも、あのみかん山の家で、2人で過ごせるかも知れないね。というわけだ」
麻友「一緒に過ごす上で、何が一番の障害だと思う?」
私「それは、やっぱり、都会で便利な生活に慣れている2人が、あの田舎で、一軒家で過ごすということの大変さだね」
麻友「あっ、いや、お父様を、説得するうえで」
私「そうだなあ。まず、アイドルだし」
麻友「引退したのよ」
私「分かってる。そのアイドル時代、アイドルのお手本のように、ストイックに生きた、というのは、父には、どうやったら伝えられるのかなあ」
麻友「あっ、そっか。こういうのは、嫌いだ。と、選抜総選挙のとき、言われてるのか」
私「あれから、4年も経っているし、見方も少し変わっているかも知れない。面食いな息子が、この歳になって、23歳も年下の女の子連れてくるなんて、三つ子の魂百までだな。と、思うかも知れないけど」
麻友「そうか、アイドルとして立派というのが、お父様にとって、人間として立派、とならないわけね」
私「あんな下らないものに、夢中になって、みたいに、思っているわけだからね。ただ、『自分の死後、息子の弟に成年後見人になってもらって、場合によっては、生活保護を受けて、生きているんだか、死んでいるんだか、分からないような生活を送るだろうと、思っていたのに、眞子様じゃないけど、持参金まで持って、ずっと秘かに見つめていました。なんていうパートナーが、現れるとは、思わなかった。これを、断るのは、宮内庁だって、有り得ないかもなあ』と、思っているかも知れない」
麻友「あ、成年後見人の、問題もあったわね」
私「麻友さん」
麻友「えっ」
私「ここが、一番大事なんだよ」
麻友「何が?」
私「もし、麻友さんが、私のパートナーになって、ふたりで生きて行かれる保証ができたら、私が、今まで、周囲から見て、まったく徒労に終わりそうなことをしていたことに、全部理由が、見出され、私の数学者と物理学者としての、計算が、きちんと将来を予想していたのだ、ということになり、私に対する評価が、ひっくり返るんだよ」
麻友「評価を、ひっくり返したかったの?」
私「麻友さんと、一緒になりたかったんだよ。周囲にも祝福されながら」
麻友「なるほど。死なないキルヒアイスは、いつかは、身を固めるのですものね」
私「明日、通院なんだ。ここまでのことは、一応、報告してくる」
麻友「先生にもよろしくね。じゃあ、おやすみ」
私「おやすみ」
現在2021年9月12日22時02分である。おしまい。